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浜辺の粘菌 Slime on the beach  作者: 外山淑
第二部 邂逅
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Bamboo Rockets

 手持ちの硝石を全部使い切って、黒色火薬を作った。蓋付きの壺4個分の量だ。

 これをどうやって殺傷力の高い兵器にするか。

 まず問題なのは、どうやって起爆するかだ。ここには導火線もないし、勿論、雷管も存在しない。つまり、直接火を点けるしか方法がない。

 藁や紐を導火線代わりに使う場合、投げて使うことはできない。風圧で火が消えてしまう。

 地面に置いて着火した所に、爆発に間に合うように、敵をおびき寄せるなんてことは、まさに運を天に任せるしかない神頼みだ。


 そうだ!ロケット花火がある。火薬を固体燃料として飛ばせて、その先端に火薬を詰めた筒を弾頭として載せれば良い!

 確か、龍勢とかいう竹製のロケットの催しがあった。龍勢は、ロケットを空高く打ち上げる催しだったはずだ。

 ここでは、高く打ち上げる必要はないし、飛距離もそんなに長くなくて良い。ほぼ水平に近い角度で発射して、飛距離は100から200メートルもあればよい。

 まずは推進用のユニットを作ってみよう。太めの竹を切って竹筒にするが、両端に穴を開ける。一つは竹の内部を加工するための穴で、もう一つは噴射口のための穴だ。

 節に近い部分はどうしても歪んだ形になってしまうのでなるべく円形に近づけるように削る。歪んだままだと、火薬が燃焼する際の圧力が均等に分散されない。そのため、途中で割れて、空中分解してしまう。

 加工した竹筒に火薬を入れ、突き固めていく。穴の所まで火薬を詰め込んだ後、麻布を穴に詰め、粘土で蓋をする。

 この火薬が入った筒を3本作った。

 次に、噴射口の穴から、竹製の錐を刺し、奥まで差し込む。この錐で火薬の燃焼面を作るのだ。長さと太さを変えた錐を3本用意した。錐Aは太く短い、錐Bは細く長い、錐Cは太さも長さも他の2本の中間だ。

 火薬の燃焼の際の圧力で竹が割れてしまわないように、竹筒を麻縄で巻いていく。

 最後に、安定して飛行させるため、長さ3メートル程の細い竹竿の先端に推進用の竹筒を固定する。


 さて、飛行試験の日だ。いつものように、みんなで昼飯を兼ねて海に涼みに出かける。みんなハマグリの食事が済んだ後、試験開始だ。

 前回、火薬の爆発で開いた穴の側に、浜辺に平行に飛ぶように竹ロケットの向きを調整する。発射角度が30度位になるように竹竿を突き刺す。

 噴射口に藁を数本差し込み、燃えさしで火を点ける。みんなの所に全速力で走る。みんなの所に到着する前に、シューという鋭い音が聞こえた。

 振り返ると、竹ロケットが空を走っていた。かなりの勢いだ。結構飛ぶぞ!あ、落ちた!

 みんなが、立ち上がって、飛んでいったロケットの軌跡を見ている。今回も、みんな。口を開けて驚いている。

 前回の爆発実験の記憶が新しいから、たぶん、また爆発すると思っていたのだろう。エンマがまた質問したそうな顔で自分を見ている。質問は後だ。

 みんなと一緒に、発射場所に戻る。そこから落下場所までの距離を歩数で測る。みんなも付いてくる。236歩か。このロケットは錐Aを使ったやつだ。

 さて、次だ!発射場所に戻り、同じ手順で、後の2本の試験も行った。

 錐Bを使ったロケットは82歩だ。推力が小さすぎて、全ての火薬が燃焼し切る前に地面に墜落してしまった。

 錐Cを使ったやつは125歩か。案外飛ばないものだ。

 この推進用ロケットに、さらに、重い弾頭を載せるとなると、錐Aを使ったものしかないな。

 ロケットから麻縄と竹竿を回収する。再利用できるものは回収しないといけない。

 推進用の竹筒は中を海水で洗い、後で薪として使えるように流木の側に置いておいた。推進用の竹筒には内側からかなりの負荷がかかったはずだ。これを再利用すると事故が起こりかねないから、回収はしない。


 そういえば、今、服を身に着けているのは自分だけだ。千鳥ですら裸のままで平然と歩き回っている。順応するが早いな。


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