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ジェイバイオ会議

一文字たちは美咲たちが

流した嘘の情報に踊らされた。

高田が答えるとそこに雪が戻ってきた。


「あっ、すみません。では私帰ります」

雪は応接椅子の脇に置いて

おいたバックを手に持って

一文字の事務所を出た。


~~~~~~

雪は一文字の事務所の有るビルから出ると

目の前に止まっていた車に乗り込んだ。

「お疲れ様、雪さん」

「はい」

「雪さんがトイレに立っている間に

奴らはUSBのリストを見ていたわ」


「そうですか、よほど見たかったんですね」

「うふふ、そうね」

「でも、あのリストのデータをそのまま

渡してよかったんでしょうか?」


「大丈夫、警察関係は全部改ざんしてあるから

みんな父の派閥の人間で

彼らから連絡があれば、すぐに父のところへ

連絡があるようになっているから」


「そうだったんですか」

「ただ、警察関係者以外の五人は

そのままにしていたから、

どこでどう繋がるか楽しみだわ」

「はい、そうですね」


~~~~~~

葉子に案内されて会議室に入った

亮と文明は隣り合って座った。

「一恵さん、ごめんなさい私たち

秘書は壁側の椅子なの」

葉子は優しく一恵を案内した。

「ありがとうございます」


気を使ってくれる葉子に一恵は感謝した。

「ごめんなさい、葉子さんも亮さんと?」

一恵は葉子の耳元で囁いた。

「ええ、彼がいたから私がここにいるのよ」

日本最大級商社の社長秘書の葉子は笑顔で

一恵に答え、きびきびと働いていた。


イスに座っている会議の出席者が

次々に亮に挨拶に来た

「亮くん、今日は横山頭取も

来るのでこの後ここでJOLの

再建ミーティングをしようと

思うんだが時間は大丈夫か?」

内村が亮に声をかけてきた


「はい、大丈夫です」

亮は文明に中国語で話をすると

文明が内村の顔を見てうなずいた。

               

「亮、ご苦労さん」

DUN製薬の社長真田と入ってきて

秀樹が肩を叩いた。

続いて五島商事内村社長、ADD印刷の赤沢、

石橋工業の石橋、上原建設の上原、

クラサワの倉沢。


細川建設の細川をはじめとする、

新大阪不動産の徳田、神戸製鉄の毛利、

伊達水産の伊達、関西石油の加藤の

大阪五人集も会議室に入ってきた。


最後にいなほ銀行の横山頭取と

内村が席に着くとバイオエネルギーの会社

ついてのテーブルの上に

置かれた資料を基に会議が始まった。


全員がそろうと亮が挨拶して

話し始めた。

「まずこの仕事をする会社、仮称ジェイバイオ

 呼ばせていただきます。資料をお読みください」

まず亮が出した資料を説明すると

全員が目を丸くした。

「この資料は本当ですか?」


石油会社の社長加藤が声を上げた。

「はい」

亮が驚いている加藤の意味が分からなかった。

「この燃焼効率はガソリン並ではないですか」

「はい、木蝋の原料のハゼの実を添加して

作る事によってこれだけの物が出来ます」


「しかし、でもハゼの実はそんなに取れないだろう」

内村が否定的に質問すると文明が笑って答えた。

「ハゼの木は元々中国にたくさんあります。

5年前亮に頼まれてたくさんの植林をしました。

大丈夫です」

文明は片言の日本語で言った。


「我々も長野の山林にハゼの木を

植林していましす」

秀樹が答えた。

「おお、そんなに前から・・・

ハゼの実の加工は

ぜひうちの会社でやらせて欲しい」

石橋は亮が5年前から準備をしていた亮たちに驚き

自分の体が熱くなっているのが分かった。


亮はうなずくと

「ハゼの木の実が十分に確保できる

当面の間自動車や航空燃料用の物には

化石燃料を添加します」

亮は石油を販売している

文明と内村と加藤の顔を見た。


亮の技術的な話が終わると議題は

日本における事業展開と

上場に向けての話し合いになった。

普段このような話し合いは議長の議事

進行でおとなしく進むものであったが

会社の代表者たちが学生時代に

帰ったように熱く語り合って行った。


「はい、みんな熱いですね」

「違うぞ亮、お前がみんなを熱くさせているんだ」

文明が亮の肩を叩いた。


「さて、ジェイバイオの代表取締役ですが」

議長の内村が言うと全員が亮の顔を見た。

「適任者はバイオ燃料に詳しい人間がいいですね

 みなさん」

関西石油の加藤が全員に同意を求めた。


「おい、亮。みんなお前の事を

言っているんじゃないか?」

文明が亮に言うと

「ぼ、僕は無理です。忙しすぎます」

手を横に振った。


「そうだ、亮には私の仕事を手伝ってもらいたい。

 忙しくなってもらっては困る」

文明が反対した。


「私は團亮さんにぜひやってもらいたい」

倉沢が手を挙げて言うと堰を切ったようにみんなが

賛成の手を挙げた。


「待ってください、僕は忙しくて無理です」

亮が立ち上がって言った。

「團さん、それは違う。あなたはすべて

自分でやろうと思うから忙しいんだ

これだけのそうそうたる顔ぶれがあなたを

神輿に担ぐんだ。我々は金を出すだけではなく

あなたの手足になって動く優秀な人材も出す」

内村が言った。


「そうだ、将は指差すだけでいい」

内村が亮を諭すように言うと徳田が嬉しそうに言った

「ぜひ、そう願いたいな。これから

JOLの再建をしていく上で

 しがらみの無い團さんが適任だろう」

いなほ銀行の横山頭取が力強い目で亮を見つめた。


「亮、どうやらお前しかいないな。

世界温暖化を止める志があるなら

 引き受けるべきだ」

秀樹が言うと亮が立ち上がった


「えっ、お父さんまで!」

「亮、本当のお父さんを目の

前にして言うのもなんだが

お前は私たちの息子だ、

お前に日本の未来、世界の未来を託したいんだ」

亮は加藤に言われるとおとなしく座って言った。


「分かりました、お引き受けします」

亮はテーブルに手を付いて頭を下げた。


「では、1年でマザーズ上場を前提

としてがんばってください團社長。

みなさん團亮くんの応援をよろしくお願いします」

内村が言うと全員が拍手をした。


「はい、仕事を受けたからには

最大の努力をさせていただきます」

「その代わりと言ってはなんだが、

会社運営に必要なスタッフと

 わが社の石油部の精鋭を出向させる」


その言葉に内村のジェイバイオに対する

意気込みが感じられた。

「我々も精鋭を出向させよう」

加藤が言った。

「すみません、精鋭の方はお断りします」

「しかし、君には右腕が必要だろ」


「はい、ただ出向の人間は元の会社にいつか

戻ろうとして無理やり功績を上げようとします」

「チームワークを乱すと言う訳だな」


「はい、出来ましたら希望者を募って

ジェイバイオのために

働きたい人を探してもらえますか?

仕事を知っている人ならば窓際の方でも良いです」


「そうだな、その通りだ」

内村は亮が言われた事で自分の

思い上がった心に気がついた。


「僕の欲しいいメンバーは研究部門、航空部門、

管理部門の能力のある方が欲しいいですね。

定年を過ぎた方でも結構です」

会議を終えると内村が肩を叩いた。


「資金が集まったら会社設立に入ります

亮君7階の事務所の方は私の方でやっておくから

来週にはスタートできるだろう」


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