九条ゆかりの行動
「は、はい」
「実家の戻って手伝ってください」
「は、はい」
「とりあえず、あなたの仲間には保証人に
なってもらいます。もしあんたが飛んだら
仲間のところに行きます。良いですね」
「いや、お断りします、自分で解決します」
「では明日の朝10時に無しという事で」
「えっ」
亮は財布から5万円を長崎に渡した。
「栃木県小山への交通費とお土産代と妹さんへの
プレゼント代です」
「いいんですか?」
長崎は手を付いて頭を下げた。
「もしダメだったら、連絡をください」
亮の声は優しかった。
「またこんな事をしたら・・・殺す!」
亮の目は真剣でキャシーからもらった
ナイフをちらっと見せた。
「は、はい!」
長崎が帰って行った。
「証拠に(とちおとめ)持ってこい、いいな」
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「すみません」
エリカが亮に頭を下げた。
「あのう、貸したお金は200万円
じゃなくて20万円だったんですけど」
「いいえ、いいんですよ。
彼がやくざと縁を切って
実家に戻れば」
やくざと縁を切るのはけっこう難しいので
亮は強引な方法を取った。
「ありがとうございます」
「エリカさんはうちの店でも人気があります
から、辞められたら損失なので」
「はい、明日から頑張ります」
「まったく面倒臭い事をして」
美喜が亮の横腹を突いた。
「あはは、すみません。明日から忙しいぞ」
亮はそう言って美喜のお尻を撫でた。
「もー」
「しかし、美喜さん良い尻している」
亮は両手を開いて感触を思い出した。
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翌朝、亮は朝のジョギングを終え朝ごはんを
食べ終わると美佐江へに電話を掛けた。
「おはよう、美佐江ねえさん」
「あっ、おはよう」
「すみません、それでダイヤモンドの話
もう一度聞かせてください」
「昨日、1カラットダイヤをネックレスに
加工したいという女の子が うちの店に来たの」
「はい」
「そのダイヤモンドの鑑定書を見たら
3日前に発行された香港の鳳凰ジュエリーの
物だったの」
「それで依頼したのが九条ゆかりですね」
「ええ、急ぎの依頼で今日の午後受け取りに来るわ」
九条ゆかり、その名前は麻美に聞いて一文字の
秘書であるという記憶にあった。
「了解です」
電話を切ると亮は美喜に話をした。
「九条ゆかり。逮捕されて死んだプレステージの日
坂の元秘書です」
「それは偶然か、それとも故意に依頼したのか?」
「怪しいですね」
亮は九条ゆかりを怪しみ一恵に聞いた。
「一恵さん、九条ゆかりはどんな女ですか?」
「どうしたんですか?いきなり」
「美宝堂に九条ゆかりが来るという事は
下心があるのかどうか?」
「私が知っているのは日坂社長を
コントロールするために秘書に
なったのまでは知っていましたけど
その先は私はアメリカに逃げたので・・・」
一恵が答えた。
「野口麻実さんが知っていると言うわけですね」
「はい、彼女は今日から会社に来ます」
「そうですか、ではその時に話を聞きます」
「はい」
「亮さん、今夜会社の設立パーディだから
用事を入れないですね」
玲奈が言った。
「分かりました。僕は何をすれば?」
「大丈夫よ、心配しないで」
亮はパーティでお酒を呑むので車で行く事を止め
サングラスにキャップをかぶり
家が砂土原なのでから会社に行くために
坂を下がって外堀通り沿いの飯田橋駅から
有楽町駅まで有楽町線に乗れば11分で到着する
亮はスマフォで尚子の歌を聴いていていると
低音で張りのある声はロック
向きであると思っていた。
しかし日本で売り出すためには
J-POPがいいのでは無いかと
思っていた時、市ヶ谷駅から一人の
老婆が入って来て亮は席を譲った。
亮の脇に立っていたテニスバックを背負った
女子高生はそれを見ていて
亮の姿を笑って見ていた。
亮と目が合った女子高生は隣に
立っていた友達と話をしていた。
「すみません」
亮はイヤフォンをはずして返事をした
「はい、なんですか?」
「芸能人の方ですか?」
二人の女子高生の一人が亮に聞いた
「いいえ、普通の会社員です」
亮が答えると二人が飛び上がった
「あのう、すごくかっこいいんですけど」
「ありがとうございます、それより二人の方が
アイドルみたいで可愛いですよ」
亮は言うと電車の中で飛び跳ねて喜んでいた。
亮の行った事は嘘ではなく、
二人とも165cm前後の長身で
ショートカットの小顔で可愛い子だった。
「二人ともテニスをやっているんですね?」
「はい」
「僕もテニスをやりますよ」
亮は二人の真っ黒な顔を見て一目で
まじめなテニス少女だと分かった。
「お兄さん今度テニス教えてください」
「僕より上手いんじゃないかな、何年生?」
「高1です」
亮はその雰囲気にドキドキしながら
「そうだ、この曲を聴いてくれる?」
亮はイヤフォンを片方づつ渡して二人に聞かせた。
二人は黙ってしばらく聞いていると
手でリズムを取り始め顔をほころばせてきた。
「いい、これいい」
亮の脇に座った女子高生が声を上げた
「そうか、ありがとう」
「ねえ、この歌手誰?」
「ブルックっていう名前で
11月にデビューする人です」
「お兄さん、業界人?」
「ええ、まあ」
「名刺ください」
一人の女子高生は積極的だった
「だめ!」
亮はRRレコードジャパン代表取締役の名刺は
照れ臭くて渡せなかった。
「ケチ」
亮の隣の女子高生が言うとその隣の
女子高生が顔を伸ばして言った
「じゃあ、バーコード」
「OK」
亮は二人とアドレスの交換をすると
名前を読んだ。
「朝倉美代子ちゃんと潮田佳代子ちゃん、アサシオだ」
「それ言わないでよ、みんなに言われるんだから」
亮の隣に座っていた美代子が怒っていた
「あはは、ごめん。今度テニス教えてあげます」
「はい、それより歌を教えてダンスも」
「いいですよ、才能があったら」
「私たち上手いんです」
「じゃあ今度聞かせてください」
「いつ、カラオケボックスでいい?」
美代子は本気で亮に言った、その真剣な眼差しに
亮もまじめに答えた。
「今週中ならいいですよ、学校の終わった後で
銀座の会社に来てください。そこにカラオケの
セットが有ります」
「今日の午後ならいいよね、カヨ」
美代子が佳代子に確認を取った。
「学校はどこですか?」
「月島です」
亮は高校生を悪い道に誘っているようで
慌てて聞いた
「はーい」
亮は有楽町駅で降りて二人に手を振った。
女子高生に手を振る亮の姿を見ていた
他の客は怪訝そうな顔をしていた。




