誘拐計画
亮は新宿に向かい歌舞伎町の
ラブポーションのドアの前に立つと
ラブポーションのドアが開いた。
「あっ、亮さん」
サブマネージャーの棚谷綾子が亮に声をかけた。
「こんばんは、綾子さん。
マネージャーいらっしゃいますか」
「はい」
夜9時に亮が店内に入るとスタッフもキャストも
忙しく動いていた。
「理沙さんどうですか?」
「はい、おかげさまで忙しくてこの有様です。
売り上げが上がっていて
週末は入れないお客さんも出る始末です」
「そうですか、それはよかった」
亮はそろそろ売り上げが伸びずに
相談をされると思っていた。
予想外の状況に亮が笑うと理沙は
「実はうちで働きたいという女の子が
いっぱい来て困っているんです」
理沙はせっかくの面接に来る良い女の子を
断るのがもったいないと思っていた。
「女の子がいっぱいでシフトに
入れないというわけですね」
「はい」
「オープンの5時か6時に時間を
早めるしかないですね。日曜日も営業をしないと」
「そうですね」
「日曜日はメイドファッションでやりませんか」
「うふふ、面白いですね。それと・・・」
理沙がそう言うと亮がすぐに答えた。
「新店ですね。六本木か渋谷、
池袋に物件を探して見ましょう」
「ありがとうございます」
「それからライブの出演者はどうですか?」
「それは奈々子さんが管理してくれて
お客様が喜んでいます。ただ」
「はい?」
「あなたが時々来てくれないと困るわ」
「そ、そうなんですか?」
「ホステスのみんなあなたが好きだから
がんばっているの、恋人に会いに来るように
お店に来てください。私もね」
理沙は照れくさそうに微笑を浮かべた
「はい、すみません。香港へ行っていたので」
亮はテーブルに手を付いて頭を下げた。
理沙は思わず亮に手を差し伸べた
「そんな事、しなくていいですよ。
亮さん、あなたの忙しいのは
分かっているから」
「はい、これからマッスルカーブに来ます
から帰りに必ずこちらへ寄ります」
「お待ちしています。ところで
マッスルカーブの営業時間は?」
「24時間営業です」
「うちは23時までですから
遅刻しないでください。亮さん」
「はい」
亮は笑いながらお土産のヒスイのブレスレットを
理沙に渡した。
「素敵です。このヒスイ色が濃くて
透明感があります」
理沙は一目で高い物だと判った。
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六本木のダイニングでは一文字と高田義信が
久しぶりの対面にお酒を酌み交わしていた。
「義信、手伝ってもらいたい仕事と言うのは、
美宝堂を潰してもらいたいんだ」
「美宝堂ですね、あそこには恨みがあります
からね、お手伝いしますよ」
「まず美宝堂のスキャンダルを世間に
知らしめて信用を失わせる、そして
DUN製薬の乗っ取りだ」
「DUN製薬。團秀樹に恨みを持っている奴を
知っていますよ。DUN製薬の元常務の川野さん」
「うん」
そこへ、徹がやってきた。
「遅くなりました、一文字さん」
「うん、紹介しよう。私の後輩の高田義信君だ」
「彼は元新宿No1ホストの徹だ」
二人は挨拶をして三人しばらく話し合うと
次第に共通点が明らかになって行った。
「團亮は我々の共通の敵だったんだな」
一文字が言うと二人はうなずいた
「でも、奴はNHK前で殺されたんですよね。俺は
ニュースを見て思わず踊ってしまった」
「僕もです」
徹と義信が言うと一文字が顔を横に振った。
「それが、團亮は生きていると言う噂があるんだ」
「そんな馬鹿な、俺は葬式を見てきましたよ」
徹は声を上げると一文字が少し考えて
「うん、私も見てきたが・・・團家には
美佐江と千沙子の二人の娘がいるが
團亮は出入りしていない」
「宝石とスタジオDですね、二人とも面識があります」
義信は自信ありげに返事をした。
「うん、その娘たちに何かあれば
父親もがっくりと来るだろう」
「という事は俺の出番ですね」
一文字が言うと徹がニヤニヤと笑った。
「徹君、それは無理なような気がする」
一文字が笑って言うとそれを否定した。
「俺は今まで自分の行っていた中学の先生から
高校の先生と同級生、キャバ嬢、アイドル、女優、
CA、看護師、女医さん、国会議員の先生ばあさん、
合計1000人以上の女とやりました」
徹が自慢そうに言うと義信は対抗意識を見せた
「徹君、それは自慢にならないぞ、
僕も女子大生、OL1000人以上やった」
二人のやり取りを見て一文字は間に入った。
「あはは、それは何処かでダブって
いるかもしれないな、
私も女子高校生、女子大生合わせて
1000人以上やった。まあ徹君
やるだけやってみたらどうだ。だめだったら
気の毒だが・・・また葬式だ」
一文字は最悪の時、美佐江と千沙子を殺すつもりでいた。
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亮は店内を見渡していた、
客席を回って理沙のところへ行った。
「理沙さん、2番と11番テーブルのお客さんは
スカウトです気をつけてください」
「はい、分かりました。女の子に言っておきます」
「あと25番テーブルのエリカさんを
ちょっと呼んでください」
「はい」
理沙はすぐにエリカを呼んだ
「エリカさん、何かあったんですか?
気が乗っていないようですけど」
「実は仕事が終わった後、元彼が毎日に
ようにお金をたかりに来るので
困っているんです」
「断れないんですか?」
「何をされるか分からないから・・・」
「分かりました大丈夫です、
今すぐ彼を店の前に呼んでください
2度とお金をたからないように話をしておきます
写真ありますか?」
「ありがとうございます」
エリカは亮に写真を見せると男に
電話をかけて呼び出しテーブルに戻った。
亮はビルの1階で立っていると2分ほどで
チンピラ風の男がやってきた。
「長崎裕也さんですか?」
「なんだ!お前」
裕也はいきがっていた。
「うちのお店の津田エリカがあなたに
お金を取られているそうなので
断りに来ました」
「何言っているんだ、俺は彼女に
お金を借りに来ただけだ」
「借用書は書いていますか?」
「いや」
「では、今後一切お金を貸しません。
彼女に代わってお断りします。
金融会社に行って借りてください」
「ふざけんじゃねえ」
亮に殴りかかった裕也の拳は空を切った。
「ちくしょう!」
裕也が何回の殴りかかっても
亮は円の動きでそれを避けていた。
「長崎さん弱いですね、それじゃあ彼女も
嫌気が指すはずです」
裕也は弱いと言う亮の言葉にますます
腹が立った。
亮の体に手を触れることすら出来なかった
「くそ!くそ!」
裕也はポケットからナイフを取り出し亮に見せつけた
「あっ、それ5.5cm以上あるので銃刀法違反ですね」
亮が言うまもなく裕也は亮にナイフで何度も突いてきた
その度毎に亮は右に回り裕也は時々バランスを崩し
よろけていた。
香港で刃渡り20cmのソルジャーナイフを持っている
戦闘員と戦ってきた亮は裕也を
見てふきだしそうになっていた。
亮と裕也の絡みを見ていた通行人が
二人を囲みはじめ野次馬で
人だかりができそれに気付いた裕也は
「覚えていろ」
そう言って立ち去ろうとすると
亮は裕也のシャツの襟を掴んだ




