勇者生誕。そして前世の離乳食の崩壊
お久しぶりです。
ここはどこだ?
なぜ僕はここにいる?
確かゲームをしていたところまでは覚えているんだけど……
なのになんだここは!!
さっきまでコンクリートや綺麗な壁紙があるところにいたのに、なんで木と泥が剥き出しの場所で寝かされているんだ? あっ! 僕のゲーム機がない?! まだセーブして無いんだよ。どこだ、どこいった?
と、辺りを探そうとするが体が上手く動かない……というか、地面ってこんなに近かったけ? 手足も縮んだ気がするし……どうなっているんだ僕は!! これじゃあ完全に某高校生探偵じゃないか?! 怪しい取り引き現場なんて見た覚えないけどな……。
僕がそんな風に混乱していると、遠くから足音と喋り声が聞こえてきた。
うん? 誰か来るなぁ。
やって来たのは白髪に緑色の目、真っ白な肌をした二人の巨人だった。
誰だこの人達? やけに身長が高い気がするけど……まぁいいや、とりあえず助けてもらうか。
「あのー? 体が上手く動かないんですけど、助けてくれますか?」
「■●●◆■●■▼?」
「●◆◆■◆●▼」
なんだ、この言葉? 英語かなぁ? いや、幾ら勉強してない僕でも、流石に英語じゃないこと位は分かるぞ。この人達が話してるそれはもう言葉じゃない何かだ!
本当にどうなっているんだ僕は!!!
ーーーーーーーーーー
あれから2年が経った。
今まで分かったたことは、
・転生してレンマ族という部族に生まれた。
・この世界には魔物や魔族がいる。
・スキルや魔法があり、剣などを用いて戦う。
ということだ。
いや~、憧れの異世界転生きた~と思ったけど……。
食事まずいし、赤ちゃんの体動きにくいし、ゲームないしで色々不便だった。
特にこの食事。
離乳食なんて、ドロドロの何が混ぜてあるかも分からない物体だったからね。
不味くて吐いたよ。どっかのガキ大将が作ったシチューなんか目じゃない位の不味さだったよ……。
まぁ食べたことないんだけどね?
でも最近はまだましになってきたな、それでも元の世界に帰りたいなぁ~とは日々思ってる。
「ご飯ですよ~」
おっ、もうご飯の時間か。
最近はだんだん普通の食事になってきたので、ご飯の時間が楽しみだったりする。
本当なんで離乳食だけあんなに不味かったのか、不思議に思う程にはおいしい。
さて、今日のご飯はなにかな~?
僕はそう考えながら、てとてととキッチンの方へ向かうのだった。