西への圧力
「じゃあそっちの方は私がやっておくわ」
「うん、頼む」
亮は趙剛がマギーに何をしようとしているか
まったく知らなかった
ヘリポートに着くと黒いワンボックスカーが
止まって亮を待っていた
「亮、あれに乗って」
小妹が言うと亮はワンボックスカーの
ドアを開けて中に入り込んだ。
「よろしくお願いします」
亮は覆面で顔を隠していて目しか
見えない男たちに挨拶をすると
車が走り出した。
「それで作戦は?」
亮が三人に聞いた。
「隊長のあなたが決めてください」
三人は亮の腕を確かめたかった
「了解、では内部の図面は?」
「これです、内装は分かりません」
一人が図面を広げた
「分かりました、では地下室にドアを
爆破して閃光弾を投げ入れ
突入後主電源を切ったら入ったら
顔を知っている僕が二人を救出します」
「了解、敵はどうしますか?」
「絶対殺さないでください、
捕まえて警察に捕まえさせましょう」
「でも、それはとても危険です?」
一人が亮を批判的に言った
「大丈夫です、この目薬を
点せば赤外線ゴーグルが無くても
3分間は暗闇で自由に動けます」
「了解」
三人は初めて聞いた薬に驚いていた。
車が止まったのはハイナンビルの前だった。
「行きます」
亮が合図を出すとドアを開け一斉に
階段を駆け下りた。
亮は目薬を点す合図を
送り四人は目薬を目に落とし10秒数えた
それを終えると一人はドアノブに
ブラスチック爆弾を爆発させた
青白い火炎を上げドアが飛ぶと
閃光弾を室内に放り込んだ
前もって見取り図で知っていた電源を
切って室内を見渡すと閃光弾で目が
見えない男や女たちが倒れていた。
亮達四人は目を開け、周りにいた男たちを
特殊警棒で殴り後ろ向きに
手を粘着テープで次々に縛って行った。
亮は暗闇の中を奥の方から青龍刀を持った
男が三人走ってくると
亮は流れるような暗闇で目が見える優位で
円の動きで三人を倒した。
倒した三人をテープで縛り付けると全裸で
横たわっている一文字と雪を確認し
亮は意識の無い雪を抱き上げると二人の男は
一文字に目隠しをして肩に抱えて
SUVに走った。
「小妹、二人を救出した。
かなり強いアヘンを吸わされた様子だ
病院へ直行する」
亮が小妹に連絡をした。
「了解、すぐに警察が乗り込むわ」
「了解」
「亮、西の方はどうする?」
「今から奴の部屋に入って問い詰める」
「はい」
亮たちは一文字と雪の二人を
病院に送り届けると私服に着替え
覆面をしてハーバープラザホテルの
825室の前に立った。
「あんたの連れてきた二人の
荷物をいくらで買い取る?」
亮の仲間の一人が中国語で西に電話をかけた
「いくらだ?」
西は驚きもせず答えた。
「二人の処理費込みで1万香港ドルでどうだ」
「OK今取りに行く」
数分後、825号室のドアが開くと
亮たち四人が西を押しのけ部屋に飛び込んだ。
そして、西とマリーナを膝をつかせ二人の
口を塞いで頭にピストルを押し付けた。
「おとなしくしろ」
亮は西に日本語で言った、
西は震える体を抑えるようにうなずいた。
「お前は、一文字と有森雪を殺そうとしたな」
「は、はい」
「目的は金か?」
西はマリーナの顔を見た
それに気付いた亮は西の耳元で
「あの女のためか?」
西はうなずいた。
「では彼女に聞こう」
「待ってください、彼女を助けてください」
「大丈夫だ、殺さないよ、話を聞くだけだ」
震えて涙を流しているマリーナに亮は
ロシア語で聞いた。
「誰に命令された?」
マリーナは首を横に振って答えなかった。
亮は頑固そうなマリーナを拷問して
自白させる訳にも行かず
「西さん、我々が来たのは一文字の
指示ではないですよ」
亮は急に丁寧な口調で言った
「えっ?」
「一文字はまだ病院で寝ています」
西は一文字にばれていない事で気が
休まり、亮は西に強く言った。
「とにかく一文字を殺されては困る、
一文字からお金を取る方法は
いくらでもあるだろう。
それに成功報酬も請求したらどうだ」
「それは・・・」
西はケチな一文字の成功報酬は
微々たるものなのを知っていた。
「西さん、彼女のためにいくら必要ですか?」
「1億香港ドルです」
「1億香港ドル!いくら株で資金運用を
成功したとしてもそれは取り過ぎだろう」
「ええ、まあ」
「それでその金をどうするつもりだ?」
「マリーナにお金を貸しているマフィアの
パイプラインビジネスに投資する事になっています」
「パイプライン」
亮はアイザックの話と同じである事に
アイザックの弟を疑った
「そうすればマリーナの借金を帳消しにして
しかも倍にして返すと言われました」
「そのマフィアの名前はセルゲビッチか?」
「はい、セルゲビッチです」
西は亮があまりにも詳しい情報を
知っていたので聞かれるままに答えた
「それで連絡をしてきたのはニコライかアイザックか?」
「はい、アイザックの部下のニコライと話をしました。
明日銀行でニコライと会って
送金の手続きをする事になっています」
「それで、一文字が邪魔だったのか」
「はい」
西は亮がすべてを把握している
事に驚いていた
「どうやら本気らしいですね、二人とも・・・」
亮は西とマリーナの互いに心配しあう
姿を見てアイザックに電話をかけた。
「アイザック聞きたい事があります」
「なんだ、急に」
亮は西とマリーナのいきさつをアイザックに話をした
「1億香港ドルかなるほど、あいつは私と
ロシア石油省の契約をネタに他からも
金を集めているかもしれないな」
「ええ」
「メンテナンス契約は上手く行ったので、
弟にじゃまはされたくない」
「明日9時、ニコライが送金の事で
銀行に現れるそうです」
「そうか、ニコライを確保するから
手伝ってくれないか?」
アイザックは亮に対して自分が
嘘をついていないことを証明したかった
「分かりました、では明日」
「うん、そうだロマノフが君の事を
調べてくれと言ってきた」
「どうしたんですか?」
「もし、君がロシアに関わる仕事をするなら
協力したいそうだ。相当気に入ったようだ」
「ありがとうございます。
でも僕はロシアとは仕事をしません」
「わかっている、だから我々はロシアを離れて
イタリア、アメリカ、ポーランドで仕事をしているんだ。
亮、ロシア人の平均所得はいくらだと思う」
「たしか70万ルーブルくらい?」




