ロビン・ハイド
「どうやら上手く行ったようですね」
亮がロシア語で言うとマリーナは
亮のお陰で家族がマフィアとその借金
から救われた事を感謝して笑顔で頭を下げた。
「さっそくですが」
亮は西とマリーナに席に座るように進め
友子に西を紹介すると西は立ち上がり
頭を下げた意を決して亮に言った。
「團さん、いえ團社長お世話になります」
「い、いえ僕が社長ではないので」
亮が断ると西は首を振った。
「では、私のボスは團さんですから社員にして
もらって出向にさせてください。
必ず利益を出します、マリーナの母親も
團さんに救ってもらった事を
感謝していまして結婚を許してくれました」
西は目に涙を潤ませ熱を込めて言った。
亮は困ったような顔をしていると友子が
亮の顔を見た。
「私も亮が社長じゃないと嫌だな」
「どうしてですか?友子さん」
亮は二人の我儘に困った。
「私たちのような仕事はやろうと思えば自宅で
デイトレーディングすればいいそれなりの
収入を得られます」
「はい」
「でも私は目標を持って働きたいわ、
たとえば会社の上場を手伝うとか
大型プロジェクトの債券を売るとか、
それが出来るのは亮さんだと思う
そして、私は資金面のお手伝いをしたいの、
西さんどう思いますか?」
友子が聞くと西は亮を真剣な顔で見た。
「團さんは僕のボスにふさわしい人物だと
思っています。私も全力で仕事をするつもりです」
西は冷静を装うっていたが
心の奥に熱いものがあった。
「そう言われても僕の経験で
免許が下りるかどうかです」
亮は友子と西の熱意は分かったが
自分が証券会社で働いた経験が
無いのが問題と知っていた。
「他には問題ないのよね、資金面も人物も」
「ええ、とにかく金融庁の判断に
任せましょう、もうすぐ答えが出ます」
「はい」
友子が仕方なしにうなずいた。
「西さん、友子さんそれまで
コンピューターのシステムの設定と
従業員の確保をしてください」
「うん、めちゃくちゃ早いコンピューターを
導入したいんだけど」
友子が言うと西が笑って聞いた。
「友子さんそれって
フラッシュ・オーダー用ですか」
「うふふ、顧客に使わせるつもりは無いけどね、
日本はまだ違法ではないから」
「すみません、
フラッシュ・オーダーってなんですか?」
玲奈が聞くと一恵もそれを疑問に思った。
「簡単に言うと普通のコンピューターなら
0.03秒のスピードで取引されるところを
0.004秒のスーパーコンピューターを使えば
誰より早く売り買いが出来るわけです。
アメリカはそれを顧客サービスに使っていたので
問題視されたのですが、
まあ早いコンピューターは色々使い道が
あるから導入は賛成ですよ」
「よかった」
友子は胸を撫で下ろした。
「友子さん、それはいくらですか?」
「高いですよ。1億円以上の
スーパーコンピューター
代とプログラム料」
「友子さんちょっと待ってください
プログラムは僕の友人に頼みます」
亮はプログラムと聞いてロビンの
顔が浮かんだ。
「いいですけど大丈夫なんですか?
時間かかりませんか?」
「ええ、出来るだけ早くやってもらいます」
「そう言っても・・・?!」
亮が簡単に言うと友子が驚いて聞き直した
「ロビン・ハイドと言うプログラマーなんですが
アメリカの証券会社のプログラムを
作っている優秀な男です」
「ロビン・ハイドってあの有名な
天才プログラマーでAmericanwebのCEOですよね」
西が驚いて聞くと亮が逆に西に聞いた
「日本でも有名なんですか?」
亮はロビンがあまり身近な存在なので
そんな事を気にも止めなかった。
「ええ、ベースの顔認証システムから
最近超高速OSまで開発して
あちこちからヒッパリダコだそうです」
亮は笑って電話を手に取ると電話をかけた
「夜分すみません、亮です」
「おお、亮か。久しぶりだな」
「プログラムの仕事をお願いしたいんですけど」
「ん、なんのだ?」
「証券会社のシステムです」
「どうしたんだ?急に」
「証券会社をやろうと思っていて」
「亮が社長か?」
「はい」
「おめでとう、まさかフラッシュ・オーダー用か?」
「はい」
「分かった、直ぐに日本に送る」
「えっ!?」
「うん、ちょうどある証券会社に
納品するのがあったんだ」
「いいんですか?」
「我々は家族だろう
家族の仕事が優先に決まっている。
300万ドルで最新のCrayX1-systemだ、
それに僕のプログラムだ、早いぞ」
「ありがとうございます」
「直ぐに日本に行く」
ロビンは電話を切った。
「あっ、電話を切ってしまった」
亮が唖然としていると友子が
心配そうに聞いた
「どうしたの?亮さん」
「コンピューターはプログラム料込みで
300万ドルだそうです。それでロビンが日本に
来るそうです。そんな暇あるのかなあ」
亮は呟いた。
~~~~~
ロビンはベッドから跳ね起きると
「おい、ヘンリーいるか?」
ロビンは大きな声を上げると
若い男が走ってマークの前に立った
「今から日本へ行く、ジェットの準備をさせてくれ」
「に、日本ですか?明日ビリー・ゲイツ様と
打ち合わせが」
「あなたの母校のハーバード大学を救った
男の為に日本へ行ったと言えば
納得するはずだ。それと今やっている
CrayX1-systemを日本に空輸する」
「はい、分かりました」
ヘンリーはロビンに何を言っても
無理だと思って返事をした。
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「ロビン・ハイドが日本に
いらっしゃるんですか?」
一恵はロビンのホテルの手配の
心配をして亮に聞いた
「はい」
亮が答えると西は信じられないような顔をしていた。
「まさか本当に?小村さん、凄くないですか?」
西が友子とマリーナに向かって
同意を求めるように言うと
二人は笑っているだけだった。
「うふふ、西さん亮さんの事でいちいち
驚いていたらきりがないわよ。
亮は常人じゃないんだから」
友子が答えると西が笑っていた。
「じょ、常人じゃないんですか?」
西が驚いて聞きなおした。
「そう、亮は宇宙人よ」
一恵が言うとみんなが笑った。
亮は宇宙人と言う話しをはぐらかして
「西さん、お住まいはどうするんですか?」
「しばらく、今の1DKの部屋に住んで広い所を
探します。ただ今のところ不動産契約の
問題が有って」
「その部分はこちらで考えておきます」
「ありがとうございます」
「マリーナの仕事とかはどうするんですか?」
「そうですね。出来るだけ早く日本語を
覚えてもらいたいと思っています」
「近いうちにロシアから日本に来るので
お友達になってくれればいいのですが」
「そうですね」
亮は大きく息を吸った。
「これでスーパーコンピューターの
手配が済みましたね、がんばりましょう」
亮が言うとマリーナを含めて
四人はがっちりと握手をし
それを玲奈と一恵が笑って見ていた。




