渋る
海の国 ラメール
海と山に囲まれた国で船を使った貿易が盛んであり、他国からのいろいろな輸入品が集まっている
「お前、わざとだろ⁉︎」
レオンがバルドの胸ぐらに掴み掛かった
「いや〜、ちょうどお声が掛かりまして...」
目が泳いでいるバルド
やましい事でもあるのだろう
「どうせ縁談話だろ⁉︎絶対行かないからな!」
“縁談”というワードにも驚きだが、ここまで嫌がるレオンも珍しい
『ラメールの姫はレオンがお気に入りなのよ。縁談を持ち掛けられるのもこれで10回目』
『10回⁉︎』
エマが隣に来て小さな声で説明してくれた
『来る度に断ってるんだけどね...』
呆れたように首をすくめて見せた
『しかも、レオンよりかなり年上なんだよ〜』
ローザも話に参加してきた
「おい...そこ3人は何の話してんだ?」
話が聞こえていたのか、薄く笑みを浮かべたレオンが俺たちを見ていた
俺たちのところだけ急激に気温が下がっていくのを感じる
「お、俺、レオンも任務に来て欲しいな...って話してただけだ。な!ローザ!」
「そ、そう。レオン行きなよ〜。ご指名なんてそうそう無いよ?ブフッ...」
ローザが吹いた
周りの面々を見るとみんなも笑いを堪えている
「ローザ、歯食いしばれ...」
レオンの標的がローザに変わった
「暴力反対〜!」
身の危険を感じたローザはすかさずサラの背中に逃げ込んだ
サラを盾にすればレオンの拳が飛んでくることはまず無い
「サラ、そこどけ」
レオンを前にサラは下を見たまま
「...り」
「は?なんて言った?」
サラの硬く握られた手がプルプルと震えている
「もう無理...我慢できない」
好きな人が何回も縁談を持ち掛けられたら、さすがのサラでも怒るよな...
「フ...アハハッ」
サラはまさかの大爆笑
「はぁ...笑いごとじゃないだろ?」
レオンはそんなサラに呆れ気味
「もう最高!さすが年上キラー」
お腹痛いと笑い過ぎて出た涙を拭っている
「サラ姉笑い過ぎ。レオ兄の年上キラーもここまでくると特技だね」
レオンの元に来る縁談の数は毎年50を超えているらしい
そして、そのほとんどが年上だそうだ
「いっそのことラメールの王女と結婚しちゃうー?」
バルドが調子に乗って口を滑らせた
それにピクリとサラが反応した
「それとこれとは話が別」
「す、すみません」
サラは本気で怒らせない方がよさそうだ
「で、結局どうなる?俺とセツは決定としてレオンは行くのか?」
「はぁ?行くわけ「行ってきなよ」」
レオンの言葉を遮るサラ
「だってレオンが行かなかったらオルレアンの名が落ちるわよ?」
納得してない様子のレオン
「何かあったらすぐ駆けつけるから。ね?」
サラがイケメンに見えるのは俺だけじゃないと思う
実際にレオンの顔が赤くなっている
「...分かった、行くよ。お前イケメンすぎ」
「私、女なんだけど...?」
我らが天然イケメン“サラ”のおかげでレオンのラメール行きが決まった




