Harvest of Oats
4月の末に蒔いた燕麦が順調に育ち、もう黄色に色づいている。そろそろ、収穫の時期だ。
全員で刈り取りの作業に当たれば早く収穫を終えることが出来るが、鎌が4本しか無い。
それに、鷺姫の追手の警戒もしなければならない。
そこで、全員を2グループに分け、燕麦の刈り取りと警戒を交代で行うことにする。
最初に刈り取りを行うグループは、自分、インガ、グエン、そして、鷺姫だ。
元はお姫様でもここでは、平等に作業を分担してもらう。勿論、戦闘の場合もだ。
そして、最初の警戒を担当するグループは、ヒルダ、エンマ、アーデル、そして、ヘルガだ。
警戒するメンバーは、単に回りを見張るだけではない。緊急に退避しなければならない事態に備えて、馬車に馬を繋ぎ、食糧や武器などを積んでおく。
馬車の荷台には、千鳥とハーゲンを乗せ、御者席にはアーデルが座って、いつでも移動できるようにしておく。千鳥には、刈り取りや警戒に加われないので、ハーゲンの子守をしてもらう。
もう7月の半ばを過ぎている。日中気温が高くなるので、夜が明けると直ぐに朝飯を食べ、作業に取り掛かる。
鷺姫を燕麦の畑に連れていき、鎌を手渡したら、自分が刈り取りの仕事を任されたことを直ぐに理解した。
4人で刈り取りの作業に取り掛かる。中腰の姿勢を長い時間維持することは苦しい。かなり、きつい作業だ。
刈り取りの最中、レムがネズミか何かを追って鷺姫の側を駆けていった。鷺姫が悲鳴を上げる。ああ、ロムとレムの事を鷺姫達に教えていなかったな。
ロムとレムを呼ぶ。2匹とも直ぐに駆け寄ってきた。インガとグエンも集まって、みんなでロムとレムを撫でて見せる。
鷺姫はロムとレムが自分達に飼われている狐だと理解したようだ。こわごわとロムに触ってみる。ロムが鷺姫の手を嗅いで舐めた。鷺姫は驚いて手を引っ込めた。
再び、おずおずとロムに手を伸ばす。ロムの背中を撫でると、ロムは気持ち良さそうに、キューンと鳴き、背中を鷺姫の手に擦り付ける。
鷺姫は、微笑みながら、レムの背中も撫で始めた。鷺姫とロム達の交流が暫く続いた。
そろそろ作業再開の時間だ。ロムとレムを呼び、畑を指差し、ネズミ取り再開を告げる。ロム達は、燕麦の畑の中に飛び込んでいった。
再び、きつい中腰での作業が続く。そろそろ昼が近い。だいぶ気温が上がってきて、暑い。休憩の時間だ。
昼飯を兼ねて、海に涼みに行こう。警戒グループを呼び寄せ、みんなで馬車に乗り込み、海に向かう。
浜辺に着くと、いつものように、みんな服を脱ぎ、ハマグリを採りに海に入る。鷺姫と千鳥は、口を開けて自分達を見ている。
自分とインガ、そして、グエンは、刈り取りの作業でだいぶ汗をかいた。海の水が冷たくて気持ちいい。ハマグリを採りながら暫く水に浸かっている。
ヘルガとグエンは、ハマグリはそっちのけで、水を掛け合っている。終いには、泳ぎを始めた。
鷺姫と千鳥は自分達の様子を、文字通り、目を丸くして見つめている。
おや、鷺姫が千鳥に何か言って立ち上がった。千鳥が驚いた様子で鷺姫を引き留めようとしている。
鷺姫は、海にいる自分達に近づきながら、貫頭衣の裾に手を掛けて持ち上げ、一気に脱ぎ捨てた。勿論、その下には何も着ていない。股間には黒い陰毛が見え、胸では小さな乳房が揺れている。
鷺姫は、恐る恐る海に入る。ただ、それからどうしたら良いかわからない様子だ。
自分は、グエンを呼んで、
"Gwen! Show her how to pick clams!" 鷺姫にハマグリの採り方を教えろ!と叫んだ。
グエンは鷺姫の手を取り、少し深いところに導く。足を使ってハマグリを探し、潜ってハマグリを掴む動作を繰り返しやってみせた。鷺姫は、目をつむりながら顔を水に浸け、グエンの動作を真似る。
暫く水の中にいて、体が冷えてきた。そろそろ、食事の時間だ。みんなに水から上がるように促した後、採ったハマグリを調理するために火を起こす。
海から上がって暫くの間は、体が濡れたままなので、誰も服を着ない。着ているのは、海に入っていない千鳥だけだ。ハーゲンも波打ち際でヘルガ達と遊んでいたので裸のままだ。
千鳥は勿論だが、鷺姫も目の遣り場に困っているようだ。だが、これが自分達の流儀なので、慣れてもらわないといけない。
みんな、裸のまま、ハマグリを焼いて食べる。採ってきたハマグリを食べ終わる頃になり、体も乾いたので、みんな服を身に着ける。
馬車に乗り、畑に戻る。作業に入る前に、みんな、体に付いた塩を落とすため、再び服を脱ぎ、小川に入る。水から上がって暫くして体が乾いてから、再び服を着る。鷺姫は服を脱ぐことにあまり抵抗を感じなくなったようだ。
午後からの作業は、刈り取りグループと警戒グループが入れ替わる。
1日めの刈り取り作業が終わった頃には、夕暮れが迫っていた。
燕麦の刈り取りには丸3日掛かった。これまでのところ怪しい様子は無い。




