挑戦者(読者)あらわる!〜その4:本番開始〜
テイマーっぽくなる
さてと、降り立った。
「ここは…」
あたり一面の緑!豊かな自然!溢れ出るマイナスイオン!(?)。そう、森だ。
「異世界冒険の始まりといえば、森だよね!〔ただし、クラス召喚を除く〕かなりでかそう〜深そう〜魔物強そう〜。」
そんなことよりまずは
「ステータス…じゃなかった。スキルオープン」
異世界といったらこれだよね。まあ、ステータスではないし、自分で作っからあまりワクワクとかしてないのだけど。
表示されるんじゃなくて、頭に流れ込んで来た。
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ソータ Lv35
人間 17歳 テイマー Lv1/100
職業スキル:〈テイミング(命令、強化、大小化、念話、従者回復、人化)〉
スキル:〈料理Lv10 max〉〈調合Lv10 max〉
特典〈道案内〉
固有スキル:〈レベル反転〉
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こんなもんかな。以下気づいたこと
あ、名前がソータになってる。これからはソータって名乗ろう。
名前の横のLvは強さの目安?らしい。あくまでも目安だとか。成人をちょっと過ぎたあたりの平均値は50、自分は…まあ、現代人に何を求めるんですか。僕はテイマーです。自分は戦いません〜。100を超えたら、人外って呼ばれ始めるらしい。目指してないよ?……少しは筋トレしよっかな
種族は、まあ普通。人間じゃなかったら怖い。あ、6歳若返ってる。や、やったー!……何故に?
職業がテイマーなのはいいけど、Lv1っすか。まあ、ハイ。どうあげるんだろう?『答。魔物の戦闘や、実際にテイムする事で経験値を得ると上がります。』
職業スキルは全部取ってみた。そう、人化!従魔を人化できんのかな?楽しみ!
料理と調合は、できたらいいなーと思った。スキルポイント安かったし!調合って、何を作れるんだろう?
テイマーには向いてないかな〜と思ったので、戦闘系スキルはない。ビバ!他力本願!
〈道案内〉さんも入ってるんだ。よろしくね。『了』頼りになりそう。
あと、文章の途中に入り込むの好きだね。
最後のスキルポイント1のやつ、固有スキルだったんだ。面白そうだからとってみた。
こんなもんかな(2回目)
では早速テイムテイム〜
どうやって、テイミングすんだろ?
こんな時の、〈道案内〉!
『答。テイミング:1日3回まで、(〔テイマーレベル〕ー〔相手のレベル〕)%で成功するテイムを行うことができる。(自分のレベル<相手のレベル の時テイム不可)。テイマーが外れ職である所以。』
(ええーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!)
外れ職だったんだ、テイマー…
確率は、ものすごく低くね。自分のテイミングがLv100で相手が50でも、テイム率は50%だし、100超える相手にはテイムできないし。今自分Lv1だし……
しかも三回だけ、はぁ。
道の上でショックで突っ立っていると、向こうから一匹の野生の狼が(たぶん魔獣)走ってきた。青白いグラデーションかかった毛がカッコいい。あと強そう。
自然と情報が断片的にだが、頭に入ってきた。
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フォレストウルフ Lv87
魔獣
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無理無理、勝てないって。(最大テイム率13%)
あれ?自分の攻撃手段が、仲間がいないとほぼ皆無なのに今気づいた。
しかし、何かから逃げているのか、 必死の様子で、自分には目もくれず走り去っていった。
『答。フォレストウルフ:ウルフの森に生息する狼の一種。基本群で行動をする。』
お、ありがとう。ていうかもう〈道案内〉を超越してるよね?ウルフの森ってここの事?
『是。ウルフの森:フォレストウルフが多数生息する森。人外魔境の一つ。』
じ、人外魔境!?無理じゃん。終わった……
一匹だけだったけど、さっき群で行動するとか……『答。フォレストウルフは危機に遭遇したとき、バラバラに逃げる性質がある。』──そうなんだ。つまり、フォレストウルフですら逃げる危険がそばに!?
何があったんだろうと思うと、またもう一匹走って来た。さっきよりも少し大きい気が…。_______________________________
グレイトフォレストウルフ Lv?
