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ある国の秘密  作者: 藤咲 乃々
第5章
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世界の終わりに

「〈バルド⁉︎〉」

バルドは今も昔も何も変わっておらず、少し若く見えるくらいだった



「神には世界の王しか会えないはずじゃ...?」

「普通ならこの空間には世界王か代理しか入れないけど、エンゼルフォースがその効果を消してるんだ」


なるほど...と納得していると、エマを連れたバルドが地上に戻っていた




既に崩壊が始まった世界


大地は割れ、海はうねりを上げていた

森も枯れ、山からは溶岩が流れ出して 空が紅く染まる

人々は泣き叫び、ひとつまたひとつと消えていく


まさしく、世界の終わり

数時間前からは想像も出来ない地獄のような光景が目の前に広がっていた



〈私のせいで世界が終わってしまう...〉

〈エマのせいじゃない〉

バルドがエマの言葉を否定した


〈私がルイを愛してしまったから...〉

〈エマはさ、ルイを愛したこと後悔してる?〉

バルドの言葉にエマは泣きそうな顔になりながら答えた


〈してないっ...〉

〈じゃあ、そんなこと言っちゃダメだよ。ルイが可哀想だ〉

バルドは昔から優しいかった



〈おい、どうすんだ?兄弟もバラバラになっちまうぞ〉

ディックの口の悪さも昔からのようだ


〈一つだけ考えがある〉

〈どんな?〉

バルドに注目が集まる


〈ルイは...こうなる事を想定してたのかな。ローザとアルマ、あとその剣が必要だ〉

バルドが指したのはエマの持っている剣


記憶と分かっていても妙な緊張感が伝わってくる


〈勝算はどれくらいだ?てか、なんでバルドが考えた計画なんだよ⁉︎〉

レオンが歩いて来ながら言った


外の異変に気づいたみんな

いつの間にか、兄弟が集合していた


〈勝算...か。俺達は間違いなく死ぬだろうね〉

バルドがニヤリと笑いながら衝撃の言葉を言い放った


〈ハッ!分かりきったこと言ってんじゃねぇよ!〉

〈ほんと。今の溜める意味あった?〉

〈早く計画、言いなさいよ〉

あ、バルドが集中攻撃されるのも変わってないみたいだ...


〈うん。今日もチームワークはバッチリ見たいだね〉

涙を拭くフリをしたバルドは計画を発表した


“エンゼルフォースを風に乗せて天界の神に撃つ”


〈考えは分かった。けど、そんな強い風出せる?〉

〈.....〉

リトの問い掛けにアルマが少し考えて、コクリと頷いた


〈神はエンゼルフォースには触れないはずだよ。傷を負うことが分かったからね。だから避けるしかない〉

バルドの根拠にみんなが小さく歓声をあげた


〈その隙にローザが神の記憶をすり替える。のは無理だから、少し認識をズラす。城を破壊したように思わせるのと...〉

ここまで言うとバルドは黙った

その顔にいつものふざけたような表情はなかった


〈そこまで言ってだんまり〜?そんなに言いにくいこと〜?〉

ローザは続きを催促した

いつも通りのローザにふっ、とバルドは笑い続きを話し始めた


〈“記憶だけを未来に残そう”〉

〈は?〉

バルドの言っている意味が分からず、ローザは理解するのに必死な様子だ


〈ローザには生き延びてもらう〉



「!」

隣にいるローザを見た


「残酷だよね〜1人だけ生きてろなんてさ〜」

この時ばかりはバルドを恨んだよね〜と呑気に笑っている



〈そして記憶を守って。兄弟全員分の記憶を〉

〈ん?嫌だ〉

二千年前のローザも速攻で断った


〈神に殺されれば俺達の記憶は無くなる。永遠に、だ。存在自体も無くなるかもしれない〉

〈そうなるだろうね〜〉


〈だからローザは生きてて。これは誰でもないローザにしか出来ないことだ〉

記憶の中のローザは穴が空きそうなほどバルドを睨んでいる


〈何年かかってもいい。何十年、何百年...もしかしたら何千年かかるかもしれない〉

睨んでいたローザの瞳が少しずつ潤み始めた


〈今度は生まれる順番も場所も違うかもね。それでも、もしまた兄弟が揃ったらまたこの城で暮らそう〉


〈はぁ......〉

額に手を当てて盛大にため息をつくローザ


〈バカなのは知ってたけど、ここまでバカだとはね...みんなはそれでいいわけ?〉

みんなも笑いながら頷いた


〈いいよ、分かった〉

渋々折れたローザは一人一人、額を合わせて兄弟の記憶を自分の中に取り込む


最後にバルドの記憶を取り込んだ

〈次会った時は覚悟しとけよ?バカルド〉

〈ごめん...〉


〈さあ、始めようか。世界を巻き込んだ史上最悪の反抗期を!〉

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