特殊訓練
「いや、CGLの鑑定書を付けてくれるそうだ、
これで大手の宝石商に売れる」
「それはすばらしい」
千野は一文字を褒めると一文字の
処分はどのタイミングで殺したらいいか
悩んでいた。
道場で亮と関龍の戦いを見ていた
小妹が声を上げた。
「おじいちゃん関龍の突きが
一発も亮に当っていない」
「うん」
亮は関龍の撃つ突きを避けながら
背中を向け亮は関龍の周りを
踊るように動いていた
「円だ、亮は円の動きをマスターした」
腕を組んだ趙剛は小妹に言った。
「凄い、亮」
小妹が亮の美しく動く姿を見ていると
亮は関龍の肩に手を乗せ跳び箱を飛ぶように
関龍の上を飛び越えた。
「やめ!」
趙剛は二人の間に入って二人を止めた
亮は直ぐに関龍に頭を下げると
関龍に握手を求めた。
「関龍、お前の負けだ」
「はい!統領。私は3回殺されました」
「うん、分かっていたな」
「はい、眉間と脇腹そして首です」
「関龍、明日からまた修行だな」
趙剛は手を合わせ頭を深く下げた。
「統領、私は亮に負けても全然悔しくありません」
「なぜだ?」
「亮には神の力が宿っています」
「なるほど神の力か」
亮は二人の会話を聞いてキョトンとしていると
「亮、神の力分かるか?」
「いいえ」
「関龍の次の突きが見えなかったか?」
「はい、関龍さんの動きが予想できて
動きがスローで見えたんです」
「うん、相手の動きが予想できるために
余裕ができて動きが遅く感じるんだ」
「はい」
「ただ、相手を倒さなければ勝ったとは
言えないぞ、本物の敵はそんなに優しくないぞ」
「分かっています」
亮は趙剛に頭を下げ道場を去って行った。
「統領、私も明日参ります」
「ん?亮に任せて大丈夫だろう」
「いいえ、亮は今怪我をしているし
彼の最大の欠点は敵を殺す事が
出来ないことです」
「そうか、分かった亮をアシストして来い」
「はっ」
関龍は亮の後を追って行った。
「しかし、怪我をしていて関龍に勝って
しまうとは・・・亮はたいした奴だ」
「うん」
小妹は亮が趙剛に褒められて
自分が褒められたようで嬉しかった。
「おじいちゃん、私も行く」
「いかん!小妹お前は連絡係だ」
「なんだつまらない」
「でもおかしい」
趙剛が首を傾げた。
「どうしたの?」
「今のところ香港のマフィアが強奪に
動いている様子が無い」
「じゃあ、素人が襲うのかしらそしたら
亮たちに一蹴されるわ」
「そうだと良いんだが・・・もしも」
そこに小妹の電話が鳴った。
「えっ!マギーが!?」
小妹は道場を慌てて出て行った。
~~~~~
「関龍、やはり」
「明日為に少し練習をしたいんですが」
「そうですよね。島に行きましょうその前に」
道場を出た亮は武器庫に入って黒の
アサルトジャケットを手にとっていると
「おい、防弾ジャケットもつけて置けよ」
亮の頭に防弾ジャケットが落とされた
亮が振り返ると二人が立っていた。
「あっ、ピョートルとアントン」
「よっ、俺たちも助太刀するぜ」
「国へ帰ったんじゃ」
「お前さんに恩返しもしないで
帰れるわけ無いじゃないか」
「でも危険ですよ」
「大丈夫だ、二人とも元ロシア陸軍のエリートだ
実践には慣れっこだ」
「そうですよね」
「私もご一緒します」
そこに美喜も入って来た。
「美喜さんは今回無理ですよ」
「でも、訓練だけは受けさせてください」
美喜も防弾チョッキとアサルトジャケットと
ヘルメットを選び着替えようとた。
「美喜さん、ちょっと二人の前では」
「いいや、見ていないから大丈夫だ」
ピョートルとアントンが後ろを向いた。
「ねえ、アニメやアクション映画で太腿を
出しているけどあれはケガするよね」
「当たり前です。ただのサービスカットです」
「良かった、女の体に傷つけちゃ
お嫁いけないから」
「だから、明日は参加するな」
「強けりゃ、怪我しないでしょう。
だから頑張って練習する。亮みたいに
誰も手を触れられない、達人になる」
「まあ。僕は痛いのが嫌いだから理由が違う」
「マジか!」
ピョートルが聞いた。
「はい、元々僕は文系なので・・・」
亮の冗談にピョートルとアントンが納得した。
「冗談はさておき今度は実戦だ、
気を緩めたら命を落とす」
亮は納得してうなずき日本の自衛官も
警察官も味わった事のない本当の
戦いに緊張していた。
「さて、訓練に行くか」
関龍がみんなを誘ってヘリコプターに誘った。
ヘリコプターに乗って30分の島に着くと
すぐに訓練が始まった。
亮と美喜は射撃を始めた。
拳銃はSIG、ヘケーラ&コック、スミス&ウェッソン
コルト、ベレッタ、グロック、ワルサーが並んでいた。
亮は拳銃を見ながらニヤニヤ笑っていた。
「亮、早く選びなさいよ」
「えへへ、どれにしようかなあ」
「何!そのいやらしい目」
「SIGとベレッタとグロックとワルサーで悩んでいる」
「とりあえず撃ってみたら、3か月
前は何を使っていたの?
スミス&ウェッソンだけどあそこはOEMが多くて
ワルサーP99が軽くていいなあ」
「私はグロック19にする、ずんぐりして可愛い」
亮と美喜は射撃を始めた。
「美喜さん中々上手いじゃない無いですか」
「うん、三ヶ月前来た時は格闘技
ばかりだったから」
「わかった、撃った後のアクションを上手く
身体と腕で受けた方が良いぞ」
「了解」
「今度は動きながら撃つぞ!」
関龍が呼びに来た。
亮と美喜は走りながら弾を避け
樹や壁に隠れながら的を撃っていた。
必要な事は走りながら撃つことの
手振れ、マガジン交換のタイミングを
測る事だった。
訓練は日が暮れるまで行い
ジョニー、トビー、デビー
トム、グレッグ、ロンと言う男たちが来て
亮の脇には関龍とピョートルとアントンが並んだ。
地理に詳しい関龍が300億円を運ぶ経路、
敵が襲って来る場所を
予想して作戦を練っていた。
一人席の奥に帽子をかぶってマスクした
男は声を出さなかった
「あの人は?」
亮が聞くと
「あいつは声が出ないらしい」
ロンが言うと亮はうなずいた。
「分かりました、ではマイケルと呼びます」
打ち合わせを終えると亮たちは香港に帰って行った。
「殿、昨日はナターシャとどうしました?」
「ええと、日本語のレッスンをしました。
ベッドの中で・・・」
「殿、明日危険な目に合うので、死にたくないように
私を抱いて行った方が良いですよ」
「確かに美喜さんを抱くと死にたくないかも・・・」
亮は112階の部屋で美喜に言った。
「美喜さん、カーテンしましょうね」




