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寝坊少女&勇者もどきのリベンジ

文章下手なので悪い所はバンバン指摘してくれると嬉しいです。

「今日も昨日と同じく森で狩りをする。では各自自由にモンスターを狩ってくれ」


 今日は冒険者説明会の二日目だ。

 俺達の目標は、もちろんウルフラビットを討伐することだ。

 昨日あれだけ傷を負わされた俺は、今日までウルフラビットを俺とエンナで倒す方法を考えていた。これだ! という案は思い浮かばなかったが。


 「じゃあ今日も張り切って行くわよモトキ!」

 「いや、ちょっと待ってくれエンナ。今からあいつを倒す作戦を立てる」

  

 俺はエンナを引き止める。

 まったくコイツは昨日の失敗から何も学んでいないのか。ウルフラビットは何か作戦を考えなければ今の俺達では絶対に勝てない。


 「行ったところで昨日の過ちを繰り返すだけだ」

 「それはそうだけど……」

 「まあ聞け。奴を倒すには弱点を突くか、奴とのパワーバランスをひっくり返せるような力が無きゃ駄目だ。そこでエンナ。ちょっとステータスを見せてくれないか?」

 「別にいいけど……これでどうにかなるの?」

 「可能性があるなら全て試してみる」

 

 エンナが自分のステータス画面を開く。そこで俺はちょっとした衝撃を受けた。



 エンナ・ウェンデア 女 9歳

 メイン:練成師

 サブ:無し

 固定能力:無し



 「エンナ。お前、戦闘職じゃないのかよ……」

 「しょ、しょうがないでしょ。天職は変えることができないんだから!」

 

 ちなみに天職とは生まれもって授かったジョブのことを言うらしい。これはガルハールさんから聞いた。たとえば、俺の場合は変動者だ。


 「まったく……じゃあスキル見せてみろ」

 「はい」

 「う~ん、戦闘に使えそうなスキルは無い……か。そういえば、あの火の魔法はスキルじゃないのか?」

 「あれは魔法よ。スキルじゃないわ」


 スキルと魔法は違うらしい。

 それにしても、なぜ戦闘職でもないのに冒険者になろうとしたんだ。どんだけ冒険者好きなんだよ。


 「エンナ、あの火の魔法では倒せないのか?」

 「ああファイアね。あれは、まだ覚えたばっかだから速度が遅いのよ。それに射程範囲も短いから、詠唱したら絶対バレるわ」

 「そうかぁ……こうなると弱点を突くしかないか……」

 「弱点あるのかしら?」

 「探してみるしかないだろ」  

  

 ヤバイ、弱点が思い浮かばない。だが、一応勝てるかも知れない方法はある。

 

 簡単なことだ。

 俺とエンナの立ち位置を変えればいいのだ。エンナが囮になって俺が背後から斬りかかる。

 だが、それではリスクが大きすぎつる。もし失敗したらエンナがウルフラビットの餌食になる。


 「う~ん、どうすっかな」

 「二人じゃ、作戦を立てようにも、自由度が狭まっちゃうしね」


 どうすれば奴に勝つことができる? 弱点は? エンナでも深く斬り込める場所、どこだ……?


 ――――深く斬りこめる場所……遮る物がない……穴……?


 

 「そうか! エンナ、奴に――ウルフラビットに勝つ方法を見つけたぞ!!」

 「ホント!?」

 「ああ。いいか、今から作戦を説明するぞ」



 

   

 



 

 「本当にやるの? モトキ……?」

 「ああ、方法はそれしかない。諦めろ。」

 「……分かったわ」


 俺たちは今、森で一匹のウルフラビットを見張っている。攻撃の機をうかがっているのだ。作戦は伝えた。あとは作戦通りに動くだけだ。

 

 


 「…よし行くぞ」



 俺は物陰から飛び出し、勢いよくウルフラビットを斬りつける!

ウルフラビットの頬に傷が入る。そしてウルフラビットの背後からエンナが現れる。ここまでは昨日と同じだ。


 (いけ……!! エンナ!)


 エンナは俺に意識を集中しているウルフラビットの背後を取ると、二本のタガーを抜き去る!

