冬の森のひそひそ探検隊
冬の森はしんと静か。
虫も動物も植物も、みんな眠っているように見えます。
子どもたちは手袋をはめて外に出て、
「ほんとうに何もしてないのかな?」と耳を澄ませました。
すると――
「すやすや……」 木の洞で丸まって眠るヤマネが、夢を見て小さな声でつぶやいています。
「春になったら、花のみつをたくさん飲みたいな」
「くすくす……」 土の中では草の芽が、雪のふとんをかぶりながら話しています。
「春なったら顔を出す準備をしてるんだ」
「ぽこぽこ……」 石の下ではカエルが、静かに息をひそめています。
「春になったら歌の練習を始めるんだ」
「ふくらふくら……」 木の枝のつぼみが、寒さに耐えながら少しずつふくらんでいます。
「春風に会えるのが楽しみだな」
子どもたちは「冬の森の探検隊」になって、聞いた声をノートに書きとめました。
ページには「ヤマネは花の蜜の夢」「芽は顔を出す準備」「カエルは歌の練習」「つぼみは春風待ち」と、ひそひそ声がいっぱい。
「春になったら、このノートの答え合わせをしよう!」
探検隊は雪の上に足あとを残しながら、森のひそひそ声に耳を澄ませて歩いていきました。
みんなの春のしたくを知るたびに、子供たちの胸もわくわくふくらんでいきます。
冬の森は静かだけれど、未来を育てる音でいっぱい。
探検隊のノートは、春を待つひそひそ声でふくらんでいきました。
春の夢をぎゅうぎゅうに詰め込んだ宝箱のようです。




