襲撃
文明が亮の肩を叩いた
「みんな集まってください」
亮がメンバーを集めると
「ここから東源街まで20分足らずです。
途中までは交通量も多く
襲撃を受ける事は無いと思いますが
鯉魚門道を抜けて倉庫街の
崇信街に出た辺りから充分に
気をつけてください」
亮が大声で言うと
「はい!」
全員が敬礼をした
「文明、呉さんは?」
「一文字を迎えに行っている」
「分かりました、では」
「気をつけて」
文明は笑って亮の顔を見た
「はい」
亮の乗った車を先頭に現金輸送車、後方の車、
美喜が乗っているドローン用の車、4台の車が出発した。
前の亮の乗ったSUVはロンが運転席に
亮は助手席に、その後ろの席に
アントンとピョートル後ろの荷台
にはマイケルが乗った
「亮、どうして暗鬼でもないあなたが
こんな危険な事をするんですか?
あなたはそんな立場の人じゃないはずだ」
暗鬼の訓練所で伝説の男の知っている
ロンは亮に聞いた。
「そうですね、あはは」
亮は日本人のビジネスマンの自分が
なぜアサルトジャケットで
身を包みヘルメットをかぶりマシンガンを
抱えているのか考えると可笑しかった
「それが亮の天命だ」
アントンが後ろの席から言うと
「そして亮を護るのが俺たちの天命だ」
ピョートルが続いていった
「ありがとうございます、
二人は言っていませんでしたが
ロシアの件はクリアされました。
安心してください」
「本当か?」
「はい」
ピョートルとアントンは亮の話を
聞いて握手をして喜んだ
「ロシアに帰ったら我々の仕事を手伝ってください」
「俺たちが手伝う仕事があるのか?」
「この仕事が終わったらゆっくり話をしましょう」
「おお」
二人の大男は仕事よりも亮との縁が
切れない事に喜びを感じて笑いながら
助手席の亮の背中を観ていた
~~~~~~
ロビーで待っている呉のところに蓮華と桃華に
挟まれて一文字がやってきた
「お待たせしました」
一文字が呉の所に行くと
呉は手を差し出して握手をした。
「運転手には行き先を言ってありますので
先に走ってください」
呉が言うと一文字と千野が後ろに
助手席には桃華が乗り
後ろの1台には助手席には呉の
秘書が後ろの席には呉と蓮華
が乗って2台の車は九龍城を
大きく迂回して観塘バイパスを通って
取引場所の東源街に向かった。
呉は蓮華に電話を掛けた。
「蓮華、様子はどうだ?」
「はい、問題ありません」
「うん、お金は完全武装で倉庫へ
向かったが君たちは
どんな事があっても一文字を護るように」
「はい、一文字に何かあるとしたら
お金を届けた明日かもしれません」
「そうか、しかし明日の事は我々とは関係ないな」
呉は亮と一文字の関係を知らず
お金を安全に届ける事だけを考えていた。
「はい」
「しかし、あの亮という男は何者だ?
ずいぶん劉社長と親しいいいようだが」
蓮華は文明が呉に亮との関係を
話していないことを聞いて驚いた。
「そうですね、私もよく分かりませんが
彼はかなりの戦闘能力を
持っている方です」
「そうかいくら優秀な男でもつかみどころの
無いああいう男は嫌いだ。どっちかと私は
一文字のような正直な男の方が好きだ、ははは」
呉は蓮華の顔を見て笑った
「くっそ!この馬鹿何も知らないくせに
・・・文明に言いつけてやる」
蓮華は呉の方を見て微笑みながら心でつぶやいた
「まあいい、彼ら命がけで金を守ってくれば問題ない」
呉は窓から外を見て満足そうに笑っていた。
~~~~~~
亮の乗った車が海底トンネルから出ると
鯉魚門道に出た
「まもなく目的地が近い全員せよ」
亮がインカムで全員に注意を促した
「了解」
全員の声が亮のイヤフォンに戻ってきた。
「ん?あっそうか」
マイケルの声が聞こえなかったので亮は
後ろ向きにマシンガンを持った
マイケルを見て確認した。
亮に渡されたアドレナリンを飲んだピョートルは
「亮、これは何だ?」
「アドレナリンで運動能力と
感覚器官能力を高めます」
「なるほど効いてきたぜ」
ピョートルの心臓の鼓動が強く打ち始めた
亮の体の血液が強く流れ始めると
目の前が明るく見え感覚が鋭く冴え始めてきた
すると亮の耳の奥にボートの音が聞こえ
次にピストルのスライドを引く音が聞こえた
「全員、海の方に注意、ボート音が聞こえる」
亮がナイトスコープで海岸線を観ると
2艘のボートに乗っている武装した人間を発見した。
「美喜さん、川沿いにボート確認してください」
「了解、2艘発見しました」
「いた!いたぞ前方30m」
亮が声を上げると全員がマシンガンの
安全装置をはずし
海のほうに銃口を向けた。
「ロン、スピードを上げて逃げ切れ」
「了解」
ロンがアクセルを目いっぱい踏み込むと
車の右脇で爆発が起きた。
「亮、奴ら前からグレネードを撃ってきた」
「前で待ち伏せか、グレッグ、関龍その先を左に
曲がってコンクリート工場に突っ込め」
亮は自分たちの後ろにいた現金輸送車の
グレッグとその後ろの関龍に命令をした。
「了解」
「我々は前の敵を倒す。敵は六名武器は
マシンガンAK-47とランチャーだ」
「了解、何で敵の数が分かるんだ?」
アントンが不思議な顔をして返事をした
敵が撃って来た弾が
「バッシ、バッシ」
と音を立ててフロントガラスに弾痕を作って行った
亮は助手席の窓を開けてライフルから
3発の弾丸を発射するとロイに声を掛けた。
「ロン、スピンターンだ!」
「了解」
ロンはサイドブレーキを引きハンドルを
思いっきり左に切って
車体を横向きにするとサイドブレーキを
戻しアクセルをいっぱいに踏んだ
すると車は右のタイヤを浮かせ反対方向に向いた
「今だ、マイケル!」
マイケルは後ろのドアを開けライフルを3発撃った。
「ロン、みんなの後を追え」
「了解」
ロンは右に曲がりコンクリート工場に向かった
「おい、何があったんだ?」
ピョートルが唖然として言った
「僕が三人倒してマイケルが三人倒しました」
「おい嘘だろう、二人でたった6発しか撃っていないぞ」
「僕は日本人なのでエコなんです」
~~~~~~
亮の乗っている車が右に曲がると
ボートが2艘岸壁に着き武装した男たち
二十人が船から降りた
「くそ!止められなかったのか後を追うぞ、
どうせ行き先は倉庫だ、十人はこの倉庫に
上がって屋根の上を行け、残りはこの
道路を行け」
リーダーの男が船から上がった男たちに指示をし
男たちは倉庫の上と倉庫と倉庫の間に
ある道路を2列縦隊になって
壁沿いに亮たちの後を追った
~~~~~~
コンクリート工場は取引場所の
倉庫手前にあり3台の車は
倉庫へ向かわずにコンクリート工場で敵を待った
「敵は倉庫の前でも待ち伏せをしているはずです、
船から降りた連中はこの道を出たら直ぐに
右に曲がって倉庫に向かうと思います」
「じゃあ出てくる連中を狙い撃ちだな」




