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絵里子の病気

「團亮です」

「築地病院の中畑です」

「こちらが幸田美喜さん」

「やはり幸田さんでしたか、中畑です」

「はじめまして」

美喜はしとやかに微笑んで挨拶をした。


美喜は中畑の脇に座らせ絵里子は

ホステスを他の席に行かせた。

「早速ですが團さん、ママの胸の

しこりどうして分かったんですか?」

亮は突然の中畑の質問に困っていると

絵里子が助け舟を出してくれた。


「あっ、團さんは理学療法士の資格を持っている

それで時々施術をしてもらうのよね」

「は、はい。そうです」

亮は慌てて返事をした。

「團さん、あの小さなしこりを

見つけるなんて凄いですね」

中畑は亮と絵里子の関係を疑わず聞いた。


「いいえ、理学療法士なら誰でも分かると思いますよ」

「そうですか?それはすごい我々も触診の腕を

 磨かなくてはいけないな、ぜひ教えて欲しい」

中畑の慇懃無礼な言葉に亮はどう

反応をしていいか悩んだ。


「ここで面白い事をやってみましょうか」

「はーい」

絵里子がニコニコしながら言った。

「ママ辞書ありますか?」

「有るわよ」

絵里子はマネージャーに三省堂の国語辞典を

持って来させ亮は目を閉じてホステスに

髪の毛を辞書に挟ませ

目をあけて上から押すと亮は答えた。


「123ページ」

ホステスは恐る恐る辞典を開くと目を大きく開いた。

「あたった、すごい」

「あはは、どうして分かるんだい。

あっ、マジックかな」 

中畑が信じがたい気分で亮に聞いた。


「いいえ。髪の毛の太さの感覚で分かるんです」

「本当?」

「はい、僕たちはこれだけの

感覚を持っているんですよ」


「すごいなあ」

中畑は心から感心した。

「ではもう一つ、これは他の人も

あまりできないと思いますが。

ママこの辞典にちょっと線を

引いていいですか?」


「いいわよ」

「では、好きなページにボールペンで

線を引いてください」

そう言って亮が後を向いて前を

向き辞書に手を当てると

「225ページです」

そう言ってページの内容を全部言った。

「はい?」

周りの人たちが声を上げた。


「どうして分かったの?まさかインクの厚み?」

絵里子が声を上げると亮は首を振った。

「インクから弱い気が出ているんです」

「し、信じられない、どうして

ページの内容も見えるなんて」

中畑がやっとの事で声を上げた。


「ああ、その辞書は全部記憶しています」

「團さん、私は信じるわ。うふふ」

絵里子は亮の気をあそこで受けた事を思い出して

そこが、熱くなってジュンとした。


「團さん、真剣にあなたの癌の発見能力の

実験をしてみたくなりました」

「はいぜひ」

亮と中畑は握手をした。


「先生、よかったらDUN製薬の薬品を扱ってください」

「うん最近いい薬を発表しているのは聞いています。

 特に糖尿病治療薬は有名です」

「ありがとうございます」

「私宛に連絡をください」

「はい、おねがいします」

亮との話を終えると中畑は気になっていた

美喜に話しかけた。


「ところで、幸田さん、今は何のお仕事を?」

中畑は興味深そうに美喜に聞いた。

「ええと・・・・」

「美喜さんは今度スタジオDアメリカができるので

ファッションアドバイザーの仕事を

しているんです。それと今度渋谷に出来る

スポーツジムでウォーキングダイエットの

インストラクターをしてくれます」

亮が美喜の代わりに中畑に言った


「そうでしたか」

「はい」

「團さんとの関係は?」

亮の言い訳を聞いて中畑は疑問に思った。

「團さんのご実家が美宝堂なので私が

美喜ちゃんを紹介したの」

絵里子が中畑に説明をした。


「でも、もったいない。

まだモデルをできるんじゃないですか」

「ありがとうございます、でも現役の時より

 腹筋がついてしまって」

