ホテルイワタ
「はい」
亮には売り上げる提案が出来る
自信があった。
「今、各ホテルが中国富裕層の取り込みを
して売り上げを伸ばしています
しかし、私どものホテルは資本も
運営も大手海外ホテルチェーンと
提携しておりません」
「つまり、中国や海外のお客さんを
呼びたいと言うわけですね」
「ええ、そういう事です」
「岩田さん、他に何かありますよね」
亮は昨日、時子がCホテルで
食事をしていたのが気になっていた。
「うふふ嘘はつけないわね、
実は今新橋にビルを建てている
林トラストはビルに入るホテルの選定をしていて
私どもも手を挙げています」
「海外ホテルと提携していないホテルは海外の
集客力が弱いので不利と言うわけですね」
「その通りです」
「そうすると岩田さんもどこかのホテルと
提携すればいいですよね。
マリオット、シェラトン、ウエスティン、
ハイアット、ヒルトン以外でアジアに強い
ホテルチェーンと
言えばイギリスが本社で香港にもある
ルーセント・インターナショナルホテルズですね」
「はい、我々もそう思って思って
接触を何度も図っている
のですが恥ずかしながらオーナーと
会ってももらえない状況です」
時子の右脇にいた千住常務が言った
「分かりました、私の話を聞いていただけますか?」
亮がJOLの再建計画とチャーター便の話をすると
席に座っていた岩田観光の
スタッフが体を乗り出した。
亮は立ち上がり文明に電話をかけた。
「亮です」
「おお、どうした?」
「今日1時の五島商事の打ち合わせに
出席お願いします」
「ああ、分かった」
「ところで、岩田観光が
ルーセント・インターナショナルホテルズと
提携したいそうなんですが、もし知人なら
香港のホテルのオーナーを紹介してくれませんか?」
「うん、分かった」
文明は簡単に返事をした。
「僕はJOLホテルズを岩田観光グループに
売却できれば思っています」
「なるほど、岩田観光の資産状況を教えてくれ」
「兄さんは今、どこにいますか?」
「ホテルにいる」
「分かりましたすぐにメールで送ります」
「じゃあ、待っている」
「失礼しました」
席に戻った亮は岩田観光の資料を
文明に送るように話をして
その間に亮はJOLホテルズ売却の話を持ちかけた。
「その件は以前、JOLさんと話し合いが
ありましたが
条件が厳しくて流れた事があります」
今度は時子の左となりにいた
総支配人の桑山が言った
「それはかなり無理があったんですか?」
「はい、各ホテルの従業員の雇用契約は現状維持、
支配人はJALホテルのOBで年収1500万円保障、
他にOBを何人か雇わなければならない条件や
取引先も指定してきました」
「それでは難しいですね」
亮はため息をついた。
そこに文明から電話があった。
「亮、OKだ。ルーセント・
インターナショナルホテルズが
提携の話を聞く」
「それで条件は?」
~~~~~~
「おはようございます、昨日はごちそう様、和美」
ナターシャはHITの経理の照合している
和美とデビッドから送られた
データを翻訳している一恵に挨拶をした。
「おはよう、ナターシャ」
一恵が言うとナターシャは腰に
手をやってオフィス見渡した。
「私たちのデスクはどこ?」
ナターシャが一恵に聞くと
「そこです」
和美が指差した方向の入り口にから
右側にデスクが並べられていた。
身長170cm以上でボンと突き出た
大きな胸と桃のような形のお尻をした
グラマラスな女性たちは椅子に座ると
足を組みパソコンのスイッチを入れた。
「わあ、ロシア語のWindowsになっているわ」
クラウディアは感激してロシア語でナターシャ言った。
急ぎの翻訳で神経が高ぶっている一恵は
大声で話をする三人をにらめつけた。
突然、クラウディアは電話を取って話を始めた。
「OK、インドネシアからのチーク材は
明日、神戸南港に着くのね、分かったわ」
クラウディアは電話の持ったままナターシャに聞いた
「ナターシャ、明日材木が着いたら
どこへ運べば良いかしら?」
ナターシャは少し考えて答えた。
「亮さんに聞いて後でメールをするわ」
「了解」
クラウディはうなずくと電話で話を続けた。
「ナターシャ、ポーランドの観光課が
日本観光ツアーを
すぐに企画するそうよ」
イリーナがナターシャに言った。
「了解、ありがとうイリーナ」
「和美、ちょっと良いかしら?」
ナターシャが和美のデスクの前に立って
片言の日本語で聞いた。
「ボスは今日何時ごろ出社しますか?」
「ボス?アイザック?」
和美はいきなりボスと言われて誰だか判らなかった
「亮です」
「ああ、亮さんね。ちょっと待って」
和美は一恵の方を向いて
「一恵さん、今日の亮さんのスケジュール分かる?」
「はい、今岩田観光さんと打ち合わせをしていて
1時から五島商事へ行きます」
「ありがとう、一恵さん」
和美は一恵に礼を言うとナターシャに向って言った。
「ナターシャ、亮さんは今目白で1時から大手町
だから1時間くらい時間が空くと思うわ」
「ありがとう、今日の夜は空いているかしら?彼」
「うふふ、早めに予約を入れておいた方がいいわよ、
亮さんは夜のほうが忙しいんだから」
和美が笑って言った。
「はい、そうするわ、それと和美が着ている
ユニフォームが可愛いけど
私たちのも有るのかしら?」
「ええ、すぐに手配するわ、サイズは?」
「三人とも38だよ」
ナターシャが答えると和美が悩んだ。
「38が9号、40が11号ですよ。和美さん」
「うーん、あの胸は大きい方が良いわね」
「ありがとう、本当に可愛い」
そう言ってナターシャとクラウディアとイリーナは
コーヒーを持って会議テーブルでコーヒーを飲んだ
「なんだありゃ」
一恵は三人を見てため息をついた。
~~~~~~
「岩田専務、ルーセント・インターナショナル
ホテルズの回答です」
亮は立ち上がって岩田時子を見つめた。
「もう回答が来たの?」
「はい、ルーセント・インターナショナルホテルズは
提携代として岩田観光の2%の株が欲しいそうです」
「2%!」
周りの人間が声を上げた。
「それは、多すぎる!時価相場で5億だぞ!」
千住常務の左隣のいた男が声を上げた。
「私が調べた所、現在の岩田観光はメインの
結婚式の売り上げが落ちている事
バブル時に高金利12%で
資金調達してから買収する方法を取って
有利子負債に悩まされているはずです。
リゾートホテル開業のために日本のあちこちに
購入した土地がそのままになっていて、
全国10ヶ所にある
ゴルフ場も赤字のはずです」
「・・・」
岩田観光の社員は黙ってしまった。
「そこで、ルーセント・インターナショナルホテルズは
JOLホテル買収のための500億円を2年間無利子で
融資する準備が出来るそうです。
それ以上かかる場合には普通の利子がかかるそうですが」
「500億円を無利子、そんな事」
時子が驚きの声を上げた。
「岩田観光さんの年商1456億円、
JOLホテルズが年商220億円
トータルで1676億円、買収が成功して
JOLホテルズのスリム化が進んで
ホテルイワタ経営が浸透すれば
年商1800億円は見込まれます、
もちろん利益率2%しかないJOLホテルズの
利益はもっと上がるでしょう」
「もちろんです、我々ならその
何倍も上げる自信が有ります」
千住常務は純国産のホテルグループとしての
接客、サービスに自信があった。




