銀の会
「わかった、君の戦略に任せる。
自由にやってくれ」
「はい」
亮は返事をしてある事を思いついた。
亮は一所懸命手帳に書きとめている
一恵を呼び寄せた。
「一恵さんJOLとの会議の内容を
玲奈さんに伝えてください」
「はい、でも今日の会議はJOLの
取締役との衝突があって
このままだと上手く行かないんじゃないですか?」
「大丈夫です、必ず成功させます」
亮は想いを巡らし電話をかけた。
「絵里子さん、相談があるんですが・・・」
~~~~~
代々木八幡駅の近くのマンションの一室に
ひげをはやした日本人の男が
四人集まって話をしていた。
「こっちが姉の美佐江。こっちが妹の千沙子だ、
今日確認を取って来た。
谷垣、古森、顔を良く覚えておけよ、間違ったら
金にならないぞ」
「はい、与謝野さん」
「誘拐したら身代金は振り込ませるから、
身代金の受け渡しで警察に捕まる心配がない、
両足叩き割って歩けなくしてしまえ」
「はい」
古森は与謝野がいきなり足を叩き
割れと言われて驚いていた。
「いいか、アメリカの正義と言う大義名分で
イスラム社会に土足で入り込んできた。
アメリカ資本主義のグローバル企業は
石油の利権と自分の味方する国家に
大量に武器を売りつけている」
「はい、おっしゃるとおりです」
「安保条約に基づいて年間数千億円の
お金を米軍に出している日本を破壊すれば
アメリカの経済的な打撃は大きく、
沖縄をはじめ米軍基地は維持できず
日本からシッポを巻いて逃げていく」
「そうですね」
1番若い谷垣が感動して与謝野の
顔をジッと見つめていた。
「みんな、今回の誘拐が成功すればこれから
平和ボケした日本の大企業や政治家の
息子や娘、孫を誘拐して日本中を
混乱に落とし込む事が出来る」
「はい」
四人はそれぞれピストルを持って
マガジンを確認した。
~~~~~
絵里子が亮と待ち合わせ場所のル・フルールに
着いたのは4時過ぎだった。
「すみません、急がせてしまって」
亮は立ち上がって頭を下げた。
「ううん、あなたと会えるなら裸でも
飛んでくるわ」
亮は絵里子の裸を思い浮かべドキッとして
顔を赤らめた。
「どうしたの?まさか私の裸を
思い浮かべたんじゃないでしょうね」
「ま、まさか違いますよ」
「うふふ、私好きな人に気持ち
分かっちゃうんだぞ」
絵里子は亮の鼻を指で突っついた。
普段店で見せる姿とまったく違った、
少女のような態度は
亮の心をくすぐった。
絵里子の頼んだシフォンケーキと
ダージリンが届くと
絵里子は笑顔で亮に聞いた
「それで相談て、なあに?」
「実は・・・」
亮は今日あったジェイバイオ設立と
JOLの再建会議の話をした。
「おめでとう亮、これで一流企業の
経営者の仲間入りね」
「ありがとうございます、
一流企業とはまだ言えませんが」
「少なくとも最年少の上場会社社長にはなるわ」
「それで相談と言うのは、JOLの
取締役を調べて欲しいんです」
「ええ、いいわよ」
絵里子があっさりと答えると
「違うんです、蝶だけじゃなくてJOLの
取締役が出入りする店全部です」
「うん、分かっているわ。会社の経営危機にも
関わらず会社の金で飲んでいる
不届き者をつるし上げたいんでしょう」
「はい」
亮は絵里子の勘の良さに声も出なかった。
「さて、集合をかけなくちゃ、
場所は亮の事務所でいいわね」
「は、はい」
絵里子は次々電話をかけて行った
電話を終えた絵里子は真剣な
顔をして亮の目をジッと見つめた。
「亮、みんなに集合かけたけど
説得はあなたがするのよ」
「はい」
「みんな海千山千の現座のママ、
土下座したくらいじゃ言う事聞かないわよ」
「も、もちろん言いませんよ」
亮は土下座をしてお願いしようかと考えていたところ
ズバリ言われて慌てて否定した。
「そうよね、天才のあなたがそんな
単純な事するわけ無いわよね」
「はい」
「でも亮やっと天下を取る気になったのね」
絵里子は嬉しそうな顔をして亮の手を握った
「天下を取ろうとは思いませんが、
必要な事は全力でやります」
「うふふ、それでいいわ。そろそろあなたも
政治家と組まなくちゃいけなくなったわね」
「政治家は勘弁してください」
「亮、あなたが思っているほど
悪い政治家ばかりじゃないわ、
必死で日本を良くしようとしている
人もいるんだから」
「分かりました、いつか絵里子さんの
気に入った政治家と合わせてください」
「了・解」
絵里子が笑って亮の食べていた
ショコラトルテをつまんだ。
絵里子のグループLINE銀の会には
次々に出席をする返事が返って来ていた。
~~~~~~
文明が亮と別れるとすぐにニューヨークに
いる、千沙子に電話をかけた。
「千沙子さん、今会議が終わりました」
「文明さんお疲れ様でした。上手く行きました」
「すみません、会議室で怒鳴ってしまいました」
「うふふ、あなたらしいわ」
「反省します」
「今夜は亮と食事ですか?」
「彼とは夜じゃなくても話をしている。
それに彼は夜が忙しい」
文明は意味ありげな言い方をした。
「文明さん、姉を護ってくださいね」
「美佐江さんが何か?」
「ううん、しばらくは一緒に帰るように亮に言われているの」
「何かあったんですか?」
「私たちが誘拐のターゲットになっているらしいわ」
「本当ですか?」
文明は初めて聞いた話に驚きの声を上げた。
「はい」
「大丈夫です、私が護ります。
美佐江さんは私が送ります」
「お願いします」
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6時20分に亮が事務所に戻ると全員を
帰宅させ10人の銀座のママ
たちが会議室に入ってきた。
「みんなさん、お忙しいところすみません」
亮は立ち上がって深々と頭を下げた。
銀座のママたちは興味深そうに亮の全身を見て
その一人のクラブ華の順子が亮に言った。
「團さんずいぶんたくましくなったわね」
順子はスーツの上着の上からわかるほどの
腕と胸の筋肉を見ていた。
「ありがとうございます」
亮は自分の会社を立ち上げた事、いなほ銀行、
五島商事などの出資会社ジェイバイオの
代表取締役になった事
JOLのチャーター便ビジネス、
JOLホテルズの岩田観光による
買収が50億円でOホテルズに
売買されようとしている為に
上手く行っていないことを話した。
「そうなの、ニュースでJOL再建が
捗っていない事を聞いたけど本当なのね」
クラブ雅の千鶴は税金が無駄に
使われている事に腹を立てていた。
「はい、そこで池森会長や再建特別委員の
仕事がスムーズに進められるように
皆さんに協力をお願いしたいのです」
亮がママたちに言うと順子が亮に言った。
「團さん、つまり倒産寸前のJOLの取締役が
銀座で飲み歩いているか知りたいのね」




