テレビ番組を作りたい
そこに亮の電話がなった。
「團さん、私」
「ああ、美代子ちゃん」
「今日も行ってもいい?」
「今どこにいるの?」
「有楽町駅」
「じゃあ、ケーキでも食べようか?」
「ううん、昨日途中だったから」
美代子はケーキの誘惑に負けず真剣に答えた。
「分かりました」
亮は会社のあるビルの1階で待った。
亮の姿を見つけた二人は
昨日のトレパン姿と全然違って
長い足を見せたショートパンツにティシャツで
色気があり高校生にまったく見えなかった。
「やあ」
亮が手を挙げると
美代子と佳代子は嬉しそうに両手を振った
「こんにちは」
「じゃあ、レコード会社へ行こうか?」
「うん」
昨日は地下の事務所で終わって
しまった二人を本格的に音楽業界を
知らせる為に3階のRRレコードへ連れて行って
奈々子と関口と話し合った。
「背が高くて足も長いからダンスが栄えそうね」
奈々子は二人を見て言った。
「はい、二人とも168cmです」
奈々子は二人でユニットを組む事を考えていた。
「デュオ(二人組)は過去に女子では
ザ・ピーナッツ、ピンクレディ、Paffi、kiroro
男子ではB‘z、ゆず、コブクロ
CHAGE&ASKAなど
男女ではドリカム、EveryLittleThing
で女子ではパワーが無いような気がします」
「そうですね、僕もそう思います」
亮がそう言うと奈々子が答えた。
「今はやはりダンスパフォーマンスを
取り入れるか、グループを組むべきだと思います
ただ、アイドルグループのように交代でセンターに
立つのではなくあくまで二人がセンターにいるような
形で」
関口が言った。
「僕もそれには賛成なのですが、二人がどこまで
頑張れるかですね」
亮は真剣な顔で二人の顔を見つめると
二人は真剣にうなずいた。
亮は二人の声をオシロスコープで
調べた結果を言った。
「アサシオのデュオは無理です。
とても音質が似ています。
高音出せる身長が158cm以下と
中音を強く出せる人が良いですね
男性でもいいです。つまり四人か五人
のグループが理想です」
「分かりました。後三人探しましょう」
奈々子は亮の言っている意味が解った。
「今日は二人にボイストレーナーを
付けてレッスンするからね」
「はーい」
「今日の結果やる気が有ったら契約書
にサインしてもらうのに二人の親に
会わなくならないんだ、良いかな」
「分かりました」
亮は奈々子に後を頼んで事務所にもどると
文明が社長室で待っていた
「亮、元気だな」
文明が笑っていた。
「待ちました?」
「今来たところだ、いい事務所だな」
「ありがとうございます」
亮は中国強盗団の話をした。
「あはは、それは災難だったな」
文明は亮の処理の仕方があまりにも
面白いので笑っていた。
「兄さんは何をしていたんですか?千沙子姉さん
アメリカへ行っちゃいましたよ」
「あはは、電話で話をした。俺はその後11時まで
寝ていてマッサージをして飯を食ってきた」
「それで今日の予定は?」
「二日酔いだから今夜はのんびりして
明日京都へ観光に行く」
「二日酔い?」
「ウォッカとビールと日本酒と紹興酒の
チャンポンで朝まで飲んでいれば
誰でも二日酔いになるぞ」
「やっぱり、道理で胃がムカムカすると思っていた」
自分の国の主張を曲げない四つの国の四人の
頑固さに亮は思い出して笑った。
「それで誰と明日京都に行くんですか?」
「あれ?聞いていないのか?」
「はい、俺とお前と二人だ」
「二人ですか?」
「うん、他に一緒に行く相手もいないし」
「でも明日は無理ですバイオ燃料の会社の
打ち合わせがあるしJOLとも会議をしなきゃいけない、
それに船がいつ着くか分からないですよ」
「ああ、言い忘れた300億円を乗せた
船は明後日の昼過ぎに着く」
「兄さん早く言ってくださいよ、
一晩中一緒に飲んでいたんだから」
「そうだった、金が着くのを確認に俺は日本に来たんだ」
「兄さんちょっとボケ過ぎです、でも分かりました
船が着いたら一緒に京都に行きましょう。二人きりじゃなくて
ロビンと三人で行きましょう」
亮は文明が大事な事を忘れるほど日本に
来て浮かれていたと思っていた。
「そうだな、三人で行こう」
文明は立ち上がって亮と握手をした。
「それから、うちのグループのユニオンチャイナ
証券会社とプラネット証券で提携して日本の株と
中国の株を相互販売しないか?」
「ほんとうですか?」
「ああ、今中国の富裕層の人間は余っている
金で日本に投資をしたがっている
ドンドン株を買うはずだ」
「はい、ありがとうございます」
亮は嬉しさのあまり飛び上がった。
~~~~~~~
「社長、お客様です」
一恵が電波広告社の島崎と水島を案内してきた。
「じゃあ、俺は」
文明が立ち上がると
「あっ、兄さんもいてください、
日本語が分からないかもしれないけど
テレビ番組の件なので、それか小妹を呼びますか?」
「面白そうだな、亮の通訳で良いよ」
亮は島崎に文明を紹介した。
「昨日、会場にいらっしゃいましたよね。劉さん」
「はい」
島崎が言うと文明が返事をした。
「あれ?日本語を分かるんですか?」
亮が不思議そうに聞くと
「ああ、少しな」
文明が照れた顔をした。
「さっそくですが島崎さん、
テレビ番組を作りたいんです」
「どうしたんですか急に?」
「実は・・・」
亮は自分の周りにたくさんの歌手や
モデルが集まって来ていて
その人たちを出演させたい事を言った。
「あはは、團さん芸能プロダクションを
立ち上げたのだから意味が解りますが
冷静に歌手やモデルを所属タレントの
振り分けをしてください」
「分かりました」
亮が島崎に返事をすると
「亮、面白そうだ、中国と香港の女優も面倒見てくれ」
文明が中国語で答えた。
「やっぱり日本語が分かっている」
亮が呟いた。
「では島崎さん、企画書と予算が有れば番組は作れますね」
「ええもちろん、ただ初回は深夜番組からですけど
スポンサーが付くかどうかですね。深夜番組の視聴率は
せいぜい1%~3%くらいです」
島崎は広告代理店の社員らしく
真っ先にスポンサーの話をした。
「はい、スポンサーはRRレコードと
プラネット証券、DUN製薬そしてJOL」
亮がJOLと言うと文明はニヤニヤと笑った
「JOLですか?あそこは宣伝費の
予算など無いはずです」
「いいえ、ここだけの話ですがもうじき
再建のためのお金が付きます」
「そうですか、それでJOLはスポンサーに
なるほどの團さんと
深い関係があるんですか?」
「ええ、まあ」
亮は文明が関わった関係を探られそうなので
はっきりと返事が出来なかった。
「JOLの結論が決まりましたらまた報告します。
とりあえず旅番組を作りたいのですが」
「そうですね、電波料はプライムタイム
19:00~22:00と
ノンプライムタイムで違うし放送局、地上波、
衛星放送でもずいぶん違います」
島崎と水島は複雑な放送業界の話をし始めた。
「はい」
「製作は自分で出来ますが、企画書、
台本を前もって出していただいて
審査が通らないと放送枠は取れません」
島崎がすべて電波広告社に丸投げすれば
良いと言う感じだった。
「分かりました」
「企画を考えます」




