キャバクラ
「おはよう」
飯田の渋い顔が急に笑顔になった
「どうだ、市ヶ谷の家は?」
「はい、凄い設備です。でもあの車は?」
「ランボルギーニとアルファードか。
自由に使っていいぞ。私は乗らん」
「本当ですか?」
亮は目を輝かせて言った。
「ああ」
「ところで、アリゾナの土地
ひょっとしたら化けますよ」
「本当か?」
「はい、地上にはたくさんのサボテン、
地下にはお宝が」
「うんうん、さすが亮だ」
飯田は亮の肩を叩くと亮は面接に
どんな女性が来るかワクワクした。
「さて、どんな人かな?」
「おはようございます」
黒いスーツ姿の30代後半の
キャリア風の美人が入ってきた。
「天知理沙です。よろしくお願いします」
「團です」
亮は立ち上がり飯田を紹介した。
「こちらが会長の飯田さんです」
「飯田です」
「團の秘書の新村です」
「同じく幸田美喜です」
一恵も挨拶をした。
「幸田さんてあのモデルの?」
「はい、引退していますけど・・・」
「あのう、それで社長さんは?」
理沙が聞くと飯田が返事に詰まった。
「今海外出張中で團君に代わりに
責任者をやってもらう」
「はい、團さんよろしくお願いします」
理沙は改めて團に挨拶をした。
「じゃあ、後は任せたぞ」
天地理沙の資質を見て安心した。
飯田が立ち上がると帰ろうとした。
「飯田さん、アリゾナの件が分かり次第連絡します」
「おお、お宝楽しみにしているぞ」
「はい」
「そうだ、内藤瑞希さん以前パーティに
来ていたよな。親しいのか?」
「ええ、まあ」
「どうだ、彼女買わないか?」
「どういう意味ですか?」
「彼女の所属しているプロダクションが
5000万円で売りに出ている」
「ほんとうですか?マネージャーいますか?」
「なんかベテランの女マネージャーが二人
いるそうだ」
「会社を買うとトラブルが有りそうなので
全員移籍という事ならありでしょうね」
「なるほど・・・」
飯田がしばらく考えた。
亮は尚子が日本に戻って時の為に
芸能プロダクションが欲しかったが
最低でも管理、経理、営業の五人のスタッフ
事務所が必要であり忙しい今、それを処理する
時間が亮には無かった。
「わかった、白尾尚子さんは帰って来るんだよな」
「はい」
「この先は私に任せてくれ、
私が責任を持って処理する」
「すみません」
~~~~~~~
亮がテーブルを挟んで美喜、理沙に話しかけた。
「早速ですが、お店のイメージ、特長を
作っていかなくちゃいけませんね」
「はい、新店なので面接はたくさん来ると思います」
「はい、でも理沙さんが扱いにくいような
ホステスは要りませんよね」
「いいえ、大丈夫です。客足らいが上手くて美人なら」
「本当ですか?」
「はい、いざとなれば團さんの力を借ります」
「えっ?」
「亮さん、SOXが凄いそうですね?」
亮はいきなり砕けた話をされて面食らった。
「はあ」
「とにかく1日十人客を呼べる
スーパーホステスが十人欲しいわ」
「ノルマは?」
「稼ぐ子はノルマをクリアしてしまうから
簡単だけど」
「他の子はノルマつけると逆に苦しんじゃうから。
時給5000円以上の子にはつけましょう」
「はい、お任せします」
「はい」
「ホステスさんの禁煙は徹底させましょう」
「はい」
「せめてホステスさんは健康な
生活をして欲しいです」
「うふふ、優しいんですね」
「福利厚生でホステスさんには系列の
トレーニングジムを無料で使ってもらいます。
美容院マテリアの割引、スタジオDの割引、
控え室には健康食品を置きましょう」
「まあ、凄い福利厚生」
「みんな系列ですから」
亮の頭の中にはホステスをジムに入れる事で
男の客が増える相乗効果を狙っていた。
理沙は亮の凄さに口を空いて見ていた。
「團さん、私も買っていいかしら?
