表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/40

教えて!リトス先生!【依頼と迷宮編】

「さ、何か聞きたいことがあるなら答えるよ?まぁ、聞きたいことだらけだろうけどね…」


リトスは軽く笑いながらそう言った。


「…じゃあ俺のこの状況はなんだ…?」


俺はリトスとユウに連れられて彼女達の言う遠征基地とやらに来ていた。

遠征基地はスライム爆散地帯から少し歩いた所にあった。


なるほど、これだけ近いと確かに俺がスライムを引き連れてきた風にもとれるか。

リトスの言葉を思い出しそう思えた。


遠征基地と言うよりかはキャンプ場。

それが俺が思った第一印象だった。

大きく開いた空き地に沢山のテントが張ってあり中心地には木造の建築物がたっている。

俺達はその建築物に集まり長机に向かい合って座っている。


「なんだって…うーん…あなたは異世界から来たわけでしょ?…言ったら悪いんだけど…信用できないのよね。」


リトスの言葉を裏付ける様に俺は武装した奴らに周りを囲まれる形で座っていた。

リトスの言い分もわかる。

俺だっていきなり異世界から来たぜ!なんて奴がいたら警戒するもん…

だけど水を飲むのにも一々柄に手をかけ戦闘態勢に入ろうとされるのはとても心地よいもんじゃないんだよなぁ。


「…まぁいいか。次の質問だが、何?お前らは学生なの?」


そう、この室内にいる御影を除き全員が同じ服装をしている。

白のブレザーに金色の刺繍が入ったとても金持ちが通ってそうな学校の制服。


「学生…まぁそんなもんね。学生って言ってもあなたの世界で言う学校とかじゃなく、学園ギルドなんだけどね。」


「学園ギルド?」


「そ、まぁ普通の学園もあるのよ?」


「?何が違うんだ?」


「簡単に言うと仕事の差かしらね」


「仕事の差?」


「えぇ、学園には依頼クエストが来ることがあるの。学園ギルドと普通の学園の差はその依頼クエストの内容ね。」


「普通の学園だと入ってくる依頼クエストは採取系や街の人の手伝いとか、安全なものばかりね。逆に学園ギルドは討伐系がメインになるわ。」


なるほどな、現場仕事と事務仕事みたいなもんか。

そう考える御影にリトスは続ける。


「他には卒業後の進路かしらね。普通の学園は4年間の学業を終えて卒業、各自自分にあった仕事に就くなどになるわ。学園ギルドも4年間の学業を終えて卒業、ちゃんとしたギルドに入ることになるわ。」


「でも本人の希望があればそのまま学園に残り依頼クエストを受けることが可能なの。まぁ学生としては扱われないけどね。」


なるほどな…学園ギルドは就職安定だが命の危険あり。

普通の学園は職に就けるかはわからないが命の危険はない。

そこまで考えてある疑問が頭を過ぎる。


「そんな大勢で依頼クエストを回してたらすぐに無くなるんじゃないか?」


そう、大勢による依頼クエストの取り合い。

これが起きてしまえば直ぐに依頼クエストが無くなるのでは?と考えたのだ。


「そうね。だから原則依頼(クエスト)は学生優先になってるのよ。卒業生達はみんな迷宮ダンジョンに潜ることになるわ。」


迷宮ダンジョン依頼クエスト…いいねぇ!異世界っぽい響きだね!

若者達はみんなダンジョンに出会いを求めるんだろうな!

俺もミノタウロス何かに追いかけ回されて出会いに恵まれたいねぇ。

何てことを考えてると顔に出てしまっていたのかリトスが怪訝そうな顔をしている。

いかんいかん、変な奴だと思われてしまう…

シャキッとしなければ。


迷宮ダンジョンってのはどんなもんなんだ?」


「そうね…魔獣の巣って言った方がわかりやすいかしら?迷宮ダンジョンてのは魔獣の主な発生源だから。」


ふむ、主な発生源ね…てことは他にも魔獣を生み出すシステムがあるのだろうか?


「まぁ、迷宮ダンジョンって言ってもそんな迷路みたいなんじゃないけどね。大きい部屋に魔獣がウジャウジャいるの。そういう階がいくつかあるものを迷宮ダンジョンって呼んでるわ。」


「湧いた魔獣達は地上に出てくるの。そいつらの討伐に対してギルド等から依頼クエストが出されるのよ。」


なんだ…思ってたよりダンジョンダンジョンしてないのか。

だけどーー


「それだと無限に魔獣が湧いて地上が大変なことになるんじゃないか?」


「それはないわ。どういう理由かは知らないけど、迷宮ダンジョンの魔獣は一定数は湧かないみたいだから平気よ。」


「それに、弱い魔獣は強い魔獣に食べられちゃうみたいだしね。だから弱い魔獣は食べられないように地上に逃げる訳よ。」


迷惑な話よね、とリトスが頬を膨らました。

うわ…めっちゃ可愛いんですけど…

出会ってからのリトスの雰囲気は真面目そのものだった。

だからこそ今見せた子供の様な一面にはドキッとしてしまう。

モテるだろうなぁこいつ。


まぁ要は学園で鍛えられた奴等を迷宮ダンジョンに送り込んで強い魔獣を駆逐。

地上に逃げた弱い魔獣は学生を育てる為に利用する…と。


「それと、各迷宮(ダンジョン)の最下層には迷宮主ラストモンスターってのが居てね。迷宮主の討伐だけはギルドから特別に許可された学生しか参加できない程危険だと聞いてるわ…」


迷宮のラスボスね…

戦闘においてものを言うのは数だと俺は考えている。

数が大きい方が何かと有利になるし、安全マージンもしっかり取れる。

つまり、弱い学生でも回復魔法(あるかわからないけど)を前衛で戦ってる人達にかけるだけでも充分役に立つ。

なのにそれができないってことは余程の強さ何だろうな…


「お待たせしましたぁ!」


ユウがバケツ程の木製出できた容器を持って本部に入ってきた。


「はいどうぞ!龍ヶ崎さんも喉乾きましたよね?はい、リトスも!」


容器に入った水をコップに入れながら笑顔でユウが渡してくる。

そう、ユウは俺にこの世界の事を教えると言うリトスの案に賛成し話してばかりだと喉が乾くからと近くの川まで水を組みに行っていたのだ。


「…ここらで少し休憩しましょうか。」


リトスの言葉に俺も頷いた。

こんな感じでもう1、2話やります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