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浜辺の粘菌 Slime on the beach  作者: 外山淑
第二部 邂逅
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The Deadly Effect

 自分は、エンマから千鳥を引き離し、千鳥を張り飛ばした。インガに"Tie her up!"こいつを縛れ!と怒鳴った。

 千鳥は火薬の威力を目の当たりにしている。それを鷺姫がいる所に使われてはならないと考えたんだろう。その気持ちは分からないではない。

 しかし、自分達が負ければ、鷺姫は死んだも同然だ。そして、自分達にとっては、死より悲惨な未来しかなくなるのだ。たとえ鷺姫を殺すことになるとしても、自分達を守らなければならないのだ。

 自分はエンマを手伝って、竹ロケットの発射の準備を行う。敵の集団までの距離は100メートルを切っている。射出角度はほぼ並行で良い。

 地面から1メートル程の所で竹ロケットを地面と平行に吊るし、射出口に火を近づける。火が勢いよく噴出する。竹ロケットはまっすぐ敵の大きな盾に向かって飛び出した。

 敵の大きな盾が割れた。爆発は起きない!不発か?だが、敵の2人か3人が倒れた!敵は驚いてその場に立ち止まった。しかし、盾の割れ目は直ぐに塞がれた。

 自分はエンマに次の竹ロケットの準備を命じた。竹ロケットを準備する前、インガとヒルダに、敵に散発的に矢を射掛けるように命じた。これで、敵の足を多少停めることが出来るだろう。

 再び、竹ロケットを水平に発射する。また、2人程倒れたようだ。やはり、爆発はしない。だが、敵の兵力は確実に削いでいる。最初の発射で最低でも2人、2度目の発射で2人、計4人は減ったはずだ。すると、残りは9人か。

 エンマに最後のロケットを用意させる。これで、更に2人倒せれば、残りは7人だ。数では対等になる。しかし、体力の差は明らかだ。頼む、爆発してくれ!

 最後のロケットを発射する。命中はしたが、やはり、爆発しなかった!でも、また、2人倒した。残りは7人だ。

 後は火矢しか術がない。しかし、火矢は、油とかアルコールなどの燃えやすい物がなければ役に立たない。だが、敵の回りに燃えやすいものはない!

 辺りを見回すと、エンマの側にある、残りの火薬を入れた壺が目に入った。それだ!火薬があった!

 自分は、麻紐で火薬の壺の蓋をしっかり固定する。

 アーデルを呼んで、"Use your sling! Throw this at the foes! Aim at the shields!" 投石紐を使って、これを敵に投げつけろ!盾を狙え!と、指示する。

 インガとヒルダに火矢の準備をさせる。数本の矢に火が点いた。自分は、火矢を弓に番える。インガとヒルダも自分に続いて火矢を番える。

 アーデルは壺を投石紐に挟み入れ、紐を回し始めた。何回か回した後、敵に向けて壺を投げた。壺は見事に敵の盾に命中し割れた。

 "Now! Fire!" 今だ!撃て!とインガとヒルダに叫びながら、自分も火矢を敵の盾に向けて放つ。インガとヒルダも火矢を射た。

 自分の矢が敵の盾に刺さると同時に、その周辺が火の海になった。火の点いた敵が慌てふためいている。

 敵の1人が火を消そうと地面に転がった。次の瞬間、ドーンと音が響き、黒い土と共にその敵の男が宙を飛んだ。やっと爆発した!

 敵陣にはまだ炎が見える。再び、ドーンという音が響き、また土が舞い、人が跳ねる。2個目の爆発だ。

 まだ火が残っている。不発弾はもう1個ある。火が治まるまで近寄ることはできない。

 暫くして、また、爆発音がした。敵陣には、もう立っているものは誰もいない。

 もう火薬の危険はない。後は敵を確実に殺すことだけだ。油断はするな!

 みんなに、弓や弩に矢を番えた状態で敵に近づき、少し離れた所から、敵の心臓の位置に矢を打ち込んで止めを刺すように指示する。絶対に近づかず、少し離れたところから撃つよう念を押す。

 1人づつ、矢を射て、死んでいることを確認する。何人かは息があったが、勿論、止めを刺した。中には手足の千切れている死体もあった。至近距離での爆発の威力は恐ろしい。

 今までの所、死体は11人分だ。残りは4人のはずだ。

 爆発の起きた場所の少し後方に2、3人の死体が折り重なっていた。自分は、1人の死体を足で蹴って裏返しにし、心臓の位置に矢を打ち込む。男は既に死んでいた。もう1人も同じ様に、心臓に矢を打ち込む。やはり反応はない。

 この2人の下に、血まみれの鷺姫がいた!


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