ロマノフとのゲーム
「お願い負けた分は払うそうよ」
「はい、そのように伝えておきます」
「じゃあ、がんばってね~」
ナターシャは小さく手を振っていった。
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マギーが亮のところに戻り肩に手を乗せると
亮はうなずき真剣な目つきに変わった。
亮は今まで捨てられたカード、残っている
カードを頭の中で整理して行き
呟いた
「残り98枚」
五人のプレーヤーに札が配られ
中央に5枚のカードクラブJ、クラブ4、
ハート3、ダイヤ2、スペード2が
表向きに置かれた
「残り68枚」
亮はもう一度囁くと
亮に配られてきた5枚の手札伏せた
まま横に並べ2枚をドロー(カードを捨てる)
して新たに2枚をディーラー受け取ると
それも見ずにコールすると
ロマノフは亮の態度に腹を立て
ドロップ(ゲームから降りる)すると
プレーヤーの一人は手札も見ない亮の
顔を見て笑ってレイズした
(掛け金を吊り上げた)
亮はそれに応えて5万香港ドルに上げた
「ショーダウン」
ディーラーの声で次々にカードが
オープンされ亮が手札をオープンすると
ダイヤJ、ダイヤ10、ダイヤ6、
ダイヤ4、クラブ2だった
「おお」
周りの客から声が上がりざわめきが
止まらなかった。
それはディーラーの前の札と足すと
ダイヤJ、ダイヤ10、ダイヤ6、
ダイヤ4、ダイヤ2
のフラッシュの手で亮の勝ちだった
「亮、ロマノフに負けるつもり
だったのかと思ったわ」
美喜が亮の耳元で囁くと亮は笑った。
「負けるつもりならロマノフ以外にも
負けてしまいます」
「そうか・・・どうしてこんな
事をしたの?」
「ロマノフを怒らす為です」
亮はマギーにキスをする
振りして耳元で囁いた
「ふう」
マギーは亮のやっている事が
理解できずため息をついた。
亮は残りのカードが頭の中が整理され
次ぎ出てくるカードの予想を
立てることが出来た。
アイザックが抜けた四人のプレーヤーに
カードが配られ
ディーラーの前にカードが5枚置かれると
「残り38枚」
亮が呟いた
ディーラーの前の札はスペードQ、スペード9、
スペード8、スペード6、ハート6が
オープンで置かれた。
誰もが考えるのはスペードを
後1枚引けばフラッシュになる事だった
二人の中国人の男は5枚ずつチェンジして
1発を狙った。
アイザックは2枚チェンジして
亮は1枚もチェンジせず
亮のその態度に回りはざわめいた
「チッ」
中国人の二人は舌打ちをしてドロップをして
亮とロマノフの1対1の戦いになった
ロマノフはレイズして金額を上げ自分の
持っているすべてのチップ26万香港ドル
賭け亮はそれに応じて26万香港ドルの
チップを差し出した
「ショーダウン」
ディーラーの声で亮が手札をオープンすると
亮の手札はダイヤK、ハートJ、ダイヤ8、
ハート8、クラブ2だった
ディーラーがそれをとって
5枚のカードと会わせると
ダイヤ8、ハート8、スペード8、
スペード6、ハート6
のフルハウスになった
周りの観客から声が上がり
同時に拍手が起こった。
そしてロマノフの手札が開くと
ダイヤQ、ハートQ、クラブJ、
ダイヤ10、ダイヤ7.
ディーラーがそれと5枚に合わせると
ダイヤQ、ハートQ、スペードQ、
スペード6、ハート6の
フルハウスになった。
「フルハウス、同じ役ですが数字の
大きいロマノフ様の勝ちです」
「おお」
観客は騒然として拍手が鳴り止まず
ロマノフは立ち上がって挨拶をし、
賭けられたチップを受け取った
亮はロマノフのところへ行き握手をした
「おめでとうございます。見事でした」
亮はロマノフを褒め称えた。
「ありがとう」
ロマノフは上機嫌で亮の肩を叩いた。
「また今度お手合わせをお願いします」
亮はロマノフに挨拶をすると
マギーの腰に手をやって
歩いていき、アイザックは微笑みながら
亮の後ろ姿を見ていた。
「亮、見事だったわ」
マギーと美喜が亮に腕を組んだ。
「はい」
「あれは計画通りだったの?」
「はい、僕がカードをチェンジしたら
クイーン2枚僕のところに来たんですよ
中国人二人が5枚ずつ変えて
しまって驚きました」
「わあ、凄い。でももしも中国人がチェンジした
カードが少なかったらどうしたの?」
「僕のところにクイーンが2枚来ます」
「そしたら亮の勝ちじゃない」
「いいえ、その後はストレートフラッシュ
と言う手が待っていました」
「本当!じゃあ」
「ええ、ロマノフは必ず勝てました。
残りのカードが少なかったので」
「すごいすごい」
「さすが、頭が疲れました。部屋で着替えて
甘いものでも食べに行きましょう」
「はい」
二人はニコニコと笑って返事をした
三人が部屋の前に着くと亮が
カードキーをドアノブに通した。
「亮、危ない!」
ドアノブに手をかけた亮の体を
マギーは押し出した瞬間
「パーン」
と言う音がした。
するとマギーのわき腹の激しい
出血がおきて赤いドレスを赤黒く染め
マギーはわき腹を押さえながら、
亮を部屋に押してベッドの後ろに隠し
その上に覆いかぶさるようにして亮を護った
「マギー、撃たれたのか」
亮はマギーの服を脱がせるとマギーの
ウエストに銃傷がありそこからドクドクと
血が流れて美喜はバスタオルで傷口を押さえた。
「マギーこれを飲んで」
亮は錠剤をマギーの口に放り込んだ
「大丈夫か?今救急車を呼ぶ」
その時ドアを蹴破る音がした。
美喜は救急に電話を掛けた。
「犯人が入ってきた、ちょっと待っていて
くれ、敵を倒す」
「大丈夫、亮に抱かれるまで死ねないから」
マギーは苦しそうに応えた。
「分かった」
「奴ら何者かしら?」
美喜が聞いた。
「さっきテーブルでポーカーをやった
中国人だ、たぶん負けた腹いせだろう」
「ロマノフの方が勝ったのに?」
「どうやら日本人の僕のほうが弱そうに見えたらしい。
マギー君の仕返しをしてくる」
マギーの耳元で亮が優しく囁いた。
「危ないわ、私が行く」
美喜が亮を庇おうとして体を前に出した。
「大丈夫だ、美喜ナイフを持って来てくれ」
「はい」
美喜は亮のナイフと手裏剣を持って来た。
「美喜はマギーを介抱してくれ」
亮がそう言うとマギーはホッとした顔
で亮を見つめた。
真っ暗な部屋の中を迫ってくる
2つの足音に亮は耳を澄ませ手に
手裏剣を5枚持った。
亮と美喜は暗闇でも見える目薬を目に点し
人差し指と中指の間に手裏剣を挟み
足音がする方向の横の壁にフリスビーを
投げるように思い切り投げた。




