表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/195

泳ぎの練習

亮はプリントアウトされた帳簿を和美の所へ持っていくと

「和美さん、これを見てください。この2社は

毎月500万円のコンサルタント料を

 HITから取っているけど他の売り上げはまったく無い。


これはまさにHITのトンネル会

社ですよ。年間12,000万円も」

「そうですね、上場準備のときに公認会計士さんは

指摘しなかったのかしら?」


「ええ、そうですね。まるで上場する気がないみたいな」

亮はますます安田を胡散ウサン臭く感じた。


亮は時計を見るとロビンが帰り支度を始めた。

「今日はここまでにしましょう、ロビンありがとう」

「うん、じゃあ僕はホテルに戻って着替える」

「ロビン楽しい夜を」


みんながロビンに言うとロビンは

跳ねるように事務所を出て行った。

亮は徹と会う約束の玲奈に言った。


「玲奈さん、気をつけて蓮華と小妹が付いています

からよろしくお願いします」

「はい、任せてください」

玲奈は一文字のスパイで亮に接触した事を

思い出して照れるように笑った。


「麻実ちゃん、アイザックたちと何か食べていかない?

それとも飲む?」

和美は亮と一恵の様子を察して麻実を誘った。

「はい」

麻実が嬉しそうに返事をすると

「和美さん、アイザックをここへ連れて行ってくれますか」

亮が和美に新橋のふぐ料理の店の名刺を渡した。


「ふぐ料理ですか?」

「ここは飯田さんの出資している

お店なので安くしてくれるそうです。

 支払いは和美さんがしてください」

「かしこまりました」

和美が返事をすると亮は財布を

開いてお金を出そうとした。


「亮さん、それくらいのお金は持っています」

「すみません、和美さんコーポ

レートカード早く作りましょう」

「はい申請をしてあります」

亮が和美に頭を下げると和美が優しく笑った。

「えっ!ふぐですか?やった~」

麻実が飛び上がって喜んだ。


「私もふぐ食べたい・・・」

一恵が小さな声で呟いた。

「えっ!」


~~~~~~

六本木の一文字の事務所では

「今夜当り美宝堂に窃盗団が入りそうだな」

強盗未遂が有った事を知らない

一文字は高田義信に言った。


「はい、中国、中東、ヨーロッパの

窃盗グループに

情報を送っていますから

 どこかが狙うでしょう」

一文字と高田はすでに中国の強盗団が捕まっている事を

知らず勝手な思惑を持っていた。


「そろそろ、電話が通じるだろう」

一文字はそう言って雪に電話をかけた。

「もしもし」

雪は静かなトーンで電話を受けた。


「俺だ、葬式は終わったか?」

「はい、先ほど葬儀を済ませました」

「じゃあ明日会うぞ」

一文字はいかにも自分の女であるかの

ように高圧的な言い方をした。

「分かりました、下の午後に事務所にうかがいます」

「うん」

一文字はご機嫌で電話を切った。


「義信、明日ここに雪が来るそうだ」

「そうですか、いよいよですね」

「ああ、あのデータが有れば警察は

俺のものだ。あはは」

一文字は声高に笑った。


~~~~~~

「美咲さん、明日一文字に呼び出されました」

喪服を着た雪は隣にいた美咲に言った。

「いよいよね、一文字を追い詰めるわよ」

「はい」

雪は自分の過去の罪を反省すると共に

警察の人間である事に次第に目覚めてきた。


「さて、亮に報告しなくちゃ」

美咲は電話のボタンを押すと笑って雪に渡した。

~~~~~~~

Cホテルに一恵と一緒に入った亮は悩みだした。

「うーん、困った」

「どうしたんですか?」

「ここのプールを使うのに一人年間25000円

メンバーにならなくちゃいけないそうです。


でもスポーツジムはマッスルカーブがあるし

エステティックはマテリアがあるし

年会費がもったいない気がする」


「いいじゃないですか他店の研究になんだから」

「うーん、スパイみたいでイヤだし・・・よし!

部屋を取ろう」

ニコニコと笑ってカウンターに行った。

「なんだか、亮さんケチなのか

気前がいいのかわからない」

一恵は入会金よりはるか高い部屋を

チェックインする

亮の後姿を見て呟いた。


「一恵さんやはり部屋をリザーブしました。

宿泊すれば無料でプールが使えるので」

部屋のカードキーを持って無邪気に笑う亮の顔が

一恵にとってとても愛おしかった。


「一恵さん泳いでから食事でいいですか?

今の時間なら空いていると思うので」

「はい、いいですよ。でも亮さん学校の

授業で水泳を習わなかったんですか?」


「もちろん、あの屈辱の日は忘れません」

「じゃあ、体育の成績は悪かったのね」

「いいえ、テニスのジュニア大会で何度も優勝したり、

他のスポーツなんでも出来たので、

成績は泳げないくらいで落ちませんよ」


「スポーツ万能の亮さんがどうして

泳げないんですか?」

「水が怖いんです、息が出来ない怖さです」

亮は自分を冷静に分析していた。


「うふふ、わかったわ」

一恵は昔子供たちに水泳を教えていた時の事を思い出して

亮にはまず水に慣れさせる事から始める事を考えていた。


~~~~~~

「お待たせしました」

美宝堂の入り口に立っていた文明の脇に来た

千沙子が声をかけた

「ああ、千沙子さん。今日はありがとうございます」

文明は千沙子に花束を渡した。


「ありがとう、文明さん」

千沙子は嬉しそうに花束を受け取った。

「さて食事をしましょう」

「はい」

千沙子は照れくさそうに文明と腕を組んだ。


~~~~~~

有楽町のイトシアで待っていた玲奈のところへ

本田徹が黒いシャツにシルバーのスーツ姿で現れた。

「お待たせ、木田さん」

玲奈は木田明日香の名前を名乗っていた。


「こんばんは」

「どこかで飲みましょうか」

「はい」


玲奈は会っていきなり飲みに誘う無粋な徹に

無理やり笑顔で答えた。

なれなれしく玲奈に肩を組んで銀座1丁目方面へ

歩く徹の後ろを小妹と蓮華が追いて行った。


~~~~~~~

「すみません、お待たせしました」

Cホテルのロビーに待っていたロビンの

ところに美佐江が着いた。

「いいえ、さっき仕事が終わったところです」

「すみません、弟が無理を言って」


「とんでもないです」

ロビンは美佐江と話が出来るだけでも良かった。

「ロビンさん何か食べたいものがありますか?」

「日本食が食べたいです。きんきの煮魚、

飛竜頭、蓮根のきんぴら、ゴーヤチャンプル

そして粉ふきいも」


「うふふ、ずいぶん家庭的な日本料理が好きなんですね

。では、うちで経営しているお店行きましょうか」

「おお、みやびですね。ニューヨークでも行きました亮と一緒に」


「うふふ、ずいぶん亮と仲が良かったんですね」

「彼とは親友です。今の僕の地位と財産が

あるのは彼のお陰なんです」

「まあ、それは初めて聞いたわ。ゆっくり聞かせて」

「OK」


~~~~~~

夜景の見えるプールには

一人の外国人の男性と一人の日本人女性が泳いでいて

二人の外国人カップルがビーチチェアで寝ていた。

水着に着替えた亮がそこに入ってくると

四人は見事に鍛え抜かれた亮の裸をまじまじと見ていた。


「お待たせしました」

「おお」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