Sudden Attack!
弾頭は全部で3個作った。というか、3個しか作れなかった。
弾頭とロケットの組み合わせを3組作ったところで、火薬が足りなくなったのだ。壺の底に残った火薬を掻き集めても、中くらいの壺1個分しか無かった。
また、洞窟に硝石を採取しにいかなければならない。木炭と硫黄はまだ余裕がある。硝石だけが足りない。
弾頭を作り終えた次の日に弾頭付きのロケットの試験を行うことにした。
次の日の朝、昼過ぎに行う発射試験に向けて、弾頭付きの竹ロケットを3個組み立てた。
自分とエンマは、組み立ての作業を終え、火薬を扱う作業の緊張から開放されて、小屋の前で休憩を取っていた。
火薬を扱うので、自分達は衣服を身につけていない。回りのみんなは、自分達が小屋の中で作業する時は裸だということにもう慣れている。
突然、大きな声が聞こえた。
"Foes! Foes!" ヒルダの声だ!敵だと言ってる!
急いで、小屋の入り口に掛けてあった褌を取り、身に着ける。入り口の脇に立て掛けてあった弓と矢筒を取る。ブラジャーと胸当てを着けている時間はない。揺れる乳房を剥き出しにしたまま、急いで声のした方に駆け出す。
午前中の見張りは、ヒルダ、アーデル、グエン、そして、鷺姫だ。
山を駆け下りて、山の入り口に着いた。ヒルダが肩で息をしながら、
"They took Tsagi!" 鷺姫が捕まったと叫んだ。
"How many?" 敵は何人か?と尋ねる。
"Maybe, fifteen!" たぶん、15人!という答えが返ってきた。
自分達のほぼ倍の人数だ!予想より多い!
"From where?" どこから?と尋ねる。
"From the river!" 川から!
川から?これも予想外だ。山から来るものとばかり思っていた。
アーデルに馬を厩舎から連れてくるように言おうとしたら、ブラウンとグレイが既にアーデルの側に立っていた。緊急時の対応は既に理解し、実践している。素晴らしい!
山の入り口はこの前の侵入者に備えた時のままの状態を保っている。敵が川の方から来るという現在の状況は前回の場合と似ている。しかし、敵の数が倍であるだけでなく、敵は戦闘の訓練や経験を持っていると考えたほうが良い。
エンマに小屋からロケットと火薬の入った壺を持ってくるよう指示した。
扇状地の下の方にチラチラ人影が見える。やって来たな。みんなに前回と同じ体制を取るように指示した。
ああ、千鳥が状況が分からずオロオロしているな。今からこの体制に組み込むことは無理だ。自分の側に座っているように動作で指示した。千鳥は、鷺姫はどうしたのかと、身振りで聞いてくる。
仕方なく、自分は敵を指差す。千鳥は直ぐにその意味を理解した。飛び出そうとするところを引き倒し、その場に留まるように再度命じた。
そうこうしている間に、扇状地の下に現れる敵の数が増えてきた。弓を持っているのが3人、槍らしきものを持っているのが5人か。まず、弓を持っている奴を減らさなければ。
弓を持っている奴の所まで100メートル以上あるか。弓を持っている奴の胸の辺りを狙って矢を放つ。腹に当たった。100メートルより若干距離があったか。とりあえず、1人減ったと見なしてよいだろう。残り14人か。
敵は、1人遠矢で殺られたことに気づいて、身を隠し始めた。もう1人の弓を持っている奴は、右半身が隠れきっていない。左から回り込む軌道を持った矢を選んで、胸の高さを狙う。今回は、狙い通り右胸に命中した。2人目だ。残り13人。
敵の1人が後ろに向かって何か叫んでいる。2人の男が鷺姫を引きずって出てきた。5人の男が何かを抱えて声を出した男の元に集まる。男達は抱えてきたものを回りの男達に配り始めた。板だ!板を盾にするつもりだ。
敵は、盾にする板を抱えながら集まり始めた。集まった男達は、板を正面と側面に重ねて並べた。板を組み合わせて一つの大きな盾にしたのだ。その体勢で少しづつこっちに近づいて来る。その盾の隙間から、中に鷺姫も居ることが分かる。
このまま進ませてはまずい!そうだ、この場面こそ竹ロケットの出番だ!エンマに竹ロケットの準備を命じた。
エンマが竹ロケットを運んでくると、突然、千鳥がエンマに襲い掛かった!
とうとう100回目です!書き始めた時は、100回も書き続けることができるとは思っていませんでした。ここまで書き続けることが出来たのは、ひとえに読んでくださる皆様のおかげです。毎回、投稿して1時間もしない内に自分の書いたものを読んでくだる方がいるということが、書き続けなければという気持ちの原動力になっています。
この物語を読んでくださって本当にありがとうございます。
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