第8話:真夜中の訪問者
――辺りが暗くなってからだいぶ時間がたった。
出勤して、現場に到着したのが昼前。捜査員たちが現場を去ったのが三時すぎだったはずた。
その後も俺はずっと立っていた。
ホテルの従業員が差し入れを持ってきてくれた。
同じ消耗品《男》として、同情してくれたのだろう。
その時教えてくれたが、捜査員は全員ホテル本館からも引き揚げたようだ。
そろそろ俺も退散するか、そう考え始めた矢先、本館からこちらに向かってくる人影が見えた。
その人影は、昼間見張りを俺と交代した新人の捜査員だった。
見た目も、そして、実際もそうだろうが十六くらいの年齢の地味ではあるが美少女だ。
その歳で捜査員として現場に出てるのであれば、相当なエリートであろう。
しかし、こんな時間に現場に戻ってくるのか……、俺は少し警戒した。
「お疲れ様です!」
俺はあえて大きい声で挨拶をした。
声をかけられた方は、俺の大きい声に眉をひそめながらも、
「入るわよ」
と短く言った。
「朝まで誰も入れるなとオウ様に言われておりますが」
別にオウに、義理立てするつもりではないが、あとあとの弁明ができるよう俺は言った。
彼女は鋭く俺を睨みながら、「どけ」という言葉さえ俺にはもったいないとでも言うように問答無用で中へ入っていった。
また見張りの時間が増えてしまった。
とっとと帰った方がよかったのか、帰らなくてよかったのか今の俺には判断出来ないが、またしばらく見張りをすることが確定した。
しかし、こんな時間に現場に戻って来るなんて、どういうことだろうか。
外国人の死体……、そこに一緒にいたのは市ナンバーワンの妹……。
ただでさえきな臭いのに、さらに何故か新人がこんな時間に現場に来る。
どういうことだろうか。どう逆立ちしても回答の得られない疑問を俺は頭に並べていた。
そんな俺の目の前に突如、空から火球が降ってきた。
火球は、地面に激突して、一瞬辺りを明るくした。
そして、火球が落ち辺りに立っていたのは……、オウであった!
今日何度目かの突然の来訪。その中でも一番怒気に溢れている。
「中に誰も入れるなと言ったであろう!!」
怒りがこもったその一括ともにオウは、思力装纏した。
美しい炎の虎。目の前の美女と炎が魅せる非現実的な光景を前に俺は、ただ、ただ見とれていた。
一瞬後には俺は死ぬだろう。正確には死に等しい廃人になり自由意思を奪われるのであるが。
その死の恐怖を凌駕する目の前の美しさに俺は立ちすくんでいた。
「あら、オウ様、こんな時間にこんなところで何ようですか?」
瞬間コテージの入り口から女の声がした。
出てきたのは先ほど入っていった新人だ。
ここまで読んでくださった方ありがとうございます☆
ついに待望の二人目の美女です。
しかも、美少女!!
作者的には十代を美少女、二十代以上を美女としています。
そしてオウも再登場。
まずはこの二人の美女達の闘いをご期待ください。
なんか、美女、美女言ってる割にはS属性しか出てこんぞと思った方、ブックマークお願いいたします。
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