スタジオD好きなの」
「もちろんです」
「ボーイさんはどうします?」
「当初は女性を採用しましょう」
「分かりました。それと理沙さんの
アシスタントが必要ですね」
「はい、まあ」
「誰か候補がいらっしゃいますか?」
「はい、います」
「ではその方にお願いしてください」
「はい、連絡を取ってみます」
「團さん、そのステージ何に使いますか?」
理沙はセンターにあるステージを見て言った。
「ライブをやりましょうか?」
「何々?漫才?」
「あはは、それもいいですね。
ダンスパフォーマンスをやりましょう。
今の若い子たちはダンスが学校で必須なので
踊れる子が多いですからね」
「うふふ、そうですね」
「時にはライブミュージック」
「それは難しいわ、
キャバクラじゃ出演を断るでしょう。
ストリートミュージシャン
じゃレベルが低すぎるわ」
「そうでもないんですよ。発掘します」
亮はロイたちが買収したレコード会社の
ミュージシャンを出演させる事を考えていた。
「後はお店側の集客企画ですね。
がんばりましょう」
「はい」
面接が始まると馴れ馴れしい口調で
話しかける女性が居た。
「お久しぶりです。松平亮さんでしょう」
「は、はい」
亮は菜奈の顔をじっと見ると亮は思い出した。
「ああ、以前ローラン・ギャロスの
トイレの前で会った岩田物産の
秘書課の前田菜奈さんですよね」
「そうです。覚えていてくれたんだ」
「菜奈さんこそ」
菜奈は亮に抱きついた。
「それでどうしてこのお店に?」
「うん、ホストにつぎ込んじゃって
借金返済に」
「なるほど。それで今でもホストに」
亮は岩田琴乃もホストの徹にはまっていたので
菜奈も助けてあげたかった。
「うん、つぎ込んでいる。うふふ」
「ホスト遊び止めればいいのに・・・」
「はい、止めさせてください」
菜奈は突然亮に抱きついてキスをした。
「これこれ、こらなら私の男狂い治せる」
「はあ、それで岩田物産の方は?」
「辞めていません」
「あはは、琴乃さんには内緒にしておきます」
「えっ、社長とお知り合い?」
「はい」
菜奈の顔色が変わった。
「大丈夫です、言いませんから安心してください」
「はい」
菜奈が大人しく返事をした。
「じゃあ、ホストクラブ通いが
止まったらこの仕事辞めますか?」
「ううん、お金を貯めたいから」
「そしてお店をやりたいですか?」
「そうよ、どうしてわかるんですか?」
「外交的なあなたはお店をやりたいかなと
思って」
「ありがとうあなたが傍にいてくれるなら、
ホストクラブは止めるわ」
「分かりました、約束します。
お店を開きたいならお手伝いしますよ」
「じゃあ、今度食事をしながらね」
「はい」
亮は瓶詰めの媚薬カプセルを菜奈に渡した。
亮たちの面接は順調に終り、特Aクラスの女性が
十二人 Aクラスの女性が十人
Bクラスの女性が二十人 フロア係りの
女性が五人決まり保留は二十人おり
その中でもっと収入が欲しい人が十人、
年齢、雰囲気的に銀座向きの人が十人だった
「團さん女性扱いが上手ですね」
「そうですか?」
「みんなボーっとしていました」
「あはは」
亮は媚薬の効果を笑ってごまかした。
「理沙さん思ったよりAクラスが少ないですね。
やはり新店は難しいみたいですね」
「問題ありません。BをA、Aを
特Aにするのが私の仕事です」
亮は理沙の凛とした態度を頼もしく思った
「金銭的に困っている方は相談に乗りましょう。
家庭と金銭面で悩みがある人は
仕事に集中できないので」
亮はそう言って美喜の顔を見た。
「それと、十人の中の超美人の牧田千枝子さんは
銀座で通用すると思います」
「私もそう思います」
「問題なければ銀座の方を紹介しましょうね
美也子さんに連絡してください」
「はい、そうします」
一恵が亮の耳元で報告した。
「亮さん、私は羽田空港へ向います」
「はい、お願いします」
一恵が理沙に会釈してお店を出ると
すぐに理沙が言った。
「新村さんは仕事ができますね。
私は派遣の仕事をしていたので分かります」
「ありがとうございます、本人も喜ぶと思います」
「彼女給料高いでしょう」
理沙が亮に顔を近付けて言った。
「あっ、給料の話をしていなかった。
いくら払えばいいんだろう?」
「彼女の学校は?」
「一葉学園秘書課です」
「じゃあ、年収で600万円以上ですね」
「そうですか。わかりました」
亮は一文字の件が片付けば一恵は
再就職の先に困らないと確信した。
亮は理沙とキャバクラ経験者の美喜と
運営方法でしばらく話し合っていた。
「理沙さん後はお任せしていいですか?
次の予定があるので」
「はい、後は面接希望の電話が入るだけだと思います」
「分かりました。女の子達の写真撮影とユニファームの採寸を
あさって金曜日に雇用契約と一緒にやりましょう。
その後トレーニングをして
月曜日オープンでいいですね」
「はい」
亮は飯田に電話をして面接の結果を報告し
オープンを月曜日にしたい旨を話すと
飯田は喜んで返事をした。
「ああ、いいよ。じゃあこれから
あちこちに挨拶にでも行ってくるか」
「お願いします」
~~~~~~~
飯田は塩野正治に新宿のホテルの喫茶室で会った。
「昨日の件だが5000万円でスタッフを全員引き
受けよう。確かにメインの三人の売り上げでは
会社の維持がギリギリだろうから、てこ入れを
しなければならないだろう」
「はい、そうです」
「だが瑞希ちゃんが私のお気に入りでね
期待しているんだ」
「でも、彼女はホストに夢中ですよ。
他の小森奈々美、佐藤いずみも
何とか亮と言うホストにはまっているし」
「何とか亮か・・・はははこりゃ良いわ」
「亮、小森奈々美、佐藤いずみを知っているか」
飯田は亮に電話を掛けた。
「はい、知っていますよ」
「今日話したプロダクションに所属しているぞ」
「本当ですか」
「それでうちで引き取る事にした」
「わかりました、努力します」
「うん」
~~~~~~~
そこへ一恵からの亮のスマフォが鳴った。
「亮さん大変な事が起きました」
「どうしました?」
亮はデザイナーが到着しなかった
じゃないかと不安になった。
「到着したのがデザイナーとジャネットと
ブルックとブルックのお父さんの四人なんです」
亮はまったく意味がわからなかった。
ジャネットとブルックのそしてブルックの
父親がそれがどういう関係で、
来ていた事がまったく謎だった。
「とりあえず大型タクシーでホテルに向っています」
「分かりました、僕もホテルへ向います。
ホテルの予約は?」
「はい、手配中です」
「さすが年収600万円」




