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第7話:ルーの思力

「・・・・」

 

 俺はただただ突っ立っていた。


 死体が搬出されて、捜査員が引き上げたあと、コテージ周辺は誰も来なく、静かなものだった。


 現場捜査がすぐ切り上げられたのは、オウの指示だったのだろう。

 

 しかし、中で何があったのか。なぜオウは、あのような思力を使ったのか……。


 俺は、オウの燃え盛る業火のような思力を思い出していた。

 

 (あんな、強大な思力様式スタイル初めて見た。)

 

 オウの思力は、コテージまるまる一棟を包む強大な思力だった。流石、書記長に次ぐ市のナンバーツーである実力者だ。

 

 (いや、俺が知らないだけで、支配者クラスの思力は皆あのレベルなのか)

 

 俺は警官という職業柄、現場で思力による闘いを目撃することもある。


 武装したマフィアを逮捕する時などだ。もちろん前線は女性で、男の俺は遠巻きに見るだけだが。


 それでも、思力様式スタイルを伴う闘いにはそうそうならない。基本は身体強化した者同士の闘いになる。


 思力様式スタイルを持てるのは極一握りの人間だけだ。

 

 だから、こんな間近で思力様式スタイルを見るのは初めてだった。

 

 (でも、幻影ビジョナルなのに本物の炎のようだったな……)

 

 思力の幻影ビジョナルが、あたかも本物の物理現象のように振る舞うなんて、今日始めて知った。

 

 俺はオウの思力に巻き込まれそうになった時にとっさに使った思力のことを考えた。

 

 あの時俺は上昇気流による空気の壁をイメージして思力を使った。

 

 そして、オウの思力である炎の幻影ビジョナルは、まるで本物の炎のように上昇気流によって天へと舞い上がった。


 俺は、自分が思力で、上昇気流を出せたことにも驚いていた。

 

 まず、炎を上昇気流で防ぐ。この発想は、ルーにはまったくないものだ。

 

 空気の壁で炎を防げるという物理現象をルーは知らなかった。

 それは、俺《克樹》の知識だ。つまり、日本での俺《克樹》の知識、経験が役にたったのだ。

 

 さらにルーなら思力で上昇気流を作ろうなんて思いもしなかったはずだ。

 

 男が使える思力なんて、ちょっとした身体強化が関の山だ。幻影ビジョナルを伴う思力なんて使えるわけないと思っていた。

 

 しかし、俺《克樹》は、この世界にある男の限界という先入観がない。だからなのか、とっさににもかかわらず思力が使えたのだ。

 

 男でも身体強化以上の思力が使える!

 

 この発見に、俺は胸が踊った。思力は、思いの力。そして、それは思いをイメージすることが重要だ。

 

 俺は今、この世界のルーとしては知り得なかった知識を持ってる。その知識をイメージとして思力に込めれば、やりようによっては、あのオウの思力でも防げるのだ。

 

 この世界で消耗品としてでなく生きるには思力の強さが必須だ。

 

 転生前の知識で思力を鍛える。まったく役に立たないなんてことはなかったのだ。

 

 転生前の俺は、大学時代物理学を専攻していた。

 物理学、例えば核融合や、反物質など、俺は数式レベルでイメージできる。

 

 流石に俺の思力でそのような現象を顕現できないし、それで他人を支配するなんてことはできないだろう。

 

 ただ、炎に対して空気の壁のように、反する現象をぶつけることでで相手の思力を上手く防げるかもしれない。

 

 俺はこのただただ暇な時間、転生前の知識をどう思力に応用するか考え続けた。

 

 

ここまで読んでくださった方ありがとうございます☆


ちょっと思力の解説回です。


やっぱり6話と7話足してちょうど良かったですね。


そして、この回も美女が出てこないだと。


次の回こそはと期待いただいた方、ブックマークよろしくお願いいたします。


また、ぜひ↓の★★★★★を押して応援してくれると嬉しいです!



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