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39:交渉成立



 魔王は勇者にのみ聞こえるよう耳打ちする。


『ちょっとウィル、どういうつもり!?』

『それはこっちのセリフだ、カレン。なぜ邪魔をする? せっかくいいところだったのに……』

『どこが!?』


 勇者の予想外の回答に魔王は大きな衝撃を受ける。


『ゲイルさんには、私たちもお世話になったじゃない! 普通に助けてあげましょうよ!』

『助けてもらったといっても、一山いくらの情報をもらっただけだ。命を救うことと等価にはなりえないぞ?』

『むー、でも最初にたくさんの人に囲まれたのを助けてくれたのもゲイルさんだし、それに――』


 魔王の熱意に押された勇者は、ついに折れる。


『――はぁ……わかったよ。それじゃ何か適当な報酬を要求してくれ。流石に無料(ただ)で受ける気にはなれないからな』

『! ありがとう、ウィル!!』


 魔王が第三皇女フラン・バルスの目をしっかりと見据える。


「ウィルが――彼ならばあの竜を追い払うことができます。……ですので、その報酬として馬を二頭いただけませんか?」


 魔王の提案を聞いたバルス憲兵団から、非難の声があがる。


『こんな下級の悪魔に何ができるっていうんだ!? 相手は竜だぞ!?』

『姫様、やはりこの者たちは捨ておきましょう!』

『あの化物をどっかやってくれんなら、二頭と言わずここの馬全部くれてやる!』


 フランは少し考え込み、答えを述べる。


「――私にも、やはりその男が竜を相手に何かできるとは到底思えない。だがもし……もしその話が本当なのだとしたら、ぜひともお願いしたい」


 フランは(わら)にもすがる思いで、魔王と勇者に頭を下げる。


『ひ、姫様!?』


 魔王が横目でチラリと勇者の顔色を窺う。

 ――正直、そんなに期待に満ちた目で見られても困る。


「……はぁ、仕方がない。それじゃちょっと行ってくる」


 勇者は方向転換し、竜の元へと走る。

 そしてものの数秒で、魔王たちからは勇者の姿が完全に見えなくなった。


『なぁあいつ……馬より早くね?』


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