強奪の計画
「おお、そうか」
「荷物の積み下ろしをする人足が
五人と警備が五人ずつ搭乗し輸送車の前後に
車両を配備する」
「よっし!奴らがマシンガンで撃ち込んで
来ない限りは大丈夫だな」
文明が笑って小妹に返事をした。
「意外とマシンガンで撃ってきたりして」
亮が冗談で言うと小妹は真顔で答えた。
「そうね」
「うん、282億円が奪えるならかなり
乱暴な事をするだろう」
小妹と文明が真剣な顔をしていた
「もし情報を漏らすとしたら一文字の
隣に居た男しかいないはずだ。
ところで、あの男の名前は?」
「一文字は一言も彼の名前を呼びませんでした」
亮は通訳のナンシーの顔を見るとナンシーは
顔を横に振った
そこに美咲から電話があった
「お待たせ亮、送ってくれた写真の男は
千野貞夫35歳、広域暴力団松川組の
若頭補佐よ」
「ありがとうございます、
写真でよく分かりましたね」
「うふふ、こっちはプロの集まりだからそれで
千野がそっちへ行っているの?」
「はい、一文字とべったりでした」
「そうわかった、私達は千野の線から
松川組を調べてみるわ」
「お願いします」
亮はまだ一文字が300億円を日本に
運び出す計画を話していなかった
電話を切った亮は一文字と一緒にいた
男が松川組の男だと説明した
「ワカガシラホサ?」
小妹が首を傾げると
「アシスタントサブリーダーかな?あはは」
亮が上手く説明できなくて笑った
「松川組の幹部というわけか」
「はい」
文明が聞くと亮は真剣な顔で返事をした
「なるほど、どうりで日本円を貨物で日本に
持ち込む方法を知っているはずだ、
船の手配も間違いないだろう」
「こちらでお金の持ち出しを止めたら、
中国政府が没収してしまうでしょうから
日本に着いたら外為法違反で捕らえます」
「まあ、そうだな。後はお前に任せる」
文明が亮の肩を叩くと
「僕は趙剛統領のところに行きます」
「うん、気をつけてな亮」
~~~~~~
亮は小妹とホテルを出ると小妹に聞いた。
「小妹、マギーのお見舞いに行きたいんだけど」
「ええ、それがマギーの容態が悪くて
明日の方がいいかも」
「容態が悪い?もしかしたら血栓が・・・」
亮はたいした怪我でなかったはずなのに、
傷が塞がった時の血液が血栓になって
脳や心臓の血管を塞いだのではないかと
心配になった。
「亮、気にしないで病院の先生がちゃんと
看ていてくれるから」
「そうだね」
亮は趙剛の屋敷に入って挨拶をした。
「亮、がんばっているな」
「それほどでも」
亮が遠慮がちに言うと趙剛は鋭い目で言った。
「明日の夜のために少し練習をしていけ!」
「はい」
亮は屋敷の地下にある射撃場で
ピストルを100発撃ち
すべてが的の真ん中に当った
「相変わらずいい腕ですね、亮」
趙剛の弟子の一人関龍が亮に声をかけた
「あっ、関龍さんお久しぶりです」
「この後、カンフーの練習をしましょう」
「はい」
亮は胴衣に着替えて道場に行って柔軟体操していると
真剣な顔をして関龍が入ってきた。
「亮さん、明日はとても危険な仕事になります
ですから本気で行きますよ」
「関龍さんが本気になったら僕は勝てませんよ」
「いいえ、フロントドラゴンはあなたがつけるべきです」
「関龍さん、そんな事は絶対ありません、あなたこそ」
関龍は本気で亮に向かって言った。
関龍の強さは半端ではなく、
亮の突きや蹴りを簡単に跳ね除け
「亮、手の力じゃなくて足、腰、
背中全身の力を使うんだ」
関龍はそう言って亮を突き飛ばした。
「お前ならできる、一度見た物をすべて
取り入れる事ができる天才のお前なら
関龍を超える事もそして私を倒す事もできる!」
亮と関龍が戦う姿を見ていた
趙剛は手を握り締めていた
「あっ」
亮の突きが関龍の胸に当った
「よし!亮その調子だ」
関龍は次第に強くなって亮が頼もしくて
笑みがこぼれた。
~~~~~
ホテルのバーで千野と話をしていた一文字は
話が上手く進んで満足だった
「千野、船積みまで警備を付けてくれるなんて
良い両替商を紹介してくれた
さすが松川組だ」
「はい、ありがとうございます」
千野は仕方なしに返事をした
「千野、日坂の様子は?」
「大丈夫です、我々の事は絶対吐きません」
「そうか。奴がすべて罪を負うんだな」
「はい、日坂の家族はすべて我々の手の内にあります。
そして今夜自殺する事になっています」
「じゃあ遺族に見舞金を渡さなくてはな」
「大丈夫です、女房と娘はすでに徹の女ですから」
「徹か中々やるな」
「はい、昔あいつは新宿のホストクラブルイの
No1ホストだったそうです
それが女から金を取ったら
恐喝罪で捕まったようです」
「わかった、奴に資金を
出して店をやらせてやろう」
「はい、喜ぶと思います。ちょっと電話を」
千野は電話を持って立ち上がった。
「もしもし」
「千野です、ちょっとまずい事が」
「どうした?」
「300億円の両替の話はついたんですが、
相手が貨物船の出航まで警備を
つけるそうです」
「余計な事を・・・
分かった力ずくで奪おう」
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ、香港マフィアでは両替商に
情報が漏れる可能性があるから
大陸のマフィアを行かせる」
「分かりました」
「じゃあ、連絡をさせるから上手くやれよ」
「了解です、ただ両替商から女のボディガードが
付いたので一文字を殺るのが難しくなりました」
「女のボディガードなんかただの飾りだ、
撃ち殺してマフィアが殺した事にすればいいさ」
「了解です」
千野は電話を切ると大きく息を吐いた
席に戻った千野に一文字が聞いた。
「どうだった?」
「は、はい。日坂の女房、娘は大丈夫です。
徹の奴喜んでいました」
とっさに千野が嘘をついたが、
一文字はそれに気付かず
282億円の現金との対面を思い浮かべていた
「それで今日10億円分のダイヤを買った」
「えっ?何処から?」
千野は一文字にくずダイヤを
売り付けて儲けようと思っていた
矢先にダイヤの話を言われて驚いていた
「鳳凰グループの趙代表から直接な」
「えっ、趙健徳と会ったんですか?」
「うん」
一文字は自慢げに笑った。
「明日、物を受け取って
日本に着いたらダイヤを半分売り
さばいて残りを賄賂に使う」
「5億円分のダイヤをそんなに
簡単に売れますか?」
千野はどうせクオリティの低いダイヤか
ブラッドダイヤモンドじゃないかと
疑っていた。




