革命の王
「戻ったわよー!」
俺がユウ達とのカードゲームでちょうど17連敗を決めたところでリトスとタクトがテントに入ってきた。
「おや?カードゲームやってたのかい?」
「おう、でも中々難しくてな…」
「今やってたのは…【革命の王】だね。」
今まで俺達がやってたゲームの名前は【革命の王】という、この世界のカードゲームだ。
1対1で2人で行うゲームで、ルールは、以下の通りだ。
・先手と後手を決め、先手は6枚、後手は5枚のカードを取る。
・この時、先手の手札は富民と平民が2枚ずつで貧民、王が1枚ずつ。
後手は富民と貧民が2枚ずつで王が1枚になるようにする。
勝敗の決め方。
・先手は後手に上がらせずに3ゲーム取れば勝ち。
・後手は先手に3ゲーム取られる前に1度でも上がれれば勝ち。
ゲームの進め方。
・まず、先手がカードを1枚伏せ、その後に後手もカードを1枚伏せる。
・互いに伏せ終わったら一斉にカードを捲り、勝敗を決める。
・勝負に勝ったカード又は引き分けたカードは手札に戻し、負けたカードは捨て札置き場に置く。
・これを5セットで1ゲームとする。
・後手は1ゲームが終わった時点で手札が5枚あれば上がりである。
カードの優劣
・富民は王に弱く、平民、貧民に強い。
・平民は王、富民に弱く、貧民に強い。
・貧民は平民、富民に弱く、王に強い。
と、このような感じだ。
中々難しい…ていうか結構運ゲー。
俺はどこぞの兄妹みたいにハイスペックな頭脳を持ってないので全く勝てない。
「ていうか…魔法を使ったり感知出来ない御影には勝機が元から薄いんじゃないかな?」
「え…?」
タクトが何か引っかかるようなことを言っている。
その後では、クレア達とリリアがギクッと肩を震わせていた。
「だって、伏せたカードを戦わせ合うんだから、透視とかできる方が有利だと思わないかい?」
なん…だと…!?
「魔法で透視なんて出来んのか!?」
「うん。まぁ、市販の服とかには透防止の加護とかがちゃんと付いてるけどね。」
この制服にもね、とタクトがブレザーの裾を引っ張る。
なんだ…じゃあ、下着とかの覗きは無理か……
「いやいや、そうじゃなくて!透視なんか出来たら一方的にケリがついちゃうんじゃないか?」
「そうだね、まぁそこはプレイヤー同士のモラルだとかが色々あるんだけど…普通に遊ぶ分には使わないのが常識だね。」
チラっとリリア達の方を見ると…
ユウ以外全員目を逸らしやがった!確信犯じゃねぇか!!
ぐぬぬ…と俺が何か言おうとしてると、
「まぁ、まぁ良いじゃないたかが暇つぶしなんだし!」
リトスが軽く笑みを浮かべながら言ってきた。
「…まぁ、楽しかったしいいか……」
「うっ…イカサマして悪かったよ……」
クレアが顔を逸らしたまま謝罪してきた。
リリアは…そっぽを向いたままだった。
……よし、こいつに異世界話をするのは少なくしよう。
「さて、仲直り出来たみたいだし?ご飯にしましょ!」
リトスがパンパンと手を鳴らし、その場を締めくくった。
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「ふぃー…ご馳走様。めっちゃ美味かった!」
皿をドン!とテーブルに置き、俺は言った。
「はい、お粗末様です。」
ユウがニッコリと嬉しそうに笑う。
今日の夕飯は日本で言うところの、ミートソースパスタ。
ただ、リトス達はミートソースから作ってるらしく、日本のインスタントに比べると味の深みが全く違う。
まぁ、異世界と日本の素材の差とかもあるだろうけど…それでもめちゃくちゃ美味かった。
その後、全員夕飯を食べ終わり、皿洗いや後片付けを終えるとリトスから集まるようにと部屋の中心にあるテーブルに招集がかかった。
「それじゃあ、さっきの会議で決まった事を話すわね。」
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