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お題 ナイフ 探偵 人間失格

昨日出し忘れましたごめんなさい。

グリニッジ標準時とかもう言ってられない……

今回ちょっと過激な表現あるかもです。ご注意ください

 

 恥の多い生涯を送って来ました。

 自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。


 ◇◇◇◇


「準備は整っています。……大丈夫ですか?貴宮(あてみや)さん」

「ええ、大丈夫ですよ。伊藤警部補」

「心配はいらないようですね……僕の名前は近藤です」

「これは失礼……では始めますか。解答編を」


 ◇◇◇◇


 部屋には容疑者である3人と事件関係者が集められていた。

 この部屋はとあるファミリーレストランのスタッフルーム。

 このレストランで毒殺事件が起こった。

 被害者は


 夕張(ゆうばり) 黄昏(たそがれ) 高校2年生。何かに毒物が含まれていたらしく死亡。


 容疑者は以下の3人


 夕張 丑三(うしみつ) 被害者の兄。双子のようにそっくり。被害者と共にこのレストランにやってきた。

 高校3年生

 村野 朝夜(ちょうや) 被害者の後方の席に座っていた女子高生。過去に被害者の彼女だった。

 1年生

 桐谷 夕立(ゆうだち) 村野と共にレストランにやってきた女子高生。被害者の部活の後輩。

 1年生


「マジ最悪。早く帰りたいんだけど」

「村っち仕方ないよ黄昏先輩が死んじゃったんだから」

「弟が死ぬなんて……警察はまだ犯人わからないのかよ!」


 3人とも長い時間待たされて苛立っているようだ。

 いや1人は落ち着いているか。

 この事件を一任されている僕、近藤 (つかさ)は3人に向き直る。


「お待たせしてすみません。事件解決いたしました」

「解決した?」

「はい。では貴宮さんお願いします」


 僕の後ろから華奢な女性が出てくる。

 彼女が貴宮 カリンさんだ。


「あんた誰だ?警察の人?」


 夕張(兄)がつっかかるが貴宮さんは気にしない。


「はじめまして貴宮探偵事務所の貴宮カリンです」


 そう、彼女は探偵だ。


「探偵?じゃあこの人が犯人分かったの?」

「そうです」

「…………」


 怪しんでる。探偵なんて普段出会える存在じゃないしな。


「どうでもいいから早くしてくんない?」

「貴宮さんもう待てないようなのでお願いできますか?」

「……わかりました、佐藤警部補。手短にいきます」

「ありがとうございます。あと僕の名前は近藤です」

「まずは犯人からですね…………えーとこの人が犯人です」


 貴宮はそう言って村野を指す。

 直球過ぎないか?


「なによ!私が犯人って言うわけ⁉」

「そうですよ探偵さん村っち殺人なんて」


 村野とその親友である桐谷が貴宮の指摘に反論する。


「ですが事実なので……」

「貴宮さん説明しないと伝わりませんよ」

「ああ、そういうことですね。わかりました」


 説明しないつもりだったのかこの人……。


「犯人は厳密に言うと夕張さんと村野さんの2名です。実行犯が夕張さんで考えたのは村野さんってところですね」

「どうしてそういい切れるんだよ!」

「だって……夕張さんと村野さんは現在お付き合い中で夕張さんは村野さんのお手伝いですね。村野さんの学校のこと調べました。薬学部が特出しているそうですね。村野さんは成績優秀で薬学部……対して夕張さんと桐谷さんは普通科で薬学部ではない。今回の毒物も薬学部から持ち出したものですね。学校に問い合わせたら劇薬が1瓶なくなってたそうです」

