表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浜辺の粘菌 Slime on the beach  作者: 外山淑
第二部 邂逅
131/138

Emma Was Down!

 矢を番え、最後尾にいる男を狙い、矢を放つ。矢は男の背中に刺さり、男は濡れた砂浜に倒れ込む。他の連中はそれに気づかず、舟を押し出し続ける。

 二の矢を番え、次の男を狙う。舟は、波に乗り、上下に動く。自分が狙った男が舟に乗り込もうとした時、矢が男も太腿を貫く。男が大きな叫び声を挙げた。他の奴らは既に舟に乗り込んでいたが、男の叫び声に振り返った。

 舟の連中は、自分が三の矢を番えているの見て、急いで櫂を取り出し、漕ぎ始めた。自分が三の矢を放つと、矢は舟の中に吸い込まれた。叫び声が聞こえた。致命傷ではないな。

 何とかして舟を止めなければ。エンマが自分の背中を叩く。エンマの右手には火の点いた小枝があった。火の準備ができたのだ。

 自分は、エンマが持ってきた竹ロケットを、距離を開けつつある舟に向けて狙いを定める。エンマが噴射口に着火する。竹ロケットは、シューという音と共に自分の手を離れる。舟の連中が頭を伏せる。竹ロケットは、男達の上を通ってそのまま飛んでいく。

 舟に乗っていた男達は、頭を挙げ、自分達を挑発するように、自分達に向かって大声を挙げ腕を振り回す。しかし、自分が、別の竹ロケットを取り上げると、慌てて櫂を取り、外海に向けて漕ぎ始めた。

 自分は、竹ロケットの角度を少し下げて持ちながら、エンマに合図する。再び、激しい音と共に竹ロケットが手から離れていく。舟の男達は再び頭を抱えて舟の中に伏せる。竹ロケットは、今度は、舟の手前で着水し、沈んでしまった。

 舟の男達は、今度は歓声をあげげること無く、再び櫂を取り、漕ぎ出す。自分は3発目の竹ロケットを持ち上げ、角度を調整し、エンマに合図する。竹ロケットは唸りを上げて飛び出し、逃げ出そうと速度を上げている舟の舷側にぶつかった。

 その瞬間、舟は爆発音をあげ、真っ二つに折れた。起爆した!舟に乗っていた全員死んだか?竹ロケットが当たった舷側の近くにいたものは、少なくとも、大きな怪我をしているはずだ。何人かは軽い怪我位で海に投げ出された可能性がある。

 そいつらが泳げたらここに上がってくるはずだ。海を監視し続ける必要がある。そろそろ日が暮れる。自分とエンマだけでは、海を監視し続けることは難しい。応援を呼ぶか。自分は、監視がいるはずの崖に向かって腕を振り上げ、何人か来るように合図する。

 崖から海に視線を戻そうとした時、縛られた者達が目に入った。彼らを開放してあげなければ。彼らはずっと手足を縛られたままだろう。エンマに向かい、縛られた者達を指差し、"Free them!" 彼らを開放しろ!と指示した。

 再び、視線を海に戻し、生き残った者がいないか注視する。今のところ、生き残っている者の気配は無い。舟を出して付近を調べるのが確実だが、舟を押し出す人数が足りない。

 エンマが縛られた者達の縄をナイフで切り離している。縄から開放された者は、舟に駆け寄り、舟の中から壺を取り出し、口を付けている。水か。水もろくに飲ませられていなかったのか。

 開放された者達が次々と壺に群がる。その様子を眺めていると、突然、悲鳴が聞こえた!エンマの悲鳴だ!

 振り向くと、倒れていた敵の中の一人がエンマの足に何かを刺していた。エンマが倒れた。自分は直ぐにエンマに駆け寄り、エンマを敵の男から引き離す。

 敵の男は自分を見てニヤリと笑いながら、手に持った武器を自分に示した。毒矢だ!自分が放った毒矢だ!

 自分は男の腕を蹴り飛ばし、男の喉を踏み潰す。ナイフで男の心臓を突き、止めを刺す。

 間抜け!何で倒れた敵の生死を確認しなかった!自分の迂闊さがエンマを殺すことになるぞ!

 自分は、回りに横たわっている敵をナイフで確実に殺していった。約半数は既に死んでいたが、まだ行きている者もいた。甘いぞ!その油断が身を滅ぼすぞ!

 回りの敵全員の死を確認し終えて、エンマの所に戻り、傷を見る。エンマは、脹脛を刺されていた。膝の下を麻紐で縛り止血する。傷口から血を吸い出し、吐き出し、海水で口を濯ぐ。

 その後、エンマの様子を見ていると、悲鳴が上がった。縄を解かれた者達が海岸を見て声をあげている。男が一人海から立ち上がったのだ。

 開放された者達はやはり全員女だったが、女達が、自分が弓を取ろうとする前に、手近にあった槍や棍棒を持って、男に群がっていった。疲れ切った男は女達に抵抗する術もなく、女達に一方的に打ちのめされていった。

 その時、川上の方から自分を呼ぶ声が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