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浜辺の粘菌 Slime on the beach  作者: 外山淑
第二部 邂逅
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Another Cave!

 火薬作りの場所の決定は難しい。

 まず、火薬が危険物であることから、現在の本拠地からなるべく離れた所に設置することが望ましい。かといって、離れすぎても不便だ。徒歩で1時間位の距離までが妥当なところだろう。

 そして、最も重要なことだが、フレイヤが知らない場所でなければならない。フレイヤは、いずれ、復讐の念に燃えて、この場所に侵入者を連れてくるはずだ。

 火薬はその侵入者に対する最も強力な武器になる。だから、火薬の保管場所はフレイヤの知らない場所でなければならないのだ。

 火薬作りの場所探しとインガの弓の訓練を兼ねて、鹿狩りに出かける。狩りのメンバーは、自分、インガ、そして、エンマだ。

 アーデルとグエンはまだ出血があり、山の中で血の匂いを振りまくわけにはいかない。狩りにハーゲンは連れていけないので、ヘルガの参加もない。残ったメンバーの指揮監督にヒルダを当てた。

 朝早く、家を出発する。自分は、褌とブラジャーを身に着けた上に、鹿革の胸当てを着けている。インガは、麻布をスカートみたいに腰に巻き付け、新しくインガ用に作った鹿革の胸当てを着けている。

 まだ、褌やブラジャーを作るための天蚕糸布は織り上がっていないので、裸の乳房の上に直に胸当てを着けている。インガの胸は自分の乳房よりまだだいぶ小さいので、ある程度強く締め付ければ、乳房が擦れることは無いようだ。

 エンマは、インガと同様に麻布を腰に撒いているが、乳房は剥き出しだ。貫頭衣を着ると、発達途中の乳房に擦れて不快なので、ここ暫く貫頭衣は着ていない。

 今日は、確か、7月21日に当たるはずで、日中の気温はかなり高くなるはずだ。自分達のような服装で全く問題ないだろう。ただ、早朝の山の中はまだ肌寒い。今、自分達の肌は鳥肌になっている。


 一先ず、温泉の場所に向かい、その周辺で適当な場所がないか探してみる。温泉の場所から、斜面を上に登る。かなりの急な傾斜だ。この斜面では、火薬のような危険物を持って行き来することは無謀だな。

 尾根に辿り着いた。尾根の向こう側、一転して傾斜が緩やかになっている。

 辺りを確認しながら慎重に下っていく。急に視界が開ける。自分達は低い崖の上に立っていた。

 崖に沿って東の方向に進む。何とか下に下りることが出来そうな場所を見つけた。ただし、かなり急な傾斜で、足元が悪い。木の枝や蔓を掴みながら慎重に降りる。

 崖の下は、大きな石がいくつも転がっていてあまり草木が生えていない。

 崖には洞穴があった。川上の洞窟に比べれば小さい。しかし、自分達が立ったままで入れる位の高さはある。2メートル位かな。幅も同じく2メートル程だ。

 洞穴の奥は、暗くてよくわからないが、割りと深そうだ。穴の前に転がっている拳大の石を掴み、洞窟内に放り込んで見る。乾いた音が響くが、それ以外の物音は聞こえてこない。大きな獣が中にいる様子は無い。

 近くに落ちている枯れ枝を使い、松明にする。枯れ枝の先端に枯れ草を巻きつけて縛る。ファイアピストンを使って火を起こし、枯れ枝に着火する。即席の松明で、松ではないから明るくがないだろうが、当座の用には足りるだろう。

 自分が松明を持ち、インガが弓を構えながら後に続く。エンマも弩を構えながら付いてくる。洞窟の床は、水が流れ込んだためだろうか、土が溜まって平らになっている。しかし、床の土は乾いている。

 穴の中を進んでいく。行き止まりだ。奥行きは15メートル程あるだろうか。大きな動物がねぐらにしている様子もない。コウモリがいる様子もない。

 火薬づくりの場所としては理想的だ。

 これで、近くに沢があれば飲水も確保できる。万が一、襲撃などがあって、山の家にいられなくなった場合、ここに一時的に隠れることも出来る。第二の拠点としても使えそうだ。

 他にめぼしい場所がなければ、ここに決まりだな。

 回りの状況を確認しつつ、家の方に帰る道筋を決めながら下っていく。

 突然、進行方向の右手の藪がガサゴソと音を立てて揺れた。


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