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第1話 とある冬の日

魔法はすべて。

選ばれし者への祝福。

選ばれし者は、高等教育を受け太陽王のためにその力を捧げる。



朝の凍てつく空気の中、俺は雪のように真っ白な女に出会った。

肌は真珠のように白く滑らかで、髪は白というより色がない。その大きな瞳だけがアクアマリンのように美しく輝いていた。

異様、だった。


この世界では自らの持つ魔力の影響で髪の色が決まる。一般に濃ければ濃いほど魔力が強い。

髪色によって得意な魔法の系統が分かったりするのだが、この世界の人間はおおよそ魔法が使えなくとも多少なりとも魔力を秘めている、だから白髪など存在しないと思っていた。

いや、これが街中であれば俺だって珍しいなと思うに留まっただろう。


「なんで……」


思わず声が出たのは、ここがライデン魔法魔術学校の入試会場であったから。

歴史に名を残す逸材を何人も輩出し、魔法職ナンバー1エリートである聖騎士を毎年輩出し続けている世界第2位の超名門校だ。

そして今日は春からの新入生をふるい分ける入試当日。

緊張のし過ぎで2時間も早く会場入りした俺は心を落ち着けようと校内の散策をしていた。


「君も受験生?」

「……あ、うん」


君も、ということはやはりこの女もライデンを受験する受験生という事だ。

おかしい。だってここは超名門の魔法学校だぞ?

魔法の使えない人間の来るところではない。

だが初対面でいきなりそんなことが言えるはずもなく俺は口を閉じた。

何となく気まずい空気が流れ、どうしようかと思っていた矢先、女の持っていた携帯が鳴った。

女はめんどくさそうに返事をすると、ほとんど会話もせずに電話を切る。


「ごめんね。私行かないと」

「あ、えっと……」


何か言おうと言葉を探すがこんな時に限って上手く見つからない。

俺はまた黙って下を向く。


「受かるといいね」


そっちこそ、口に出そうと上を向いたときには彼女はもういなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「え?何?今日見た夢の話?」

「違うって、見たんだよ。ここの入試当日に」

「そんなんあるわけないじゃん。第一……」


ここ男子校だよ?

アドラーの言う事は最もだ。そもそも入試会場でも見当たらなかった。あんなのが居れば当然目立つし分からないはずがない。

ではあれは幻覚だったのか。はたまたアドラーの言うようにいつか見た夢を勘違いしているのだろうか。


「でも、見たんだって……」

「はいはい、ホラもうすぐHR始まるから。今日から授業も始まるし気合い入れないと」


寮の振り分けと履修登録の期間が終わり、今日から授業が始まる。

そうだ、ようやく魔法の勉強が出来るんだ。気合いを入れないと。


「座れひよこ共!ピーピー喚くんじゃない!……はぁ、今日から授業が始まるわけだが……その前に一つ、言っておくことがある。入ってこい」


重厚な扉が開くと、そこには真っ黒な制服に身を包んだ長身の男と同じ配色の制服を纏った女が立っていた。……間違いないあの日会った女だ。


「……女だ」

「あんな黒い髪初めて見た」

「それよりあの白髪」

「魔法も使えない雑魚が来るとこじゃないんだけど?」

「デイヴィッドの女なんじゃね?顔はいいし」

「あり得る。ワンチャン学園長とも寝てるわアレ」


ザワザワと教室中が驚きと好奇の目を向けた。無理もない。片や魔法界で最も優れているとされる黒髪の男、片や見るからに魔法が使えない白髪、しかも女。正反対、しかしどちらも異端であることは間違いないだろう。その空気を2人は気にも留めず、教壇へと足を進めた。


「紹介しよう。レイとシャルだ。諸事情により入学が遅れたが今日からお前たちのクラスメイトになる。以上、各自授業に向かえ」


マーフィー先生の雑過ぎる説明にブーイングの嵐が巻き起こったが、当の本人は気にせず自分の授業の準備を始めた。


「フェイマス、こっちにこい」


投げつけられたガムやらゴミやらの流れ弾を食らわないうちに授業へ向かおうと思っていた矢先、先生に呼び止められた。もはや面白半分で投げているであろうゴミを頑張って避けながら教壇まで向かう。


「こいつら2人の案内を頼む」

「え?どうして俺なんですか?」

「強いて言うならお前が首席合格者だからだ。もう学園の地理は覚えただろう?後はそうだな、こいつらが履修している次の科目がお前と同じだ」

「え?古代呪文学を?」

「いいから早く行け」

「ちょ……!」


邪魔だと言わんばかりに魔法で教室の外へと追い出される。それは他の生徒も同じだったようで、こちらを見ながら各自自分の授業へと向かっていった。


「また会ったね」

「知り合いか?」

「うん。入試の日にね。中庭で会ったの」


女はあの時と同じ笑顔を浮かべていた。

やっぱりあの時のことは夢でも幻覚でも無かったんだ。


「私はシャーロットでこっちはレイモンド。よろしくね」


君の名前は?


「ルカ・フェイマス」



この日、俺の人生は大きく動き出した。


お読みいただきありがとうございます。

作者の星奈です。

新作いよいよスタートいたしました!今作はハイファンタジーで伏線などの考えておりますのでのんびりお楽しみいただければと思います。


評価やブクマがモチベです!執筆速度にも影響しますので少しでもがんばれと思ってくださればぜひぜひよろしくお願いします。レビュー、感想なども大変力になりますのでよろしければぜひ。

本日はあと2,3話投稿予定です!毎日投稿目指して鋭意執筆いたします!

どうぞこれから『ライラー超名門魔法学校に首席入学したら治安最低すぎて正直来るとこ間違えたー』をよろしくお願いいたします。

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