美喜は香港で体を鍛えた事を

思い出しうれしそうに笑った。


確かにまだ25歳の美喜は現役の

モデルをできる容姿だったが

キャバクラの仕事をしていた

事実を消して復帰する事に悩んだ。

しかし亮はブリリアンスショーの

イメージキャラクターを期に美喜に

もう一度ファッション界に

復帰してもらう事を考えていた。


そこへキャシーから電話がかかってきて

亮は立ち上がり店外に出た。

「亮、アリゾナの土地の件だけど

サボテンがたくさん生えていたわよ」

「本当?」

「どうするの、テキーラでも作るの?」

「ダイエット食品を作ります」


「サボテンで作るの?」

「はい、強力な物を。

それとその地下に水脈があるはずです」

「それは無いわ。そんな事もあると思って

水脈を探した衛星写真を見ているの」

「たぶん大きな岩盤があって

水脈が見えないんだと思います。

必ずありますサボテンがその証拠です」


「亮、自信があるのね。掘ってみようかしら」

「はい」

「出たらどうする?」

「水の採掘権をキャシーへ預けます」

「素敵!ありがとう、亮」

キャシーはわくわくして電話を切った。


亮は電話から戻り美喜に声をかけた。

「美喜さん、そろそろ帰りましょうか」

「はい」

美喜は立ち上がり中畑に深く頭を下げた

中畑は一瞬つまらなそうな顔をしたが

美喜に握手をしてうれしそうだった。


「美喜さん、ありがとう」

亮は美喜に礼を言った。

「いいえ」

「美喜さんあなたには男性を本気にさせる

オーラがあるようです」


「それはみんなファッションモデル

幸田美喜に対する憧れですよ」

「そうかな?」

絵里子は亮を追いかけてきた。

「亮、帰るの?」

「はい、今日は美喜さんが一緒なので」

「そうね」


「ママ、今日は本当によかったですね。

大事に至らなくて」

「はい、亮。これからも時々検査してね」

絵里子は亮の耳元で囁いた。

「あはは、こちらこそ」


亮は美喜と歩きながら話をした。

「美喜さんを信じています」

「何?今更」

「一文字のところにいた女性一恵さん

玲奈さん、屋島さん三人を取り込んでいます

でも、彼女たちの気持ちがわかりません。

いつ裏切るか・・・不安です」


「そうか、そうだよね・・・でも

もっと自分を信じなさいよ。女は

好きな男には命を懸けて尽くすんだよ。

三人とも殿を好きだと思うよ。

女の勘でわかるわ」


「そうか」

「それにヘチマだし、うふふ」

「そ、そんな。一恵さんも屋島さんも

関係していませんよ」

「えっ、マジ!」

「はい」

「そりゃ困った」


「何が困るんですか?」

「関係もないのに好きになるなんて

関係を持ったらどうなるのかしら」

「わからん」

「私はお給金を貰っている間は

裏切りませんから」

「そっちの方が問題だ!」

~~~~~~~

亮と美喜が市ヶ谷の家に帰ると

一恵が部屋の片づけをしていた。

「お帰りなさい」

一恵が微笑むと亮は小妹を探した。


「小妹は?」

「地下でトレーニングをしています」

「はい」

亮がダイニングのテーブルに付くと

小妹がスエット姿で地下室から上がってきた。

「亮」

「何?」


「亮、何日練習をサボっている?」

「3日かな・・・ごめん」

「練習しないといざと言う時、体が動かないよ。

 でも腰筋のトレーニングをやっているのか」

小妹は亮を横目で見た。


「やっていない、やっていない」

「そういえば玲奈さんは来ています?」

「今、部屋の掃除をしています」

一恵が事務的に返事をすると

亮は驚いて一恵の顔を見た。


「ん?」

「今日からこっちへ引っ越すんだって」

小妹は答えた。

「はい?美喜さんも引っ越してくるのに、

部屋が足りるかな?」

「大丈夫、ここは5LDKブラス書斎だから」


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