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輸送

「良いじゃない、夜景が綺麗で」

「僕、昨日気が付いたんですけど、この高さ

怖い!」

「ウソ!」


~~~~~~

翌朝、亮は小妹の父親趙建徳の

会社に行って一文字の取引に立ち会った。

蓮華と桃華はドアの前に立ち

取引を見守り、千野は一文字の脇に座って

ダイヤモンドを確認していた。


「トータルで2325個、1カラット以上のダイヤ

1000個、日本で人気の0.2~0.3カラットの石が

全て鑑定書が有ります」

健徳の秘書が分厚い鑑定書を

一文字に渡した。


「今日のレートは625万香港ドルです」

小妹が通訳すると一文字はうなずいて

金額を書いて小切手を渡した。

「確かに」

健徳は確認して秘書に渡し領収書を

一文字に渡した。


健徳と一文字は握手をし、千野は悔しそうな

顔をしていた。

ダイヤモンドをアタッシュケースに入れ

一文字が出て行くと蓮華と桃華がぴったりと

付いて行った。


「亮君、今夜は大変らしいな」

「はい、命がけです。本人は知らないようですが」

「春麗、あの隣にいた男怪しいぞ。一文字に

尊敬の念も持たず、従っていない」


「うん、あの男は三重スパイ、都合のいい所に

付く男よ」

「あのダイヤを持って逃げたらどうする?」

「その為に暗鬼の蓮華と桃華が付いているの

パパ」

「あの二人は暗鬼か?」

健徳は暗鬼と聞いてホッとした。


「それだけじゃない、あの千野と言う男には

他の暗鬼が付いているわ」

「なるほどなあ、では昼飯でもどうだ?亮君」

「はい、では糖朝で」

「ダメ―」

小妹が止めに入った。


「何故?」

亮が首を傾げた。

「たまには違うもの食べてよ」

「ではステーキでもどうだ?亮君」

「はい、いただきます」

美喜が合流して4人でタンゴアルゼンチン

ステーキに入った。


世界の牛肉消費はウルグアイ、アルゼンチン

アメリカ。その中で穀物ではなく

牧草で育てたアルゼンチンの牛肉は

アンガス種やヘレフォード種の肉で

世界一美味しいと言われている。


「美味い肉です」

亮は日本に帰ったらアルゼンチンの肉料理

をローラン・ギャロスで出したかった。

「健徳さんありがとうございます」

「いやいや、香港にスタジオDを

出店するんだろう。私もまだまだやりたい

仕事が有って右腕が欲しかったんだ。


時々手伝って欲しいんだ」

「右腕までとはいきませんが、何かありましたら」

「おお、そうか」

健徳は笑って亮と握手をした。


~~~~~~

亮達は趙剛の屋敷に入って準備を始めた。

「美喜さん」

「はい」

「美喜さんはトラックで付いて

ドローンの操縦で敵の動きを送ってください」


「了解」

「あれ、小妹は?」

「あら、どこへ行ったのかしら?」

美喜が首を傾げた。


武器庫には男たちが次々に入って来て

アサルトジャケットに着替え

装備をして亮の前に立った

「名前を呼びます。

ジョニー、トビー、デビー、トム、

グレッグ、ロンそしてマイケル」

全員が手を上げた。


亮は全員を見渡し

「私は前の車に乗ります。ええと・・・」

「俺とアントンも一緒だ」

ピョートルが手を挙げ亮はうなずくと二人を指差した。

「ではロンとマイケルも一緒に現金輸送車には

グレッグが乗ってください」


二人が敬礼をすると関龍はジョニーと

トビーとデビーとトムに向かって言った

「では、残りの人間は私と後ろの

車に乗って後ろからの敵に備える」

「はい!」

四人が敬礼をした。


H&KのサブマシンガンMP5とマガジン2本

ハンドガンをホルダーに入れ、腰にはナイフを

ホルダーに入れインカムをセットした。

全員が武器の装備を終えると

亮が声を上げた。


「さあみんな行きましょう」

それぞれが乗車をして

亮がインカムで声を出した。

「みんな、我々の任務は物を安全に

港に届ける事です。敵を倒す事ではない

それを心得てください」


それを聞いた全員が冷静な声で返事を

して車が走り出した。


~~~~~~

「そろそろ出かける準備をしよう」

一文字が千野に言うと

「一文字さん」

蓮華が耳元で囁くと一文字がニヤリと

笑って部屋に入ると直ぐに

隣のベッドルームに入った


「なんだ」

千野が不思議そうな顔をした


一文字と二人きりになった蓮華は

上着を脱ぎベッドの上に投げ

ワイシャツのボタンをはずし始めた

「おお」


一文字は椅子に座って蓮華の全身を

見ていると蓮華のシャツの下には

黒い防弾チョッキが見え

蓮華がそれを脱ぐと白いブラから見える

胸の谷間が軽く揺れていた


「一文字さんこれを着て」

蓮華わざと下手な日本語で話をした。

「う、うん」

一文字は直ぐに服を脱ぎ防弾チョッキを着た


~~~~~~

亮が乗った車はトンネルを通り香港島に出ると

ユニオンチャイナグループビルの隣の地下に入り

直ぐにシャッターが閉まった


亮が車から降りると鉄扉が開き

ダンボールがそこから運び出されて来た

「亮、目的地は東品海底トンネルを

くぐって東源街16号の冷凍倉庫2番だ」

文明が地図を持ってきた。


「了解です。この場所は?」

「運送会社が指定してきた場所だが

うちのグループの倉庫だ。

監視カメラで取引の様子が観られるから

何かあったら直ぐに警察に連絡をする」


「大丈夫だ、もしもの事があったら

九龍にいる暗鬼が来る」

関龍が亮の肩を叩いて文明に言った

「そうか、関龍も来てくれたのか」

文明は趙剛の側近の一人が

来てくれた事を頼もしく思っていた


「まあ、何事も無い事を祈りましょう」

亮が言うと文明と関龍がうなずいた


そこへ亮の携帯がなった。

「亮」

「どうした蓮華」

「小妹の電話が繋がらないから電話をした」

「そうか、それで?」

「千野が誰かと連絡を取っていたわ」

「分かりました、気をつけて」


亮は電話を切ると小妹に電話が

繋がらなかった事が気になっていて

直ぐに雪と一緒にいる一恵に

電話をかけた。


「一恵さん今何処に?」

「雪さんと香港島のトラムに乗って

街を観て歩いています」

「分かりました」

「どうしたの?急に」

「いえ、そこなら良いです、

明日はマギーのお見舞いに行きましょう

 その後観光します」


「うふふ、ありがとう」

亮は一恵と雪が東源街の反対側の香港島にいて

ホッとしていた

「どうやら荷物が積み終わったようだな」


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