魔獣
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グレイト!?『是。フォレストウルフの群れの長』……長っすか。
もういいや、やけくそでテイムしてみよー、なんとなく、感覚でスキルの使い方は分かる。
「テイム!」
ーーテイムに成功しました。名前をつけてください。
え!?なんで!?確率は?だってこのままだと…
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グレイトフォレストウルフ Lv135 (テイム待機中)
魔獣
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いや待て、100超えてるじゃん。この森レベル高!
ていうか、テイム不可能じゃ?
『答。原因はこれかと。レベル反転:敵対した相手のレベルを-1倍する』
ああ〜、こんなんとったな〜。つまり、テイム率は(〔テイマーレベル〕ー〔相手のレベル〕)%だから……136%!?確定やん!
ていうか、テイムとメチャクチャ相性よくね!?つまり、本来なら引かれるはずの相手のレベルが足されるんでしょ?やったー。最後の最後で取っといてよかった。
なんでみんなとんないんだろう?チートじゃね?しかも、たった1ptなのに……
『答。〈レベル反転〉は呪い、外れスキルの一つ。職業経験値やスキル熟練度が敵のレベルが自分よりも高いと大量に手に入り、低いとほとんど手に入らなくなるため。』
なるほど、つまりどんなに強い相手を倒したとしても、レベルが反転されるから、経験値が大幅に減ると。
『是。たとえLv1でも、50以上Lvが低い相手だと、1000匹は倒す必要があります。』
じゃあ、もうテイマーレベルは上がらないのか〜。まあいいや
そんなこんなしてると、グレイトフォレストウルフ(名前長い!)が近寄ってきて、僕の目の前でおすわりしてきた。
『ご主人様〜、名前をつけて〜』
え?そうなの?(テイム待機中)ってそう言うこと?う〜ん、どうしよっかな……っていうか、声可愛い!これが念話か〜、道案内さんと同じ感じで頭に直接話しかけられる感じ
「声からしてメスなのかな?それにしてはずいぶん立派な毛並みだね。」
『そうだよ〜。えへへ〜、ご主人様に褒められた〜。』
語尾伸びんなー。可愛い〜。見た目は凛々しい狼だけど、馬よりも一回り以上大きいけど、念話の声は可愛い。よし決めた。
「フィリにしよ!なんとなく!」
『やった〜、フィリー!』
なんかとっても嬉しそう。あとそれじゃ船になるぞ。
そういえば、
「走ってきて、慌ててたっぽいけど、どうしたの?」
『向こうにとってもおっきくて、強そうな魔獣がいたの〜、で逃げてきた〜』
え!?フィリでも十分人外なのに!?それより強い魔獣?これはテイムするしかありませんなぁ〜(ニヤニヤ)
『ご主人様、顔〜。どうするの、逃げないの〜?』
「フィリ、その魔獣まで連れていってくれ!」
『え!?いいの!?大丈夫なの?』
「ああ、僕に考えがある。」
『(僕?ご主人様男の子なのかな?)』
「なんかいったか?」
『ううん、なんにも。』
「(念話でも聞き取れないってことあるんだ?)まあいいや、連れてってくれ。」
『ご主人様〜、乗って〜』
「いいのか?」
『うん!』
「なら、失礼。よっと。」
鞍とかないので跳んで乗る。すげえ、フッカフカで乗りごごちがいい〜
『いっくよ〜』
そうして、僕の旅は始まった。
フィリーは、木が密集した中を、とても早く(景色がだいたい高速道路で見た森と体感同じ感じ…てことは、時速100km!?早っ!)それでいて揺れが驚くほど小さく走っていった。風もほとんど感じない。ほんと、どうやって走ってんの?
「フィリすげえ。速いのに揺れが小さい!これがフォレストウルフの力?」
『グレイトフォレストウルフだよー!あと、この早さはスキル〈森走り〉のおかげだよ〜』
「そうか、魔獣もスキル持ってるのか、いや持ってるよな普通。じゃあ魔法とか使えるの?」
『風魔法が得意だよ!』
「そうか、いざとなったら頼むぞフィリ。」
『うん、任せて!』
フィリーの頭を撫でてあげると、尻尾が大きく揺れた。喜んでいるな。
ーーこれが、時速100kmで走る狼の上で行われた会話である。
緊張感を、主人公(と作者)はもといた世界に忘れて来てしまったらしい。
ポイント、長引かせない