犬と猫
亮が独り言を言っているとそこへ
美咲から電話がかかってきた
「亮ごめん一文字と森田の繋がりは無かったわ」
「そうですか・・・」
「あっ、高田義信って前科者
リストに載っていますか?」
「ええ、偽ブランドで逮捕された男ね」
「大学はKO大学ですけど小、中学校、
高校と住所を教えてください」
「ええ、目黒区奥沢5-15-28
学芸大付属小、中学校」
「じゃあ、一文字の住所は?」
「ちょっと待って。一文字は
目黒区奥沢5-14-33
14と15で1番違うけど
真向いの家よ、それに高田義信とは4歳違いだわ」
「川野晴美が行った大学はわかりますか?」
「もちろん。前科者の家族のデータはあるわよ・・・
あらら一葉学園よ」
「やっぱり、昔高田義信が僕の前で
『良子は返してもらう、今夜先輩に良子に
献上するのだ!女子大の理事長さんに』
そう言ったのを思い出しました」
「つまり、一文字→高田義信→川野晴美→
川野三郎→森田耕作のつながりね」
「そうです。一文字と森田が何らかのつながりが
あっても不思議はありません」
「そうね、森田を探すわ」
「お願いします、それと手塚の警察に
対する影響力はどうですか?」
「それが、かなり強くなっているわ、
お陰で父の出世は無理かも知れない」
「そうですか。ついでに手塚の周りも
調べて置いてください」
「えっ、森田と関係があるとでも言うの?」
「いいえ、別件です。とにかく
それは帰ってから話します」
「わかったわ、くれぐれも気をつけてね」
「はい」
亮は何とかして雪の持っていた警察の
裏金の情報の真偽を確かめたかった
「小妹、西のお気に入りのマリーナは
引き続き調べてくれ」
「はい了解」
「そう言えば、蓮華と桃華の二人は?」
亮はもし二人がいたら会いたかった
「一文字に張り付いているわ」
「そうか、ご苦労さまです」
亮はずっと不思議に思っていた
事があった。
「小妹」
「何?」
「君たちの給料は誰が
払っているのかな?」
「うふふ、気になるわよね」
「うん」
「まず、暗鬼の幹部にはボディガードが
一人から二人付くの」
「うん、趙統領にはいつも強そうなのが
二人付いているね」
「ええ、実は中国共産党の幹部、
国務院の部長(大臣)以上にも
警察関係のボディガード以外に
暗鬼がボディガードに付いている、
それで彼らの暗殺を企てた者を
密かに処分する」
「うん」
「その予算が国から毎年支払われるの」
「なるほど固定収入があるわけだ」
「ええ、その他にも中国と同盟関係のある
国の高官もボディガードするから
別収入もあるの」
「なるほど、それで僕のボディガードの給料は?」
亮は遠まわしに言う小妹にもう一度聞いた
「まだ、わからないの?亮も幹部なのだよ」
「えっ?」
「亮は劉一族の扱いなの、だから」
「そうか」
亮はやっと自分の立場を理解した。
「そうなると、私は首?」
美喜は寂しそうにした。
「美喜さん、美人なんだから
お嫁さんになればいいのよ」
小妹が言うと美喜が微笑んだ。
「そうか、亮の奥さんになればいいんだ」
美喜が勝手に言って喜んだ。
それを聞いた小妹とマギーが美喜を 睨んでいた。
~~~~~~
「雪、例の警察裏金のデータは盗めたのか?」
「いいえ、まだ。セキュリティが厳しくて」
「そうか、もし手に入ったら警察幹部と接触して
面白い事が出来るぞ」
「何をするつもりなの?」
「裏金を増やしてマネーロンダリングを
するのだよ」
「警察幹部がそんな話に乗るかしら?」
「奴らが言う事を聞かなかったら
マスコミにすべてを公開する」
「そんな事したら、
私たち逮捕されて何をされるか」
「大丈夫だ、今話が進んでいて
あさって帰国して話をする」
「誰とですか?」
雪は不安そうな顔をして聞いた
「国会議員の手塚慎だ、それで具体的に
何処まで情報が取れるのだ?」
「裏金にかかわっているメンバーの
リストは取れているのですが
裏金がプールされている口座が
まだわかっていないんです」
「そうかそれが判らないと突っ込めないな」
「ええ、出来るだけ早く口座を調べます」
「分かった、頼む」
~~~~~~
「亮」
文明から亮に電話があった
「どうしました?」
「今契約が終わってロマノフが帰って行った」
「はい」
「今の顔写真と音声を送る、役に立つだろう」
「ありがとうございます」
亮は文明の気遣いに感謝した
「亮、上手く負けて気分よくさせてやってくれ
負け分はこっちで払うから」
「分かりました。負け分は
アイザックが払うそうです」
亮はただ負けるは簡単だが相手に気分良く
負けるが難しいのは分かっていた
亮は電話を切ってロマノフの
顔を見て声を聞いた
「ねえ亮、それで何が分かるの?」
小妹が聞いた
「うん、目元で性格が分かるし
ストレスの度合いも分かる
声では子供の頃からの家庭環境も分かる」
「本当?」
「たとえば、声の高い男性はお姉さんが
いたり猫好きが多い、逆に
お兄さんがいて犬好きは声が低い」
「あはは、面白い。それで
猫好きと犬好きの違いは?」
マギーはその答えに興味を持った
「比較的犬好きの方が支配的でブランド好き、
猫好きは優しい人が多いね」
「へえ、じゃあペットを買っていない亮の性格は?」
小妹がニヤニヤと笑って聞いた
「あはは、僕はわがままな
猫の多頭飼いかも知れない」
美喜があまりにもぴったりの
冗談で吹き出した。
「まっ、私たちは犬のように従順よ。ねっ小妹」
マギーが言うと小妹が首をかしげて亮に聞いた
「ねえ亮、犬好きはどうしてブランド好きなの?」
「小妹、猫の種類はたくさんいても
大きいのから小さいのまでせいぜい
3、4キロの差だ」
「うん、そうね」
「つまり猫好きはどんな猫でも好きなんだ」
「うん、犬の場合は?」
「たとえばシェパードを飼っている人は
チワワやトイプードルを犬と認めない、
その逆もある、つまり犬を飼う人間は
凄く好みにこだわるんだ、
犬は散歩があるから人の目も気にする。
ブランドの服やバッグのようにね」




