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浜辺の粘菌 Slime on the beach  作者: 外山淑
第二部 邂逅
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The Real Explosive

 一先ず、火薬は出来た。次は火薬の性能を確かめなければならない。

 出来上がった火薬を竹の筒に入れ、燕麦の藁で押さえる。藁の上から粘土で封をする。封をした粘土に穴を開け、その下の藁を数本引き出しておく。

 この筒を3本作った。

 丁度、昼を回った頃だ。燕麦の収穫の時のように、昼飯を兼ねて海に涼みに行く時間だ。みんな一緒に馬車に乗って海岸に向かう。

 浜辺に着くと、みんな、服を脱ぎ、ハマグリを採りに、海に入る。鷺姫は躊躇なく服を脱ぎ捨てる。

 鷺姫の隣では、千鳥が、周囲を気にしながら、おずおずと服を脱ぎ始めた。千鳥の足の骨は折れていなかったようで、もう添え木はしていない。多少、びっこは引いているが自分で支えなしで歩いている。

 千鳥の乳房はそれほど大きくないが、陰毛はかなり繁茂している。やはり、鷺姫よりは、4才か5才は上だろう。

 千鳥は鷺姫に手を引かれて海に入っていく。鷺姫がハマグリの採り方を教えている。

 みんな採ったハマグリを抱えて海から上がってくる。ハマグリを焼くために火を起こして、その回りをみんなで取り囲む。

 火薬の入った竹筒は、用心のため、かなり離れた砂丘の上に置いてある。

 みんな、それぞれが採ってきたハマグリを焼き始めた。

 インガ達は、2本の木の枝を箸として使って、ハマグリを食べている。自分がインガ達に箸の使い方を教えた。もうだいぶ慣れてきた。

 鷺姫と千鳥は、まだ箸を上手く使うことができない。朝夕の食事の粥を食べる時は、竹の匙を使っているので、箸を使うのはこのハマグリを焼くときが主だ。

 箸を使えないと焼いたハマグリを扱うことは難しい。鷺姫たちは、木の枝でハマグリを突き刺し、苦労しながらハマグリの身を熱い貝殻から外して、口に入れる。


 食事が住んだら、いよいよ火薬の試験だ。

 まず、自分は褌とブラジャーを身に着ける。本当は、海の潮と汗でベタベタになった体に天蚕糸布の褌やブラジャーを身に着けたくはない。

 インガとヒルダは新しく作った褌をまだ着ていない。自分と同じ理由からだ。

 だが、自分はこの後、全速力で走らなければいけない。全裸で走ると、陰茎と乳房の揺れが邪魔になる。褌やブラジャーで揺れを抑えなければならないのだ。

 次に、アーデルに馬をかなり遠く離れた場所に連れて行くように指示した。爆音で馬が吃驚して、暴れ出さないようにするためだ。

 浜から1キロ程離れた所に、クズの茂みがある。その辺りなら、爆音も大きくならないだろうし、馬の餌もある。アーデルは、その茂みに馬を繋ぎ、戻ってきた。

 焚き火の場所から100メートル程離れた砂丘に、火薬を入れた竹筒を1本、端の部分が1センチ程出るように埋める。

 焚き火の回りにいるみんなに、耳をふさいで、身をかがめるように動作で指示する。

 突き出た藁に、焚き火から持ってきた燃えさしで火を点ける。藁がゆっくり燃え始めた。

 藁が燃え始めたことを確認し、走って焚き火の所まで戻る。ブラジャーを身に着けていても、乳房の揺れは大きく、走りにくい。伏せているみんなを飛び越え、着地すると同時に身を伏せ、耳を押さえた。

 ドーンと、重い大きな音が地響きと共に襲ってきた。自分が走ってきた方角を振り返ると、黒っぽい煙が浮かんでいる。爆発の瞬間は見ていないが、自分の体を襲った衝撃からかなりの威力があったことは明らかだ。

 立ち上がって、走ってきた道を歩いて戻る。みんなも、口を開け、お互い驚きの言葉を繰り返しながら、自分に付いてくる。

 竹筒を埋めた場所には。直径1メートルを越える穴が開いていた。深さも50センチ以上あるか。火薬の威力は十分だ。あとは、この火薬をどのようにして扱いやすい兵器に出来るかだ。

 インガ達は、前回硝石の実験の経験があるので、ある程度どんなことが起こるかは分かっていたはずだ。予想外だったのは、その威力が桁外れに大きかった点だろう。

 だが、鷺姫達にとっては、全く新しい経験だ。何が起きたのか分かっていない。彼女たちの表情には恐怖が浮かんでいる。


 これで火薬の作り方に問題が無いことが確認できた。明日は、残った材料を全て火薬にしてしまおう。次は、兵器の開発だ。

 アーデルが馬達を連れてくるために、ヒルダと一緒に馬を繋いだ場所に向かった。二人共服を着ていない。どうせ、途中の小川で潮を洗い落とさなければならないのだ。一々着たり脱いだりは面倒だ。特に、ヒルダは新しい褌を余り汚したくないみたいだから尚更だ。


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