お題 狼 記念日 日記帳
台風が来そうですね。
もうそんな時期かぁ……
8月10日 快晴 気温 27℃ 湿度 47%
家に帰ると何故か狼がいた。
なんか狼がいた。
え、何怖い(棒読み)。
狼は微動だにせず座っている。
こういうときはググる。便利な時代だ。
「家 帰ってきたら 狼」
もちろんヒットするわけない。
仕方ないので写真を撮って検索にかける。
シベリアン・ハスキーだった。
首輪をしてないところをみると野生?捨て犬?
どっちでもいいや。
「お前は今日からニホンオオカミって名前にしよう」
シベリアン・ハスキー(種類名)のニホンオオカミ(名前)。
ひねくれ方は今日も健在。
面白いことを思いついたのでメールで亜希子を呼ぶことにする。
「今から私の家に来い。10分以内に来ないと大学の亜希子の成績をネットに晒す」
スマホ中毒者の亜希子ならすぐに既読がついてアクションを起こすだろう。
電話がかかってくる前にスマホの電源を落としておく。
ニホンオオカミくんにビーフジャーキーを与えながら亜希子を待つ。
ニホンオオカミくんは従順でどっかの誰かさんと違って利口だ。
「美咲!やめなさい!私の成績なんてどうやって手に入れたのよ⁉」
亜希子がやってきた。9分27秒。チッつまらん。
「そんなことより隣の家のドアがダンボール装甲になってたけど何があったの?」
「ん?ああ、なんか嵐が来てドアと窓ガラスが犠牲になったんだって」
その日は亜希子と海に行ってたときだから詳しくは知らない。
「で?なんで呼び出したのよ?」
「おいでニホンオオカミくん」
私が呼ぶとやってくるニホンオオカミくん。
適当につけた名前なんだがもう既に自分の名前として適応しているようだ。
「え?狼?なんてもん飼い始めたのよ……ってシベリアン・ハスキーじゃん」
なんか一発で見抜かれた。
無駄な知識だけはあるようだ。
「ニホンオオカミなんていうからびっくりしたじゃない」
「ニホンオオカミはこの子の名前だ」
「またややこしいことを…………」
ひねくれは私の専売特許……
「姉さん遊びに来たよ」
「後輩くんのお姉さんお久しぶりです」
そうでもなかった。
妹とその先輩の確か……三柳七瀬だ。
「七瀬先輩今日補講ないんですか?成績やばいんでしょ?」
「ぎくっ……きょ今日は補講はないんだよね〜」
「あ、もしもし?倉城先生はいらっしゃいますか?」
「待つんだ後輩くん⁉」
やっぱりうちの妹も面白いくらいにひねくれてる。
「二柳さん」
「三柳です」
「一柳さん」
「わざとやってますよね」
三柳七瀬。面白いキャラクターだ。
「勉強はちゃんとやったほうがいいよ。そこにいる亜希子みたいになるよ」
「なに吹き込んでるのよ⁉」
「そうなんですね……私頑張ります」
「その目は何よ⁉」
亜希子との相性もいい。
このまま亜希子をいじるか。
「ほらこんな成績になりたくないでしょ?」
「うわ……七瀬先輩よりもひどい」
「亜希子さん……私が言えたことじゃないですけど頑張ってください」
「もうあんたたち何なのよ⁉」
亜希子が拗ねて丸くなってしまった。
そこにニホンオオカミが近づいていく。
「ニホンオオカミくんは慰めてくれるの?ああ、いい子ね」
「美咲さんシベリアン・ハスキー飼ってたんですか?」
「姉さんこの人、犬を狼って言ってるけど頭大丈夫なのかな」
うちの妹が亜希子に辛辣すぎる。
亜希子がニホンオオカミを撫でようとに伸ばす。
「いだい⁉」
見事に噛まれた。
ニホンオオカミ追い打ちだった。
「もう何なのよ!」
「この犬何処で拾って来たの?」
「なんか家にいた」
「撫でてみてもいいですか?」
「噛まれないように注意してね」
「私の心配は⁉」
8月10日 快晴 気温 27℃ 湿度 47%
新家族加入日として新たな祝日にしよう。by妹
賛成。
新しい家族が加わりました。
これで亜希子へのからかい方も少しは変わっていくだろう。
追記
まずからかうのをやめなさい!by亜希子
今回のお題は
「狼」「記念日」「日記帳」
でした!
前回に引き続きお題メーカーを使用しております。
ぜひお題をください(切実)
届け!私の必死な思い!
新登場人物(?)
ニホンオオカミ シベリアン・ハスキー。狼っぽいので美咲がそう名付けた。
読者参加型なのでもっと積極的でいいですよ……。
次回の三題噺もお楽しみに