「証拠は⁉証拠があるっていうの!」


 このセリフを言うのは大抵犯人なのだが……。


「証拠ですか……斎藤警部補。先程のアレお願いできますか?」

「わかりました……それと僕の名前は近藤です」


 僕は先程言われたとおり被害者が飲んでいた飲み物……と同じものを持ってきた。


「じゃあ取り敢えずこれ飲んでください」

「…………」

「飲まないんですか?」

「…………すべてお見通しってわけね」

「はい」


 犯人、村野が罪を認めた。


「私ね、アイツに復讐したかったの。アイツは私のことを弄んだ」


 村野はそう切り出した。アイツというのは被害者の夕張黄昏だろう。

 恋人だったときに散々振り回された挙げ句切り捨てられたらしい。


「アイツに飲ませたのはね。一滴でも致死量になる劇薬。苦しんで泡吹いてるの見て心が晴れたわ!」

「俺が協力したのもあんたの言うとおりだ……何で分かったんだ」

「情報から導き出すことは簡単ですよ」


 嘘だ。

 実を言うとこの人は一切推理していない。僕も最初聞かされたときは驚いた。

 彼女は思考読み(マインドリード)の持ち主だった。それもとても高度な。

 思考読み(マインドリード)というのはその名のとおり思考を読むことができる能力のことらしい。

 貴宮によるとその人の記憶まで探れるらしくなんとも規格外な力らしい。


「工藤警部補、あの桐谷という人しっかり見といてくださいあの子だけ思考と過去が読みにくいんです。心が空っぽみたい……心に空白があるみたいですから」

「……ああ、はい。わかりました。近藤です」


 この人名前覚えられないのか?一瞬誰のことかわからなかった。

 桐谷を見ていろ?あのおとなしそうな娘がどうしたというのだろうか。


「では刑事さんこの2人を警察署まで」

「わかりました」


 僕の部下が勝手に使われる。この状況だからまあいいけど。


 その時、僕は桐谷から目を離してしまった。


 気づいたときにはすでに遅かった。

 夕張と村野の首にナイフが深々と刺さっていた。

 医学の知識がなくてもわかる。即死だった。


「これでまた私を縛る枷が2つも消えた。この方法はやっぱりいいな。私の中がスッキリする」


 空っぽになる。

 彼女は……桐野はそう言ってこちらに向き直る。


「ありがとうございます。探偵さん。犯人を教えてくれて」

「君は一体何者なんだい?」


 貴宮が桐野に聞く。


「さあね。私も彼に聞きたかったよ」


 そう言って彼女は食事用のナイフをこちらに向かって投げてきた。

 先程夕張と村野に刺さったものと同じものだ。

 貴宮をこちらに引き寄せナイフを避ける。ナイフは貴宮がいた足元に深々と突き刺さっていた。


 牽制のつもりか?


 再び視線を桐谷に向けようとしたがそこにはもう誰もいなかった。


 こうして僕と貴宮が解いた事件は一度幕を閉じる。

 事件は解決したが犯人は死亡。代わりに1人の殺人者を取り逃がしたのだった。


 ◇◇◇◇


「自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」


 桐谷は……空っぽの殺人者はかつて殺した少年のことを想いながら、人の真似事をしながら生きていく。

 歩いた道は真っ赤に染まる………………

今回のお題は

「ナイフ」「探偵」「人間失格」

でした。


人間失格が使われていない?

太宰治の人間失格を読み直しましょう。


さて今回は探偵ということでミステリーにしたかったのですが……

トリックが思いつかず穴だらけのなんちゃって推理小説です


登場人物紹介


貴宮 カリン 思考読みの探偵。


近藤 司   警部補。


桐谷 夕立  過去の作品にて実は登場したことがある。



今回より新たなお題募集を行います。

今まではお題のみの募集でしたが今回より、お題と書いて欲しいジャンル指定も可とします!

そのほか、使って欲しいネタや今まで書いてきた作品の今後の展開へのリクエストも受け付けます!


では、三題噺では昼夜問わずお題を募集しております。

気軽に参加していただけるようこちらも努力いたしますので、

今後ともよろしくお願いします!


追記

警部から警部補に変更しました

警察の役職調べたらあれ?ってなったんで

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