ナターシャの価値
「食事は?」
「お酒飲みたい!」
「了解」
亮は三人を連れておしゃれなカフェバーに
入った。
「なんか素敵なお店ね」
クラウディアとイリーナ声を上げた。
ファッションショーでロンドンやパリや
ニューヨークへ行った事が有る二人も
気にっていた。
ヒールを履いて180cmを越す高身長で
8等身以上のショートパンツ姿の
三人の足が長く周りの客の目を引いた。
「好きなお酒頼んでください」
「はい」
クラウディアとイリーナはウイスキーを
ロックで飲んでいた。
「ねえ、亮。私たちはこれだけしか
仕事をしていなくていいの?
二人はともかく私は客を取っても良いよ」
「もうその仕事はしなくていいですよ。
僕が作った薬草入りのマッサージクリーム
と蜂蜜を使った
フットマッサージをホテルでやります」
「ホテルです。セレブ相手です」
「素敵!」
「二人もできますか?」
亮はクラウディアとイリーナにも言った。
「出来るわ!」
「クラウディアとイリーナには
研修を受けてもらいます。
翻訳機を持ってください。
でも日本語覚えてくださいね」
ヤマト美容の研修施設を考え
亮は翻訳機をそれぞれに渡した。
「蜂蜜ってマッサージにいいの?」
それを聞いていたイリーナが亮に聞いた。
「ええ、蜂蜜には美肌、美白作用が
あるんだけど高価なのでエステティックサロンでは
使うところは少ないんです」
「本当?凄い!」
「ええ、それにナターシャのような色白で綺麗な
女性がマッサージをしたら女性でも
喜ぶと思います」
「でも、もったいなくないですか?」
「大丈夫、糖分を抽出して食品に使います」
「流石、亮ね」
「ところで、ナターシャ神村由香さんはどうですか?」
「日本人特有の肌のきめ細かさと張りが素敵
セルタイトを柔らかくすれば落ちると思います。
あまり綺麗な肌なので女の私が抱きたくなるくらいよ」
「あはは、施術しながら英語で話しながら、彼女の
英語レベルを上げてください」
「イギリス人の知り合いが言っていたわ、
日本人の女性がもう少し言葉が通じたら
結婚したいそうよ」
「分かります。アメリカでの日本人女性への
憧れは特別です」
「うふふ、そうね」
ナターシャが笑っていた。
「ねえ亮、さっきから周りの男性が私達をジロジロ
観ているんだけど・・・」
「声を掛けたいんだと、声を掛けられないんですよ」
「どうして?」
「日本人男性はシャイで自分に
自信が無いんですよ。言葉にしても肉体にしても」
「じゃあ、私達からか声を掛けるか、
彼氏が出来ないか、つまんない」
クラウディアが亮を見て言った。
「まあ、日本に慣れるまでは我慢してください」
亮は三人の労働ビザ取得手続きをしなければ
ならなかった。
「亮」
ナターシャが亮の耳元で囁いた。
「はい?」
「私を抱いてお願い!」
ナターシャは今までの仕事柄、
男性と体を合わせないと
精神的に障害を起こす可能性があった。
「分かりました」
亮はアイザックに言われた事を
思い出していた。
「嬉しい!」
ナターシャが亮の腕に抱き付いた。
~~~~~~~
1時間前
3号乗り場から美喜と雪を
乗せたタクシーが晴海通り日比谷トンネルを
上がって日比谷通りの信号で止まると
「ゴツン」
後から車がぶつかり
ぶつけた車の男が降りて来ると
運転手をタクシーの後ろに呼んだ。
「ちょっと見てください。ここです」
男が指さし運転手が頭を下げると
首筋にスタンガンを当てボタンを
押した。
「バシッ」
運転手は前のめりに倒れると
もう一人の男が気を失った運転手を
後のバンに乗せ、別な男が運転席に座った。
「お嬢さんちょっと失礼!」
男は体を伸ばし美喜と雪にスタンガンを
当てた。
「おい大島、二人の荷物を取って
スマフォの電源を切って
電波遮断袋に入れ
靴と服も脱がせろ。
金持ちは発信機を持っているからな
持ち物には気を付けろよ」
与謝野は美喜と雪の服を脱がせるように
大島に命じた。
「はい」
大島が最初に気づいたのは美喜の
持っていたロレックス
コスモグラフデイトナだった。
大島は美喜の腕から時計を外し
袋の中に入れたが後でそれを
取ってしまうつもりだった。
~~~~~~
「発信機が動いているけどどうしました」
玲奈から亮のスマフォにメールが送られてきた。
亮はメールを読み玲奈に電話を掛けた。
「玲奈さん、発信地はどこですか?」
「芝公園の辺りを移動しています」
美喜が行くとしたら飯田橋の家のだった。
「芝公園のPホテル付近からです」
「分かりました。美喜さんと雪さんが
誘拐されました」
亮はいたって冷静だった。
「一恵さんと麻実さんを連れて
車で銀座の事務所の方へ
来てください。
全員に連絡をしてインカムを
オンさせてください。
「了解です」
玲奈が返事した。
「小妹、現在位置」
亮が電話を掛けた。
「さっきいた怪しい奴を付けていて
新橋に向かって歩いている」
「了解、二人が誘拐された」
「えっ、どこで?」
「わからない、タクシー乗り場で見送ったから
その後だろう」
「私どうしたらいい?」
「そのまま付けてくれ、小妹が怪しいと
言うなら怪しいだろう」
「了解」
亮はナターシャ達に事件が起きた事を伝え
店を出てロビンに電話を掛けた。
「ロビン、美佐江姉さんとのデートは?」
「今、家まで送った」
「美佐江姉さんの身代わり達が
誘拐された手を貸してくれ」
「なんだって!どうすればいい?」
「銀座の事務所に来てくれ!」
「了解」
「文明、千沙子姉さんの身代わりが
誘拐された」
亮が文明に連絡をした。
「何だって!それでどうする?」
「申し訳ない、衛星を貸してもらえないか」
「ああ、いいぞ。使い方はロビンが知っている」
「ありがとう」
亮は事務所に入って部屋の電気を点け
パソコンとモニターのスイッチを入れて行った。
そして亮は屋上に上がりパラボラアンテナを
確認しているとロビンから電話が有った。
「亮、もうすぐそっちへ着く




