新婚旅行
「はい、お疲れ様でした。気を付けて」
「うん、ナターシャ達は日本に馴染むのに
時間がかかるから傍にいてやってくれ」
「分かりました。ロシア人女性はSOX好きだ
たまに抱いてやらないと反乱を起こすぞ」
「ま、マジですか?」
亮はアイザックに爆弾を三つ置いておかれた
ような気がしていた。
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亮は銀座4丁目で一恵と会った。
「お待たせしました」
「いいえ、調印の方は?」
「はい、すべて順調に」
亮はそう言って一恵の手を握った。
「あっ」
一恵は小さな声を上げた。
「もうすぐ結婚するカップルなんですから
仲良くしないと」
亮はポケットからダイヤモンドの指輪を
出して一恵の左の薬指に付けると
一恵が顔を真っ赤にした。
亮と一恵は手を繋いで東銀座の
旅行代理店HITに入った。
「いらっしゃいませ」
女性店員が声をかけた。
「すみません、新婚旅行をツアーで
お願いしたいんですが」
「おめでとうございます。担当させていただきます。
角田真理子です」
「ありがとうございます」
「お式はいつのご予定ですか?」
「9月15日です」
「どちらまで?」
「ニューヨークです」
「帰りはいつのご予定ですか?」
「帰国が23日までに予定しています。
ビジネスシートでお願いします」
「かしこまりました。空き情報を調べてまいります。
こちらで希望のホテルを選んでいただけますか?」
角田真理子はタブレットを亮に渡した。
「やった」
亮はタブレット持ってWi-Fiを調べ亮の
持っているスマートフォンにつないだ。
亮はすぐにロビンに連絡を取った。
「ロビン、いいか?」
「OK」
ロビンは亮のスマフォからHITの
サーバーに潜入した。
「お待たせしました」
角田真理子が戻ってきた。
「9月15日お式の予定ですと、何時ごろ終わりますか?」
「二次会を入れると夜ですね」
亮は一恵の顔を見つめた。
「そうなると翌日16日出発でよろしいですね」
「はい」
「午前の10時代と午後の16時代の出発になります」
「では、午前の便でお願いします」
「かしこまりました。ホテルはお決まりになりましたか?」
「はい、このホテルの朝食付きでお願いします」
「かしこまりました。ただいま計算をしてまいります」
角田真理子は席に戻って計算を始めた。
「亮、これが本当だったらいいのにね」
亮は一瞬戸惑って返事をした。
「ツアーで旅行なんて初めてなので
窮屈ですね。出発の時間も帰る時間も
決められていて」
「そうですね。私もツアー旅行なんて学生以来です」
そこにロビンから電話がかかって来て亮は外に出た。
「亮、ここの経理関係まで簡単に入ってしまったぞ。
いいのか?」
「もちろん、今亮の申し込んでいるツアーが出た。
1,258,300円だ。もし亮が経営するなら
もっと安全なシステムに入れ替えてやる」
「お願いします」
角田真理子は見積書を持って一恵に話しかけた。
「素敵な方ですね」
「はい」
「先ほど英語で話していたようですがお仕事は?」
一恵は亮がどんなに素晴らしいい男か自慢したかったが
信用してもらえるとは思えないので謙虚に言った。
「はい、貿易会社を経営しています」
「まあ、お若いのに立派ですね」
「はい、ありがとうございます」
一恵がお辞儀をすると亮が戻ってきた。
角田真理子は改めて亮の全身を
舐めるように見るとスタジオDの
高級スーツ、ブライドルのバッグ、
モンブランのボールペン、時計は
ロレックス コスモグラフ デイトナ
角田真理子は時計を見ていた。
「あっ?」
角田は時計好きの安田がしていた時計と同じだが
微妙に違っていたので気になった。
「ああ、これ特注なので」
「では、お値段も?」
「ええ、まあそれなりに」
角田は一恵の指輪を見た。
「でも、本当にお似合いの
カップルで羨ましいいです」
「角田さんこそ、仕事が
キビキビとして素敵です」
亮がにっこりと笑った。
「ありがとうございます。
おひとり様1,258,300円で
合計2,516,600円になります」
真理子は請求書を亮に渡した。
「わかりました。振り込みでいいですね」
「はい、明日の12時までに振り込まれませんと
キャンセルになってしまいますので
よろしくお願いします」
亮と一恵は仲良く手を握り合ってHITを出た。
「かなり資金繰りが厳しいようですね。
3ヶ月先のツアーの振り込みが
明日の午前中なんて」
「ええ、お客さんは沢山いたけど、
カード決済ができない大きな金額で
翌日は辛いわ」
「そうですね。食事をしたら事務所で
打ち合わせをしましょう」
「はい」
亮は中華料理猛林に一恵を連れて行った。
「ここは、初めてですね」
「いいえ、有名なお店なので友達と何度か」
「ここは父の会社の系列なので
後払いで食事ができますお好きなものを」
「ここも亮さんの関係している。
お店なんて感動しました」
そこに美咲から電話がかかって来た。
「亮、お姉さんが今夜危ないかもしれないわ」
「了解です」
亮はロビンに報告を受けて知っていた。
「一文字の関係者からのメールが
飛んできたので
今夜決行すると報告が来ていたわ」
「わかりました。ところで昨日の男たちは?」
「ネットの裏サイトを受けて面白そうなので
誘拐しようとしていたらしいわ。
一人一億は簡単に取れると書いてあったそうよ」
「では、今夜の犯人たちは
別なグループなんですね」
「ええ、繋がりは無さそうよ」
「その男たちを襲った犯人の目途は?」
「まさに秒殺なので目撃者も監視カメラにも
残っていないわ」
「そうですか・・・こちらでも気を付けます」
亮は小妹とバレなくてホッとした。
「お願いします」
亮は美佐江に電話を掛けた。
「美佐江、姉さん。
しばらくは名前隠してください
やはり姉さんの誘拐計画が有るそうです」
「うん、良いけど。雪さんは大丈夫なの?」
「有森雪さんは、柔道三段、
剣道三段だそうです。
美喜さんはもっと強い」
「美喜さんはそんなに!わかったわ」
美佐江はモデルの美喜がそんなに
強いと聞いて驚いていた。
「それで今夜はロビンと一緒に食事にでも行って
時間を使ってください」
「なぜ、家に帰っても良いじゃない」
「家に帰ったら誘拐犯は動きませんよ。
監視している可能性が有るので」
「了解だよ」
亮はロビンに電話を掛けた。
「ロビン、今日は美佐江姉さんと食事に行って
くれないか?姉さんには伝えてある」
「本当か!」
「安全の為にローラン・ギャロスで
食事をしてくれ、予約入れておく。
それとお礼に美味しいワインを
用意しておく」
「ほ、本当か了解」
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亮と一恵が事務所に戻ると
文明と玲奈が居た。
「お疲れさま、文明」
「ああ、あの後岩田専務と
ゴルフ場の売買の件で
話が出て、俺は一つ買ってクラブハウスを
ホテルに立て替えるつもりだ」
「ほんとうですか?」




