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1話 新たな迷宮の出現

お待たせしました。

チビチビと書いてます(>人<;)

 人生には多くの分岐地点、転換点が存在している。あの時こうしていれば今は良い生活が送れただろう……あの時こうしていればあの人を救うことが出来ただろう。


 逆に、あの時こう動いたから成功することが出来た等。


 だが、それは全てどうしようもない流れ。転換点は、後から気づくものだ。上手くいかなかったことなど時を渡る魔法でも存在しない限りどうすることも出来ない事実。



 これは本来の道筋からほんの少しズレてしまったもしもの世界に関わった話……




 


「封龍の森に迷宮が出現した?」


水晶玉から映し出される映像に対して疑問の声をあげるのは、レン・オリガミ。話し相手は、美しい金髪のエルフだ。


「ええ、何があるか分からないから冒険者達は近づかないように声を掛けてるけど。調査をしておきたいから貴方に声をかけたの」


 話し相手のエルフ、フェレンスギルド長であるフィレン・アーミラが言う。


「封龍の森に出現したってのも気になりますね……わかりました。行きます」


「そう言ってくれて助かるわ。慌てなくて良いから準備が出来たらフェレンスに来てくれる?詳しい話は向こうで」


 フィレンとの連絡が終わり、立ち上がる。


『封龍の森に突然現れた迷宮……気になりますね』


 封龍の森と言えば、レンの冒険の始まった場所。強力な龍が眠る場所とも言われており、そのような所に現れた迷宮は危険度が高いのではないか?と思う。


「ああ、出来るだけすぐに行きたいな。エリアス達も連れて行きたい所だけど……」


『エリアスに黙って行ってはマスターも私も後から怒られてしまいますね』


 楽しそうにナビゲーターが言う。前に黙って出かけて拗ねられたことがあったものだ。



 屋敷のメイドに当分戻らないかもしれないと内容を伝えて、外に出る。


 そう現在のレンの住まいは、王都にある屋敷である。これまでの報酬という形で、アルセンティア国王、ルティアの父親から貰ったものだ。レンとエリアス、ルティア、時々どこかに行っているミラが泊まりに来るなどしているため4人住まいと言った所だろうか。メイドもいるが、住み込みではない。



『エリアスなら、この時間はギルドにいることでしょう』


 暖かい太陽の光を浴びながらレンが伸びをしているとナビゲーターが行ってくる。エリアスは、ギルドの訓練場で冒険者の訓練を手伝っている。


 災厄ベルゼとの戦いから1年、現在のレンとエリアスはSランク冒険者となっていた。最高ランク冒険者として育成にも力を入れているのだ。


 

 冒険者ギルドの扉を開けて中に入ると、冒険者たちの視線が一気に集まる。


「レン・オリガミだ!」

「破黒の英雄……」

「何か依頼でも受けるのか?」



 現状、周辺国家の冒険者の中でレンは1番強い存在と言える。最強と名高い冒険者がやって来れば当然ながらギルドはざわつくものだ。


「お疲れ様です、レンさん。本日はどのようなご用事でしょうか?」


「アリーも、お疲れ様!エリアスが来てるかなって思って」


 ギルドの受付嬢であるアリーの声に応える。フェレンスで受付嬢をしていたアリーは、現在フィレンの推薦で王都のギルドで勤務している。出世だ。

 給料も良いらしく、あとは理想の恋人を探すだけだとレン達の家に遊びに来た時に良く話している。


「エリアスなら、訓練場にいます。入られますか?」


「ああ、フィレンギルド長から連絡があって急だけどフェレンスに行かないといけない」


「ああ、1人で行ったら前みたいにエリアスが怒りそうですもんね!」


 すぐに察したようにアリーが言う。よくこれだけの言葉で察したなと思う。優秀というレベルではない。


「あれは、魔物が大量発生したのが悪いと思うけどなぁ……」


「返り血塗れで帰ってくるのも悪いですよ」


 苦笑いでアリーと話して訓練場に向かう。



 周囲の冒険者達が道を開けるのを、申し訳ないなという反応でレンは通った。Sランク冒険者ともなると、周囲からの注目はとてつもないものだ。

 レン自身の強さから、見られていることは強く感じるので、居心地が悪い。悪意の視線が無いのは救いだ。




 王都のギルドの中には、空間魔法が施された訓練場がある。ここで、ランクアップ試験のために救国の英雄ハルカと戦ったのは懐かしい思い出だ。


 訓練場に向かって歩いていると、木剣のぶつかり合う音が響いてくる。


「お、やってるな」


 新人冒険者であろう、少年がエリアスに向かって攻撃を仕掛けている。邪魔するのも悪いので、ベンチで待たせてもらうことにする。



 少し経つと、休憩時間になった様でエリアスが少年少女達に声をかけてからこちらに向かってくる。


「わざわざどうしたの?レン。一緒に鍛えたくなった?」


「それも良いんだけど、フィレンギルド長から依頼が来たんだ」


 とレンは簡単に内容を説明する。すると、エリアスはあっさりと承諾する。


「もちろん、私も行くよ!」


 と言いながら新人冒険者達に、申し訳ないけど今日は用事で終わりにすると伝えていた。

 レンも申し訳ないので、困ったことがあったら相談してくれよ?と言うと嬉しそうに頷いていた。



 

「さて、ミラがいれば転移魔法で一気に飛べるんだけどな。俺のじゃそこまで距離が出ないから空を飛んで行こう」


 ギルドの外に出て、フェレンスに向かう方法を提案する。すると、エリアスがすぐ側に寄ってきてレンの身体に腕を回す。


「さあ、行くよ!」


「エリアスさんや、あなたもインポートで飛べるでしょ?」


「言葉にしないとわからない?」


 いつの間にか、恥ずかしがる様子も無くなってかなり引っ付く様になった。周囲の人が見ているから結構恥ずかしいのだが……


「じゃあ、ちゃんと掴まっとけよ!フェレンスに向けて出発!」


 とレンは言いながら魔法を使って空に舞い上がるのだった。

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