己が魔力に限りがあること。自らに不可能がないこと。
異世界無双ものは最初から強いか、特訓とかして知らないうちに強くなってるの二択だと思うんですけど。
これって偏見?
今日から特訓をしようと思う。
全てはそう、あの憎きクソフレッドをボコるため。
ということで、まずは魔法から練習しようと思う。
うん? 2歳児が魔法を放てるかって??
チッチッチッ舐めてもらっちゃ困りますよ。
このスーパーウルトラハイパースペシャルエクセレント2歳児を!
魔法を放つには、
1.魔力を感知する。
2.術式を構築する。
3.その術式に魔力を流し込む。
4.発動する。
という4つの手順を踏まなければならない。
で、この2~4の手順を簡単出来るようにしたのが”詠唱”だ。
そして、僕の手の中には詠唱大百科という本がある。
これは家の倉庫にあったから盗n、ん”っん”っ! 拝借してきたのだ。
それじゃ、早速やってみよう!
炎とか雷は家の庭で撃つには危な過ぎるから、やるなら水か…。
おっ! あった、あった。
まずはー水弾ーでもやってみるか!
詠唱はっと……
「《水よ我が命に応じ球を象り敵を穿て》」
そう言うと、体の中にある魔力が手のひらに集まり出し、空中に構築されている術式に流れ出した。
そして、
「《水弾》」
最後の発動句となる言葉を言うと、直径15cmぐらいの水の球が空中に現れ、それが敵に見立てた木を撃ち抜いた。
おぉ~! これが魔法か!!
父さんが使ってるところを見たことがあるから出来ることは知ってたけど、いざ自分で使ってみると感動するもんだなぁ。
でもこれ、詠唱を覚えないといけないわけでしょ?
面倒なぁ……ほんと、青狸の食べると暗記出来るパンが欲しいよ。
あっ! そうだ、無詠唱とか出来ないかな。
そう思いさっき感じた魔力を体の中で動かし、術式を構築し、それに魔力を流し込んでいく。
そうして、練習すること一時間……
ついに無詠唱で魔法を放てつことに成功した。
だが、今度は術式を自分で構築しないといけないので、逆に時間がかかってしまう。
どうすればいいんだ?
魔力を手に集めることは出来ている。
ここからどうすれば、魔力を水に変えられる?
そう考えていると、昨日ステータスを見ていた時の記憶が蘇る。
『魔法創造:魔法を一から創り出すことが出来る。ただし創り出すには確固たる想像が必要』
確固たる想像……。
そうか……そういうことか!!
そう思うと僕は頭の中で水弾が発動するところを強く想像する。
そして、
「《水弾》」
という言葉を発動句にして、水弾を放った。
なるほど。
魔法を放つにはこうやって想像すれば良いのか!
なんて言えば良いのかな……こう、体内の魔力をキュキュキュって集めて、術式をジューインって構築して、そこに集めた魔力をンッポって入れる感じ?
ダメだ、ダメだ。
上手いこと言葉出来ない。
やっぱり、転生しても語彙力は付かないもんだなぁ。
まぁでも感覚は掴んだから、今度はー風弾ーとかー土弾ーも撃てるんじゃね?
そう思い今度はー風弾ーを放とうとすると、急に体が怠くなり力が抜ける。
これが魔力切か。
こんな少し魔法を放っただけで、魔力が切れてちゃ練習なんて話しならないな。
魔力をあげるには、毎日魔力を使い切る必要があるらしいし、仕方ないから毎日練習して地道に上げていくか!