準備
城に来て1ヶ月が過ぎた
城の生活にも少しずつ慣れてきたが、まだ他の兄妹には会えていない
今は俺を含めた7人で食事をしている
「ずっと気になってたんだけど、国王ってどんな人?」
国王にすら会えていない
「バルドか?あいつはすげぇ頼りになるやつだ」
「あいつは1人で何でも背負う悪い癖がある」
「うんうん」
「身体壊しそうで怖いわ」
ディック、レオン、セツ、サラの順で答えが返ってきた
バァーン
入り口の扉が大きな音を立てて開けられた
扉の方には男が立っていた
「みんな...そんな風に思ってくれてたんだね。俺感動しちゃった...」
「は⁉︎なんでお前がここにいんだよ!」
「ディッキー照れるなって〜俺のこと好きなくせに〜」
ローザに似て軽ノリの男
「は、はぁ?照れてねぇし!」
と言いつつ、ディックは頬を赤く染めていた
「バルド、もうちょっと静かに開けなよ〜ルイがびっくりしちゃってるじゃん!」
「バルド...⁉︎」
この男がオルレアンの国王のバルド⁉︎
「あ、ごめんごめん」
謝りながら俺に向かって歩いて来る
「今回は早かったのね。どうかしたの?」
サラが驚いた様子で尋ねた
「早くルイに会いたかったんだ」
と答え、俺の目の前でピタリと止まった
「やぁルイ、やっと会えたね。おかえり」
「ただいま。おかえり、えっと...」
この場合、なんて呼ぶべきなんだ?
国王?バルド?
「バルドでいいよ」
「おかえり、バルド」
察してくれたみたいで、バルド呼びになった
国王を呼び捨てはなんか変な感じだ
「ただいま」
そして、ニヤッと笑ってみんなの方を向いたバルド
「みんな、急だけど仕事が入った」
みんなの顔付きが少しだけ変わる
「内容は〜?」
一番最初に反応したのはローザ
「依頼主は隣国ブリオスタの国王。目標はレーゼル家の現当主とその次男。今日は次男の誕生パーティーがあるから殺ってきて。長男殺すのはダメ♡」
バルドは可愛らしく手でバツを作った
「...気持ちわりぃ。リト」
「キモ。レオン、もうやってる」
「気持ちわる。邪魔する奴は殺っていいの?」
「どうしたの?気持ち悪いわよ」
セツとサラまでバルドに毒づく
「みんな酷い...」
「リト、ブリオスタは戦士の国よ」
サラはバルドをスルーして情報を伝えた
「あ、そっか。ねぇエマ達は?」
リトもお構いなしにバルドに尋ねる
「...直行してもらってる」
渋々答えるバルド
そんな3人を見ていると、誰かに袖を引かれた
「ロー「みんなは置いといて、仕事に使う剣見に行こう」」
3人はあのままでいいのだろうか...
「あれはいつものことだから。そのうち慣れるよ〜」
「時計ある?」
「あるけど...」
ポケットから懐中時計を出し、ローザに見せる
「16時か...出発は?」
「...17時」
「私、ルイと剣見てくるから。ルイ、こっち」
ローザが広間の奥の扉に手を掛ける
「ローザ、俺の銃も取ってきてくれ」
「え〜銃は重いからヤダ〜レオンが自分で取ってきなよ!」
確かに銃は重い
ましてや、まだ小さいローザにとっては相当重いだろう
「ベルトに入ってるから重くないだろ」
「それでもいや。レオンの部屋はルイの部屋から遠いも〜ん」
取りに行く気は全くないらしい
「チッ」
レオンは気怠るそうに椅子から立ち上がると、舌打ちを残して姿を消した




