挑戦者(読者)あらわる!〜その1:腕試し
ようこそ
俺は田中奏太。神奈川県に住む、中小企業で働く普通の23歳男性サラリーマンだ。
若いといえば若いのだろう。いや若い、断言しよう。
元気な子ども達に‘おじさん’呼ばわりされると、怒る自信はある。いや、呼ばれないよ!若くて元気なお兄さんだよー。危なくないよ〜。ほら、こっちおいで〜。
……
最近は、仕事にもなれ、少しだけ、休日を謳歌する余裕も生まれてきた。王か!いえ、そんなに偉い人間ではないです。
しかし、慣れというのは、油断を誘うこともある。鯛ヤキっ!
はい。よく人に「ノリがよくわかんないって言われない?」って言われます。(わかりにくい)
ある日、ある機械を使って、ある金属プレートを裁断していた。(歌にはならない)
だいたいA1くらいの大きさだ(A4が8枚分だね!)
自分の働く工場では、とある道具を作っている。金属の板をベルトコンベアの上に置き、横に空いた穴から機械に入れるだけで、ベルトコンベアからみごとな鉄のフレームがベルトコンベアに乗って出てくるのだ!正真正銘のブラックボックスってやつだな。
2、3年使っているが、この機械の仕組みが全くわからない。この機会に解明しちゃおう!(言いたかっただけ)
(確か、先輩から危ないから気をつけろって注意されたっけ)
穴は人間でも縦に入れるほどの大きさがあり、たしかに危ないだろう。
いつか自分も後輩に教えるのだろうか(仕組みはわからんけど。)
いかんいかん、おっさん的発想になるところだった。
しかし、本当にブラックボックスの内部は気になっている。
(企業の巡業員も知らない企業秘密。これが本当のきぎょうひみつってやつか。)
……
(でもやっぱり気になるよなあ)
2、3年のちょっとした経験による慣れで、近づきすぎたのがいけなかった。
次の瞬間、流れる金属板に手を取られ、そのままベルトコンベアの方に引っ張られる。
そのままバランスを崩し、ベルトコンベアの上に、うつ伏せにダイブすることになった。いや、潜ってはないけど。
結果、顔から機械に入り込むことになり、あまりにもの恐怖に目をつぶる。いや、やっぱみたいから開けとこう。(人間の知識欲すごい)
そう思って、開けてブラックボックスの中身を見た瞬間、「なんだ単純じゃん」って分かった。
けど、ごめんよ、ベルトコンベアの上で逆さにクロールする方法は知らないんだ。
そのまま意識が|ブラックアウトした。
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ただ単に型で裁断していただけ