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「正念場の少年」
僕の正念場には決まって少年が居た
出入り口の扉のすぐ近くに
気に入らない上司の真後ろに
大切な顧客の真ん前に
僕の横に
ずっと、少年が居た
それは若かりし頃の僕
小学四年生のままの僕
生意気で世間知らずな僕
正念場が 「せいねんば」とも読めたなら
今頃は 青年となってるのかね
ならねえわな そもそもの話
僕の正念場には決まって少年が居る
お前さんのすぐ側に
時間に間に合うかどうか焦ってる横に
トイレにこもってる時に
そう常に
ずっと、少年が居る
まだまだ若かりし頃の僕
小学四年生のままの僕
生意気で無礼者な僕
幻でも
もう1人の僕でもない
紛れもなく僕自身だった




