第七話 - 無知は罪であるって言うよね? -
まずはステータスを確認する。かなり戦闘を行ってきたし、Lvもあがっているはずだ。
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『Winds』♂ Lv.6 称号『新参者』
【アクティブスキル】
『両手Lv4』『射撃Lv3』『炎魔Lv3』『氷魔Lv3』『雷魔Lv4』
『聖魔Lv3』『調薬Lv1』『合成Lv1』『空き』『空き』
【パッシブスキル】
『知力Lv2』『敏捷Lv1』
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それなりの時間をかけてここに潜っているのでレベルが3、上がっている。
そして、雷魔法が思いっきり成長している。想定外の魔法弾の強さに調子にのってライトニングブレットばっかり使ったことが原因だろう。
他には射撃が成長している。段ボールを被る伝説の傭兵気取りの行動をしていたからだろうか?それ以外思い当たることはない。
これは推測だが、パッシブスキルはアクティブスキルより中々成長しないのではないだろうか?
魔法をあんなに唱えたのに知力が2Lvなのだからそうとしか考えようがない。
「なるほど…なるほどっと。次はアイテムの確認かな。」
アイテムポーチを開き、中身をスクロールして確認する。
「壊れたショートソードに…。傷んだロングボウ…。使えないのばっかりだな…。」
売ってもお金になりそうにない物、バットアイテムはその場に破棄する。
20個あったアイテムのうち粗悪品はすべて捨てられ、残った装備の数は12個となっていた。
その内の5つが僕に関する装備、または使えそうな装備だ。ついでに鑑定も済ませてある。
【魔力のアッシュスタッフ】Mag 両手棍 Rank.6 魔法攻撃力増加
【器用さのキルトアーマー】Mag 胴体 中装 Rank.3 Dex増加
【H&K MP5K】 Tec 短機関銃 Rank.3 9mm弾15発装填
【器用さの護符】 Mag 護符 Rank.3 Dex増加
【ラピッドファイア】 Tec 特殊 Rank.3 銃に装着することで連射速度を上昇させる
どれも今装備している装備と比べて勝っている。
【器用さの護符】。持っておくだけでステータスにボーナスという非常に便利な効果を持っている。DexがランクBの僕にとってはかなり貴重なアイテムだ。効果は低そうだが、塵も集まれば山となるとのことでありがたく鞄の中に潜ませておこう。
【魔力のアッシュスタッフ】はすぐさま装備。魔法ダメージが追加されるという効果はなかなかうれしい。
【H&K MP5K】は素のステータスではDexが足りず、制限がつくと思ったが【器用さの護符】と【器用さのキルトアーマー】を装備することでDexが上方修正され、問題なく装備ができるようになった。
装填数は15発とやたらと少ないがが素の連射速度が早く、さらに『ラピッドファイア』を組み込むことによってボーナスを得ている。
瞬発火力には非常に期待できそうだ。1秒もかからず全弾撃ち尽くす異常な連射速度と装填数の少なさのせいですぐに弾切れしそうだけれど、その代わり威力が多少高く設定されてあるように感じる。
ちなみに【PMマカロフ】からサイレンサーを外して取り付けようかと思ったが、やめておいた。少しでも全長を短くして近接戦で戦い易くするためだ。
ちなみにサイレンサーを取り付けると射程が短くなって威力の距離減衰が大きくなるという細かい設定を発見した。まぁFPSでは恒例の設定だが…ここまでこのゲームが細かく設定しているとは思わなかった。
其れは兎に角。現在の装備はこんな感じだ。
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『Winds』♂ Lv.6 称号『新参者』
【武器】
『魔力のアッシュスタッフ』Mag 両手棍 Rank.6 魔法攻撃力増加
『H&K MP5K』 Tec 短機関銃 Rank.3 9mm弾15発装填 連射速度上昇
『魂のブロンズダガー』 Mag 短剣 Rank.3 マナ吸収
【防具】
『レザーキャップ』 Nom 頭部 中装 Rank.1
『器用さのキルトアーマー』Mag 胴体 中装 Rank.3 Dex増加
『レザーグローブ』 Nom 両手 中装 Rank.1
『レザースラックス』 Nom 両膝 中装 Rank.1
『レザーブーツ』 Nom 両脚 中装 Rank.1
【補助】
『無し』
【護符】
『器用さの護符』Mag 護符 Rank.3 Dex増加
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防御面には多少の不安があるものの、武器は一新されより自分自身の火力が高まったように感じる。
ちなみに小型ライフポーションは1ダースあったのが今では3ダース弱貯まっている。
これだけあれば多分回復面でも問題はないと思う。
【輝きのスタッフ】と【PMマカロフ】はアイテムポーチに収納。短い付き合いをありがとうございました。
そして【魔力のアッシュスタッフ】を背中に背負う。次に【H&K MP5K】を取り出し、コッキングレバーを十分に引いてから上に押し上げた。
そして【ファイアーブレット】でマガジンを作成する。作成された炎弾を装填した弾倉には赤い炎のシンボルが彫られている。
それを銃に装填する。しっかり奥まで入ったことを確認してからコッキングレバーを上からはたくようにおろす。
チャキっと金属質な音がなる。これで弾が装填された筈だ。セレクターをセーフティからフルオートに変え、壁に向かって少しだけ引き金を引く。
ブパパパパパパパパパッ!
「うわッ!」
…あまりの連射能力の高さに驚いた。エジェクションポートから多数の薬莢が排出されチィン…と高い金属音を鳴らしながら地面で跳ねる。しばらく転がった薬莢は炎となって消えた。
連射速度は半端じゃない。これは弾切れに要注意しなくてはいけなさそうだ。マガジンキャッチレバーを操作し、弾倉を外す。新たに魔法弾でマガジンを作りなおし銃に叩き込む。
使い方は理解したのでセレクターをセーフティに戻し、腰の右のほうにあるポーチに取り付ける。ちなみに腰の後ろには【魂のブロンズダガー】を佩いている。
FSOではその気になればいくつでも武器を装備することができるが、そんなことをしてもただ移動の邪魔になるだけだからね。
「準備はよし…と。さて、クエストをクリアするためにも行きますかね。」
そして僕はバーニングサークルの上に立った。メニューが自動で表示される。
どのバトルフィールドに参加しますか?
→聖堂のロザリオ奪還作戦
参加しない
準備は十分だろうか?いかにもボスっぽい敵に勝てるだろうか?そんな思いが湧く。
本当に聖堂のロザリオ奪還作戦のバトルフィールドに突入しますか?
→いいえ
はい
深呼吸する。そして、選択肢ではいを選ぶ。
『聖堂のロザリオ奪還作戦』でバトルフィールドに突入!
現在このエリアにいるパーティの内自分を含めた3人がこのバトルフィールドに入れます。
制限時間:30分
現在の『聖堂のロザリオ奪還作戦』ベストタイム:8分35秒
記録保持メンバー:Sakiほか3名
ふむふむ…3人で8分35秒か…。
…え?3人で8分35秒もかかったの!?しかもサキ!?
「ちょ…まッ…!」
これは一人じゃ無理だ。と気付きすぐさま突入をキャンセルしようとしたが時既に遅し。
魔法陣は紅い光を放ち、僕をワープさせていった…。
3人で8分もかかった相手に僕一人で勝てる気がしない…。どうやら僕はここまでのようだ…。