仕事がスタート
「了解しました」
「Dreamプロジェクトを
前面に押し出してRRレコードの
名前を売り出します」
「予算は?」
奈々子が真剣な顔をして聞いた。
「いくら必要か企画書を出してください、
先に予算を作ったら
Dreamじゃなくなってしまいます」
亮が強い口調で言うと奈々子の足が止まった。
「かっこいい!」
「それと奈々子さん、白尾尚子さんの
アルバムにブルックとのデュエット
を1曲入れましょう」
「本当、尚子さんは
ブルックの歌唱力に負けちゃうかも」
「いや、彼女だったら負けません。彼女も
アメリカで進化しました」
5年間尚子を見てきた亮は確信していた。
「分かりました」
「出来たら尚子さんの帰国に合わせて
取材陣を集められれらば最高です」
亮は男性五人女性三人の
合計八人のRRレコードジャパンの社員の
前に立って挨拶をした。
「11月発売のブルックのCD発売まで4ヶ月です。
無名の新人のデビューアルバム販売で
苦戦を強いられると思いますが各メディアへの
発信をよろしくお願いします」
亮は生まれて初めて人の上の立場で
人に話した、社員にやる気を出させる
言葉、言い方の難しさを亮は始めて知った。
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玲奈は社長室に戻った亮を
ニコニコ笑って迎えた。
「お疲れ様、社員さんと会った?」
「はい、挨拶をさせられました」
「当然ね、社長だもの」
「はあ」
亮は部下が出来ると細かい事に気を
使わなくてはならないので面倒くさかった
「あっ、そうだ」
亮は関口と奈々子に社員の
管理を任せる事を考えていた。
「亮、大きな会社なら取締役を管理すればいいけど
小さな会社だと社員を管理しなきゃいけないもの
大変ですね」
一恵が言うと亮はふっ切れたように返事をした
「はい、早く会社を大きくします」
亮は思いついたように上原に電話をかけた。
「團です。色々お世話になっています」
「とんでもない、ビル丸ごと内装の仕事を
いただきましてありがとうございます。
香港からお戻りになったんですか?」
「はい」
「ちょうど今そちらへ向かっていますので
事務所に伺います」
「はい、お待ちしています」
亮はDUN製薬にいた時は
営業で外へ出ることが多かったので
客さんを事務所で待っている事が嬉しかった。
「亮そう言えば、会社名をどうしてプラウと
言う名前をつけたの」
玲奈は会社の名前を不思議だった
「プラウ北極星は北極の上にあるからです。
僕の最後の仕事は北極でやるんです。
僕たちの子供の為に明るい未来のために」
亮が目を輝かして言うと玲奈が納得した
「なるほどそれで北極上の星か・・・亮みたいだね」
玲奈は手を合わせて天窓を見上げた。
「それで明日の夜、身内でささやかな
会社設立パーティーを開きましょう」
中村和美は言った。
「そうですね、身内でささやかに」
「ええ、玲奈さんにセッティングを頼んでおくわ」
亮は大げさなパーティなどを開かれたら
挨拶が面倒なので身内のパーティ
なら良いと思っていた
「ではお願いします。中村さん
来週僕はニューヨークへ行きます」
「失礼します」
一恵が入って来た
「どうしました、一恵さん」
「上原様がお見えです」
一恵は上原を案内した
「お久しぶりです、上原社長」
亮は深々と頭を下げた。
「團さん、ご活躍ですね。神戸のビルの
発注もいただきまして、ありがとうございます」
「奥さんと美香ちゃんお元気ですか?」
「はい、おかげさまであの時の亮さんの
恩は一生忘れません」
「いいえ、短期間でこれだけの仕事を
していただいて感謝します。屋上に
太陽光発電パネルの設置お願いします
太陽光発電交換効率45%を
目指しているんです。発電量はビルの外から
見えるようにしたいんです」
「はい、それも大丈夫です。それにしても
太陽光発電交換効率が25%でもすごいと
言われているのにこれが成功すれば
日本中の屋上に太陽光発電がおこなわれますよ」
「そうだと良いですね」
「それで工事は8階のレストランだけですが・・・」
「はい、ここは多少時間がかかっても
しっかりとコンセプトを決めたいと
思っています」
「了解です」
「それと奥の部屋には?」
「ゴルフシュミレーターとトレーニングルームです」
「良いですね、社長室の隣にゴルフの
練習ですか?」
「いいえ、プロゴルファーのスポンサーになろうと
思っています」
「なるほど」
「それと自分の運動学の研究をしたいと
思っています」
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上原の立ち合いで地下1階にはピアノが運び込まれ
4階には大型サーバーやコンピューターが
運ばれ5階には録音スタジオ機材、
映像編集機材が運ばれセッティングがされて着々と
亮の城が出来上がってきた。
亮は約束をした西がやって来るかどうかが心配だった。
亮と小村友子二人で打ち合わせを始めていた。
「バイオ燃料の新会社ジェイバイオの
資金がかかりますので上場をめざしています、
我々のプラネット証券が幹事会社として
動きます」
「本当?いきなり凄い」
友子が感激していた。
「私の独立で顧客が
資金運用金90億円を集められそうです」
友子が自慢げに亮に報告した。
「凄いですね。そのお金はD&Rの上場、
Americanwebの上場で運用できますから
必ず配当が出せますよ。利益はアメリカで
運用すれば顧客は喜びます」
「すごいすごい」
「問題は西さんが現れるかどうか、
それによって
この証券会社に将来が変わってきます」
友子が亮に聞いた。
「そんなに凄い人なんですか?」
「はい、分析能力に長けていて3ヶ月で
300億円利益を出しています」
亮は西実績を検証して裏づけを取っていた。
「本当、じゃあ私のライバルね。」
「ええ、優秀なトレーダーが二人いれば
仕事を分けて友子さんの仕事量が減って
会社の利益が増すと思います」
「ありがとうございます。でも亮の指定した
株と為替が1番儲かったわ」
友子が上目使いに亮の顔を見ると
「あはは、あれはたまたま情報が入っただけですよ」
「亮、黙っても情報が入る人こそ
1番能力が高いんですよ」
友子が亮を褒めた。
そこに西から電話があった。
「團さん遅くなってすみません、
何処へ行けばいいですか?」
「はい、お待ちしていました、
一恵さんが今迎えに行きます。
そこで待っていてください」
一恵は直ぐに事務所を出て
ビルの外で待っている
西を迎えに行った。
西はマリーナと大きな荷物を持って
一恵に連れられてやってきた
「遅くなって申し訳ありません、
マリーナの両親に
会って今ロシアから帰ってきました」
「結婚の許可ですね」
亮が言うと西はにっこりと笑った。
「はい」




