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施設を抜け出したあたしたちは、そのまま門に向かって走った。その後は横道から森に入ろうと思った。キャンプ場までは視界の開けた狭い一本道だ。見つかる恐れがある。
無我夢中で、あたしは走り続けた。
「秋葉っ!」
像の立ち並ぶ前の道で、名沙の足がブレーキをかけた。
「立ち止まっちゃダメっ! 早くしないとあいつらが追いかけて——」
あたしが手を引き、走らせようとするが、彼女は動かない。
「名沙?」
「……ごめんなさい。私、どうしても確かめたいの」
「確かめたいって、何を……あっ」
名沙の手があたしからすり抜ける。
そして、彼女は来た道を引き返しはじめた。




