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お題 嵐 手錠 花火

更新遅れました!

いやグリニッジ標準時ならまだ大丈夫!

…………すみません冗談ですごめんなさい。

 

「お疲れ様です」


 部活の練習が終わり、一番に帰ろうとする。


「そうはさせるか!」

「え⁉なに?」


 突然、蜜柑を筆頭とする部員に取り囲まれ……あっという間に椅子に縛られてしまった。

 どっから出したのか手錠もつけられている。


「さあショータイムだ」

「待て蜜柑。何をする気だ。何で私拘束されてんの?」


 とりあえず主犯でありそうな蜜柑に問い詰める。


「ふふふそれはだな……あ、苺ちゃん手錠追加で」

「はーい」


 苺ちゃんが取り出した手錠で更に拘束が強化される。

 この拘束、苺ちゃんの仕業か!


「ちょちょっと待て。山梨先輩とかも見てないで助けてくださいよ!」


 奥の方にいる3年生に救いを求める。


「ん?ああ林檎か……なんか面白そうなのやってんじゃん」

「助けてください。夏目、私達も混ぜろ」

「OKですよー」


 3年生も敵に回りました。


「それで?なんで林檎ちゃんが拘束されてるんです?」

「それはですね……


 林檎が日曜日あの達也先輩と花火大会デートをする!


 って知ったからです」

「何それ詳しく」


 何故それを知っているんだ⁉

 誰にも話すつもりもなかったことなのに!

 先週嵐の影響で延期された花火大会を一緒に見に行く約束をしていたのだ。


「苺ちゃんがですね、林檎のスマホのメッセージアプリをハッキングしたらしくて……」


 一同が苺ちゃんに注目する。

 彼女は微笑んでパソコンを取り出すとカタカタと操作するとこちらに見せてくる。

 私と達也先輩とのメッセージのやり取り画面が写っている。

 手錠といいハッキングといい……苺ちゃん何者?


「わー青春だね〜」

「いいですね〜こういうの」

「わ⁉見るな見るなー⁉」


 やばいやばい恥ずかしい!恥ずかしくて死ぬ!恥ずか死ぬ!


「そんなわけでこうやってデートで達也先輩を落とす知識を林檎に植え付けようと思いまして」

「あーわかった気がするわー」

「林檎ちゃんピュアだからねー」

「まだ子供だからねー」

「チビじゃないもん!」

「最近じゃ多分私のほうが背高いですよ?」


 そういつの間にか小柄な苺ちゃんにも背を抜かれそうになっている……というか抜かれてしまったのだ。

 部活では一番背が低い。


「はい。じゃあなにかテクニックある人!」


 蜜柑がテレビ番組のように司会をする。


「はいはじめに私が」

「はいキャプテン!」


 この中で一番大人っぽさのある白桃先輩なら……ちょっと期待。


「色仕掛け」


「期待を真っ先に裏切って来た―――!」

「あ、ごめんなさい。林檎ちゃんには…………無理みたいね」


 私の全身を眺めた後に言われるとショックがでかい。

 私だってまだまだ成長期だもん!


「次!もっと簡単で林檎にもできそうなの!」

「おい、蜜柑しばくぞ?」

「だから私にだけキツくない?」


 恒例行事恒例行事。


「次は私だな」

「桜葉先輩……不安」

「不安とはなんだ不安とは」

「えーだって……」

「胸キュンの最上級見してあげるからさ。彼女役夏目手伝え」

「え?それ彼氏がやるやつじゃ……」


 主演 桜葉奈々 夏目蜜柑

『胸キュン花火大会デート 最上級編』


 茶番が始まった。


「桜葉先輩!待たせてしまってすみません……」

「夏目、気にするな。俺も今来たところだ」(無駄にイケボ)

「先輩……」

「夏目。今日は浴衣なんだな。似合ってる。かわいい」

「はうぁ……」


 蜜柑の顔が真っ赤になる(演技)。

 そんな蜜柑の頭に桜葉先輩が軽く頭を撫でる。

 わ……あれは達也先輩にしてほしいかも。


「わあ綺麗ですね。花火」

「ああ」

「先輩と来ることができてよかったです」

「俺もだよ。夏目」


 桜葉先輩が蜜柑を抱きしめる。


「夏目。好きだよ、愛してる」


 抱き合う2人の背後に特大の花火が上がる……fin


 なにこれ。

 ちょっと感動しちゃった。


「あうあう」

「どうだった?夏目」

「あ……ドキドキが止まらないです……いやもう本気で。え?なにこれ止まんない!わ、ぐ、が!」


 蜜柑が床に崩れ落ち痙攣する。


「これが胸キュンの最上級。その名も心筋梗塞!」

「蜜柑⁉」


 未だに蜜柑は痙攣したままだ。


「苺ちゃんはAED取ってきて!キャプテンは保険の倉城先生を呼んでください!山梨先輩と桜葉先輩は心臓マッサージで蘇生を試して見てください!」


『禁断の果実』と呼ばれたフィールドの指揮者の力を発揮して蜜柑を救う。


「死ぬかと……思った」

「実際心臓止まってたからね?」

「あんなのやられたら悶え死ぬ」

「もう一度言うけど心臓止まってたからね?正直死んでたよ?」

「今日はこれ以上やったら危険だから解散!」


 蜜柑が解散宣言をし次々と部室から人がいなくなる。

 私は手錠をかけられたままだ。


「え、ちょっと開放してよ!」

「あ、手錠の鍵ここ置いときますね」


 苺ちゃんは机の上に鍵を置くと帰ってしまった。

 今の体勢だと机まで手は届かない。

 部室に1人残される。


「え?冗談だよね……」


 ◇◇◇◇


 放置されてから一時間たった。


「お腹すいた……」


 部活が終わってから何も口に入れてないからお腹が空いてきた。


「誰かこないかな……」


 部室の扉は閉められたままだ。


「林檎ちゃん待った?」


 突然扉が開いて達也先輩が入ってきた。

 ……これはあれだ。空腹で幻覚が見えてるんだ。


「幻覚じゃないよ」

「何で達也先輩がここに?」

「何でって林檎ちゃんが呼んだんでしょ?」

「え?」


 椅子の隣にパソコンが置いてあり画面には私と達也先輩とのメッセージのやり取りの画面が写っている。


『サッカー部の部室で待っているので迎えに来てください』


 こんなの送った覚えはない。

 ハッキング?


「そういえば何で拘束されてんの?」

「あ、いや……うちの部員共の悪ふざけです」

「そっか」


 達也先輩の顔が近い。

 身動きが出来ないから同仕様もない。


「達也先輩?」

「…………」


 桜葉先輩と蜜柑の劇のキスシーンを思い出す構図。


 ………………


 家に帰った私はベッドにダイブ。

 こんなに真っ赤になった顔は誰にも見せられない。


今回のお題は

「嵐」「手錠」「花火」

でした!

今回もお題メーカー


いやー青春だねー

こんな学園生活送ってみたかった。


今回は苺ちゃんの潜在能力が発揮されたかな?(←本題はそれじゃない)


三題噺は感想欄にて四六時中でお題募集中です。

次回の三題噺もよろしくお願いします!

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