Hilda's Desire
山の入り口に戻ると、アーデルにブラウンと馬車を預ける。鷺姫にはインガと一緒になって、花組と浜組の当面の処遇に付いて考えるよう指示した。
山の家には新しく8人を入れる余裕はない。竹を使って新しく小屋を作るしかないが、大怪我の負傷者が3名もいる現状では、直ぐに小屋を作れそうもない。
寝具となる毛皮も二三人であれば余裕はあるが、8人分は無い。当分は麻布や藁を使って野宿してもらうしかない。
自分は、昨晩の焚き火の跡の横に寝ている負傷者達の様子を見に行く。三人は、グエンに付き添われて、毛皮に包まり、横になっている。三人共顔を顰めている。やはり、傷が痛むのだろう。
エンマの脚の切断した所は包帯が血で赤黒くはなっているが、出血自体は止まっているようだ。ナノマシンはやはり有能だ。
千鳥の包帯で覆われた左腕も、エンマと同様に、赤黒いが新たな出血は見えない。
ヒルダは、グエンの反対側に寝ている。脚の包帯は血が滲んで入るが、他の二人よりは赤黒い染みは小さい。だが、脚は明らかに腫れ上がっている。
グエンはエンマを左側に、千鳥を右側にして、二人の間に座っている。自分は、グエンを立たせ、グエンの座っていた場所に座る。
自分は、まずエンマの頭を抱き、エンマに左の乳房を含ませる。エンマは、自分の乳房に吸い付き、勢いよく乳を飲みだす。
千鳥を手招きして、右の乳房を示す。千鳥は、遠慮がちに近づき、右の乳房に頭を寄せ、遠慮がちに乳を飲み始める。
乳房が徐々に軽くなって行くのが分かる。少し離れたところにいる花組と浜組の連中が目を丸くしてこっちを見ている。昨晩と今朝もこの光景は目にしているはずだが、まだ珍しいのか。
焚き火跡の向かい側に横になっているヒルダは、ずっと自分を見つめている。何か思い詰めた表情を浮かべている。
左の乳房を吸っていたエンマの唇が離れた。自分が、左の乳房を見ると、エンマがヒルダを見つめている。ヒルダもエンマの視線に気がついたようだ。二人は暫くの間見つめ合っていた。
やがて、エンマがヒルダを見つめながら頷く。すると、ヒルダがエンマに頷き返す。ヒルダの隣に場所を移していたグエンも二人を見て、頷いている。
気がつくと、千鳥も乳を吸うのを止めていた。千鳥の視線は、自分、エンマ、ヒルダ、そしてグエンの間を行き来する。
ヒルダが自分に声を掛ける。"Juri. We need to talk. Alone!" ジュリ、話があるの、二人だけで!と。
自分は、エンマと千鳥の顔を見る。二人共頷いて、ヒルダと一緒に行くようにと、顔をヒルダの方に傾けながら、促す。二人の表情から苦痛の様子がいくらか消えているように見える。
自分はヒルダの所に行き、ヒルダに背中を見せる。ヒルダは自分の首に腕を掛ける。自分はヒルダを背負い、山の家に向かって歩きだす。
途中、インガと顔を合わせる。インガは自分とヒルダに黙って頷いた。
山を登っている最中、ヒルダは自分の背中に囁き続ける。"I love you, Juri. I love you. I want to have your baby." 好きよ、ジュリ、好きよ、あなたの子供が欲しい、と。
山の家に着いた。崖にはヘルガが見張りとして張り付いている。近くでは、ハーゲンがロムとレムと戯れている。
ヘルガが、自分とヒルダに気付く。ヘルガは黙って頷く。
自分は家に入り、ヒルダを寝床に横たえる。
"You may think I do this because I need my leg." あなたは私が脚が必要だからこうすると思うかもしれない、とヒルダが語り始める。
"Yes. I need my leg. But I also want you!" 確かに、私は脚が必要よ。でも、私はあなたも欲しいの!と続ける。
"I want to bear your baby!" 私はあなたの子供を産みたいの!ヒルダの目には涙が浮かんでいた。
自分はヒルダの頭を抱き、乳房を含ませながら、ヒルダの頭を撫でる。
"Drink my milk. And bear my baby." 自分の乳を飲み、そして、自分の子供を産んでくれ。