 エンナはタガーをウルフラビットに突き刺すように構える。



 「ぶちかませ!! エンナ!!」

 「任せなさい!!」

 「ビルァァァッァァァ!」

 


 エンナはタガー二本ともウルフラビットにぶっ刺した……正確にはウルフラビットの尻の穴にぶっ刺した。ウルフラビットが悶絶する。


 「ォラァァァ!!」

 「ビルァァァァァァァァッァァ!!」

 (うわ……痛そう)


 エンナは尻の中にぶち込んだタガーをそれぞれ逆方向に薙ぐ。

 ウルフラビットの尻が横に割れる。それとともに、大量の血が噴出す。かなりグロい光景だ。 

 

 「はは、どうだ?」

 「たぶん、やった……と思う」

 


 しばらくするとウルフラビットは消えた。

 つまり俺達は勝ったのだ。奴が消えたのがその証拠だ。

  

 

 「よっしゃーーーー!!」

 「やったわね、モトキ! 私たち二人だけで勝ったのよ!」


 俺達は、興奮を抑えながらも周りを見渡して、敵がいないことを確認するとドロップアイテムを回収する。


 「牙か……アクセサリーにでもするかな」

 「あっ、それ私も考えてた。ちょっと、真似しないでよ」

 「なんでだよ。アイデアが被っただけだろ」


 そのまま俺とエンナはキャンプに一旦戻る。一回の戦闘だけだが緊張しすぎてヘトヘトだ。


 


 「おー帰ったか坊主。どうやら倒せたらしいな」

 「ああ、結構苦労しましたけどね」

 「それにしてもすげえよ。子供二人で倒すなんて見張っていた奴も驚いてたぞ」

 「まぁ…作戦勝ちってところですよ。さすがにケツの穴まで硬い奴はいませんからね」

 「ケツを横に真っ二つにしたんだってな。想像するだけで気持ち悪いな」

 


 ドーズさんと軽い雑談を終えると俺は横になる。エンナも俺の横で寝そべる。


 「大変だったなー」

 「まったくよ。あんなことは二度としないわよ」

 「はは、そりゃそうだ。俺もあんな光景は見たくない」

 「でも、私たち勝ったのよね……」

 「ああ。それはこの牙が証明している」

 

 俺達は、ウルフラビットの牙を掲げる。自然と口元が緩む。

 ベテラン冒険者にとってはこんなドロップアイテムは売り物でしかないかもしれない。だけど俺たちにとっては大切な意味をもっている。


 「今日はここまでとする。各自、荷物をまとめろ!」


 今日は、かなり進歩したと思っている。あくまで俺の主観だけど。


 

 ***

 

 町に着いてエンナと別れると俺は急いで家へ向かう。早く帰って大勝利の報告だ。


 

 「親父、ただいまー」

 「お、トモか。ん? 何かいいことでもあったか?」

 「おう。実はな……」

 

 俺は取ってきた戦利品を見せる。俺とエンナの二人が協力して得た初めての戦利品。


 「ウルフラビットに勝ったのか。よく子供二人で倒せたな……」

 「まぁな」

 「あ、トモくん帰ってきてたの」

 「ただいま、ライル姉さん」


 俺はライル姉さんにも今日あった出来事を話した。ライル姉さんは自分のことのように喜んでくれた。


  






 「で、トモは無事倒したのか」

 「結構苦戦しましたよ。倒した時なんか心臓がバクバクで……」

 

 カウンターでガルハールさんに今日のことを話す。ガルハールさんは俺が注いだ酒を飲みながら静かに聞いてくれていた。


 「で、他にはどこへ行くんじゃ? まだ講習とやらはあるんじゃろ?」

 「はい、明日と明後日はもう少し森の奥まで行くらしいです。あと最終日にはミルラの洞窟に行くとかなんとか」

 「ミルラの洞窟とな……」


 ガルハールさんは少し険しい顔になる。

 え? なんかそこまでヤバイの? 急にそんな険しい顔されるとちょっと怖くなるんだけど……。


 「ミルラの洞窟にはスケルトンがおる……」

 「スケルトンですか……?」

 「そうじゃ。奴らは森のモンスターと違って人型をしていて行動も人の動きじゃ。気をつけるんじゃぞ。トモとエンナだったかの? まぁ二人いればなんとかなるじゃろ」

 「そういうもんですかね……?」

 「ただあまり深くまで探索するのはやめといた方がいい。あんまり深くまで潜るとトロールがでるかもしれぬ。トロールは今のお前達では歯が立たぬ、絶対に戦うんじゃないぞ」


 分かったけど、なんか今のフラグぽかったぞ。大丈夫か最終日?

 

 「ワシから言えるのはこのくらいじゃ。あと、ミルラの洞窟は暗いから、非常用のランプも忘れずにな」

 「分かりました。アドバイスありがとうございます」

 「礼には及ばんさ」




 今日はよく寝れそうだ。

 昨日のように、どうやったら敵を倒せるかに頭を悩ませなくていい。明日への希望を膨らませるだけである。

 


 俺はエンナのことを思い浮かべる。アイツには色々と助けてもらった。

 エンナとだったら何でもできる――――そんな気がした。

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